文字の記録がある、かつての生活用具に着目した企画展「『たくさん集める』からわかることⅡ」が、香川県高松市亀水町の瀬戸内海歴史民俗資料館で開かれている。江戸中期から昭和中期までの暮らしや文化の変遷などが浮かび上がり、広い視野を持って民俗資料を収集する意義を伝えている。2月23日まで。

 同資料館は現在、瀬戸内圏の11府県から収集した計12万9千点の貴重な民俗資料を収蔵。今展では生活用具約80点を紹介している。
 長井博志主任文化財専門員が「展示品の中で一番驚かされた」とするのが、1919(大正8)年に製造された、もみと細かなわらを選別する農具「唐箕(とうみ)」。三木町で見つかったもので、表面には「最後は共に御国の為に喜んで死んで行きませう」など戦時中に書かれたと思われる墨書きがあり、書いた人の強い思いが伝わる。
 戦後経済の混乱がうかがえるのが、会場に並ぶ二つの「箕」。46年に購入された箕は価格が60円と記載されているが、48年のものには300円と書かれており、戦後のハイパーインフレを読み取ることができる。
 また、県内で昭和期に使用されていた回転馬鍬(まんが)の展示コーナーでは、地域によって刃の形状などが異なることが分かり、長井専門員は「製造者の技術系譜や使用時の作業内容の違いを反映しているのかもしれない」とする。
 このほか「陸軍満期紀年」といった銘文のある食器や、昭和初期に新造船祝いとして贈られた素焼きの土鍋など多彩な展示品が並んでいる。
 入場無料。2月14日午前10時から講座「モノと文字から探る香川の暮らし」がある。問い合わせは瀬戸内海歴史民俗資料館、電話087-881-4707。

(四国新聞・2026/01/29掲載)

瀬戸内海歴史民俗資料館