世界で最も数の多いイタリアンレストラン
昨年、イタリアの農相がSNSに、ある国で販売されたカルボナーラソースが、イタリア伝統のレシピとは違うなどと抗議の投稿をし、騒ぎになった。イタリア料理がユネスコ無形文化遺産に認定されるかどうかの審査待ちの頃だったので、あえてのことだったのかもしれない。その後イタリア料理は、無事、ユネスコ無形文化遺産に登録された。
イタリアという国がいかに食に価値を置いているかがよくわかる出来事だ。
ピッツェリアやトラットリアを含むイタリア料理店の数は、世界中で他のどのジャンルのレストランよりも多く、その数は471,045軒と言われている(データ専門企業BoldData)。イタリア料理は世界で最も広く愛され、食べられている料理と言えるだろう。
そんなイタリアでもとくに注目されるのが、日本でもおなじみのミシュランガイド。ユネスコ無形文化遺産登録直前の2025年11月19日、北イタリアのオペラハウス「Teatro Regio di Parma(パルマ王立歌劇場)」にて、ミシュランガイドイタリア2026の発表式典が開催された。
終盤、3年前にオープンしたばかりの「Casa Perbellini 12 Apostoli a Verona(カーサ・ペルベッリーニ・ドディチ・アポストリ・ア・ヴェローナ)」のMichelangelo Mammoliti(ミケランジェロ・マンモリーティ)の名が新たな3つ星シェフとして呼び上げられると、会場は大いに沸いた。
まもなく始まるオリンピックの開催地ミラノから列車で1時間弱、生ハム、チーズ、ワイン、白トリュフなど、世界の食通家たちをうならせる食材の宝庫、エミリア=ロマーニャ州より、注目のミシュランレストラン情報と外せないグルメスポットをお伝えする。
Agriturismo La Razzaの朝食(後編記事にて紹介しています)。
ボローニャの丘陵Savigno(サヴィーニョ)でトリュフ狩りに同行。
開店2年で2つ星、3年で3つ星シェフ誕生
ミシュランが毎年発表する「ミシュランアワード」は、日本に限らず、世界中で大きな話題となる。2026年版ミシュランイタリアの発表会が行われたのは、パルマのパルマ王立歌劇場。天井は絢爛なフレスコ画で装飾され、4層のボックス席と上部にギャラリーを備えた1,400席の大ホールの、高さ4.5メートル、重さ1100キログラムのシャンデリアに照らされた舞台正面の席には、イタリアを代表するシェフたちがずらりと並ぶ。

ナポレオンの王妃マリア・ルイージャの指示のもと、1821年から1829年 にかけて建設されたパルマ王立歌劇場。
まず1つ星、2つ星獲得店、次にグリーンスター、各部門賞などが発表され、舞台に上る晴れやかな笑顔のシェフたちに拍手が送られた。続けて、昨年に続き「3つ星」維持となった14店の3つ星シェフたちが呼ばれて、壇上に上がった。
最後に新たに3つ星シェフとなった「 La Rei Natura by Michelangelo Mammoliti(ラ・レイ・ナトゥーラ)」のMichelangelo Mammoliti(ミケランジェロ・マンモリーティ)の名が呼ばれると、会場は大きな拍手で包まれた。
ミケランジェロシェフは1985年生まれの40歳。イタリアでは巨匠グアルティエロ・マルケージに師事、その後フランスへ渡りアラン・デュカス、ピエール・ガニエール、など著名な3つ星シェフの元で修業し、2022年2月「ラ・レイ・ナトゥーラ」を開店した。翌年の2023年には2つ星を獲得し、昨年2025年11月にに異例のスピードで3つ星シェフとなったのだ。
若きスターの誕生に会場がどよめいたのは、名を連呼されるミケランジェロシェフが、手にしたスマホで自撮りしながら舞台に上がる、というユニークな光景を目にしたからかもしれない。ずらりと並ぶ先輩シェフたちをバックに、満面の笑みで自身にスマホを向ける姿が抑えきれない喜びと興奮を表していた。

ミシュラン2026年イタリア3つ星レストランは以下のとおり。
