1月30日(金)「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」が東京・虎ノ門ヒルズの「TOKYO NODE(東京ノード)」で開幕。攻殻機動隊が「見る」対象から「体験」する世界に。「SFはもう、フィクションじゃない?」そう感じる没入感満載の展示内容でした。開幕前日に行われたメディア先行内覧会を取材しました。
1600点超の制作資料へアクセス
アニメの設定資料や原画、背景美術、セル画などの制作資料をスタイリッシュに展示
リアルタイムで”笑い男”によるハッキング体験
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』で描かれたサイバーテロ事件・通称”笑い男事件”のハッキングを疑似体験できる「笑い男になる鏡 “Laughing Man Mirror”」が出現。自分の顔が”笑い男”にマスキングされる体験は強烈でした。

アーティストコラボレーション
『攻殻機動隊』が投げかけてきた問いを、現代の表現として再解釈したコラボレーション作品が複数展示されています。
特定の服を着ると”光学迷彩”となる《AI監視社会のカモフラージュ》作家名:UNLABELED(Qosmo×Dentsu Lab Tokyo)
ARグラス「電脳 VISION」 音声ガイドがバージョンアップ!
展覧会でおなじみの音声ガイドが、本展ではARグラスを使った「電脳 VISION」(事前予約オンライン販売・1,500円)となっており、未来的な鑑賞ができます。


サイバーパンクのカルチャーを国内外に広めた攻殻機動隊シリーズ。特設ショップでのコラボグッズの多さからもそれが分かります。


(美術展ナビ編集班 岡本公樹)
攻殻機動隊展 Ghost and the Shell
会場:TOKYO NODE GALLERY A/B/C(虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F)
会期:2026年1月30日(金)~4月5日(日)※会期中無休
入場チケット(当日会場窓口販売)一般 2,700円/高校生・中学生 1,900円/小学生 1,200円
公式HP https://www.tokyonode.jp/sp/exhibition-ghostintheshell/
©︎士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展Ghost and the Shell製作委員会
プレビュー記事
虎ノ門ヒルズ・TOKYO NODE GALLERY A/B/C(東京都港区)で「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」が2026年1月30日から開催されます。
本展は、1989年の士郎正宗氏による原作を起点に、1995年公開の劇場版『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』以降、歴代作品のアニメーション制作を担当してきたProduction I.Gと、2026年放送予定の新作アニメを担当するサイエンスSARUが全面協力のもと、アニメシリーズの全作品を網羅し、30年にわたる『攻殻機動隊』の歴史を横断的に体験できるシリーズ史上初の大規模展覧会です。
押井守監督、神山健治監督、黄瀬和哉監督、荒牧伸志監督ら歴代監督陣が手がけた各作品に加え、2026年放映予定のサイエンスSARUが手がける新作アニメに関連する作品も展示予定。各作品の持つ独自のテーマや世界観を比較しながら鑑賞することができます。
さらに、会期中は展覧会限定のオリジナルグッズも多数販売予定。ここでしか手に入らない特別なアイテムにも注目が集まります。
本展の見どころ
全シリーズの源泉を巡る – 未公開資料を含む600点以上のアーカイブを公開 –
「攻殻機動隊」シリーズ全体の制作過程で生まれた膨大な原画、設定資料、絵コンテなど、未公開資料を含む600点以上の貴重な資料を公開いたします。数々のアーカイブや本展が初公開となる監督毎のインタビューを通じて各シリーズの源泉を見比べながら体感できる構成になっており、制作現場のリアリティにも触れることができます。ファンならずとも魅了される「攻殻機動隊」の創造の現場を体験できる貴重な場を提供いたします。
情報の深層から、未来を掘り起こす – 全身で体感する体験型展示 –
TOKYO NODE ならではの没入型インスタレーション、インタラクティブな体験型展示を展開予定。また、各監督の視点からシリーズのストーリーを読み解く貴重なインタビュー映像も上映され、これまで知らなかった「攻殻機動隊」の新たな視点に出会うことができます。中でも注目なのが、鑑賞者自身が「攻殻機動隊」の世界観と膨大な情報量の中へアクセスし、未来のヒントを掘り起こしていく“DIGる(ディグル)”展示。シリーズの世界観に深く入り込みながら、思考と感覚を使って読み解く唯一無二の展示となります。
「過去と現在」が交差する場所 – 「人間とは何か?」を再定義 –
本展は、単なる観賞にとどまらず、それぞれの展示体験を通じて、「攻殻機動隊」が問いかけてきた未来の姿と、現実世界の変化とを重ね合わせ、鑑賞者一人ひとりが「自分の攻殻機動隊」に出会う場となることを目指しています。
さらに、「攻殻機動隊」が一貫して問い続けてきた「人間とは何か?」という普遍的な問いを、AIやBMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)など現代の先端技術の視点から再考しています。「GHOST」と「SHELL」の関係を紐解き、鑑賞者が「過去と現在」を行き来しながら、自らの存在を見つめ直す機会をお届けします。
「攻殻機動隊」もう一つの視点 – 世界中の創造者たちとの共創作品 –
会期中には、攻殻機動隊に影響を受け、国内外で活躍する現代アーティストやクリエイターとの共創によるインスタレーション展示も展開予定。「攻殻機動隊」が世界中の表現者たちに与えてきた影響力とその多様性を体感できる貴重な機会となります。
オリジナルグッズはもちろん、横断展ならではのオリジナルショップも
本展ならではのオリジナルグッズはもちろん、横断展だからこそ実現できるオリジナルショップを展開。ここでしか味わえない特別なショッピングもお楽しみいただけます。
押井守監督 コメント
ゴーストとシェル。その関係はゴーストの中にシェルがある、それが「Ghost in the Shell」だと思う。ゴーストは人に限らず、人形にも植物にも宿る。何か調和のとれた、穏やかなもの。囁いてくるもの、風のように。
この系列作品の共通点は、未来的なビジョンである。原作漫画の世界観に基づき、各々の監督が作品を描いてきたが、どれも士郎正宗のポリシーを一歩も離れていない。離れられないのだ。だからこそ全てスピンオフとも言え、それがこの作品の良さでもある。
その展覧会が横断的というからには、サブカルとして順不同な入口があるべきだと思う。アニメはもちろん、原作漫画も実写も含めて視野に入れてほしい。それでこそ初めて横断的展覧会になる、と私は思う。
攻殻機動隊とは 1989 年に漫画家・士郎正宗が、青年誌「ヤングマガジン」の増刊「ヤングマガジン海賊版」第5号から連載を開始したSF 作品。電脳戦や格闘などで優れた能力を持つ全身義体(サイボーグ)の草薙素⼦。階級「少佐」の彼女をリーダーとした攻性の部隊「攻殻機動隊」が、⾼度複雑化する凶悪犯罪に立ち向かう姿を描いた物語である。リアルで精密な描き込みとともに、サイバーパンク的な要素や哲学的なテーマを探求しながら、人間とテクノロジーの融合、個人のアイデンティティなどについて深く考察していて多くのクリエイターたちに影響を与えた。その後1995年に押井守が監督を務めた劇場アニメーション『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』、2002年に神山健治が監督を務めたテレビアニメーション『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』、2013年に黄瀬和哉が総監督を務めた劇場アニメーション『攻殻機動隊ARISE』、2017年にハリウッド版実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』、2020年に神山健治、荒牧伸志のダブル監督で制作された配信アニメーション『攻殻機動隊SAC_2045』が発表された。『攻殻機動隊』は劇場アニメーション、テレビアニメーション、ゲームなど様々な広がりを見せるが、それぞれ漫画とは違った独自の物語、解釈や表現で展開されている。
なお、本展は海外巡回も予定されているとのこと。30年の歴史を重ね、いよいよ世界へと広がっていく「攻殻機動隊」の今後の新たな展開にも要注目です。なお、本展の詳細については、今後、公式HP等で徐々に明らかにされる予定とのこと。アニメ、テクノロジー、アートが融合するかつてないスケールの展覧会として、今から来春の開幕が待ち遠しい限りです。(美術展ナビ)
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