米ハーバード公衆衛生大学院の最新研究によれば、多様な運動を取り入れることで、死亡率が大幅に低下する可能性がある。(KALI9, GETTY IMAGES)

米ハーバード公衆衛生大学院の最新研究によれば、多様な運動を取り入れることで、死亡率が大幅に低下する可能性がある。(KALI9, GETTY IMAGES)

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 運動がマンネリ化している? やり方を変えてみよう。長生きする可能性が高まるかもしれない。

 運動が死亡のリスクを下げることはよく知られているが、さまざまな運動をする重要性を調べた研究はほとんどなかった。しかし、米ハーバード大学の新たな研究によれば、長期的には、トータルの運動時間によらず、運動の多様性が寿命に大きな違いをもたらすという。

 この研究では、看護師と医療従事者の約11万1000人を対象とし、運動習慣に関する30年以上にわたる定期調査の結果を分析した。

 被験者はガーデニング、自転車、ランニング、筋力トレーニング、テニス、階段の昇り降り、ヨガなどの身体活動(運動)にそれぞれ費やした時間を記録し、身体活動の多様性によって5つのグループに分けられた。(参考記事:「「体幹」の最も簡単な鍛え方とは、健康な長生きに大切な筋肉」)

 ただし、注意点がある。データは自己申告で、被験者は運動量を誇張している可能性がある。また、運動の多様性と長寿の間に1つの傾向が認められたことは事実だが、臨床試験を行う前に、運動の多様性が死亡率の低下を直接もたらすと結論づけることはできない。

「この結果は慎重に解釈すべきです」と米ピッツバーグ大学身体活動研究センターの所長ダクチュル・リー氏は述べている。氏は今回の研究には関わっていない。

 それでも、この研究はよくできていて興味深いとリー氏は付け加える。これまでのスポーツ研究のように、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせる利点だけに焦点を当てるのではなく、「この研究はさまざまな種類の一般的な運動を含んでいます」(参考記事:「1日7000歩で認知症リスクが4割減、死亡リスクも半分に」)

 それでは、運動した時間の長さではなく、どんな運動の多様性がどれほどの効果をもたらすのか、研究の結果を見ていこう。

次ページ:「効果的な運動量」に上限も、はたしてどのぐらいなのか?

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