オーストラリア国立計量研究所(NMI)は10月24日、急速に進むデジタル化に対応するため、国内の計量法制を将来にわたり有効な形へ刷新する取り組みを進めていると発表した。

計測はエネルギー供給や食料品の量り売りなど商取引の基盤であり、正確な値を保証する計量法は経済活動全体の信頼性を支えている。しかし現行法は1960年制定で、AIや自己調整機能を備えた最新の計測機器には対応しきれていない。NMIで法定計量を統括するビル・ロイジデス(Bill Loizides)氏は、産業構造と技術革新の変化に合わせ、法律を「将来を見据えて」更新する必要性を強調している。

チームは、測定機器の高度化が進む中で、オーストラリア国外で運用される機器も含め、業界と消費者の信頼を維持することを課題として挙げる。NMIはサプライチェーン全体の関係者と連携し、自己補正機能を備えた計測機器を含む新技術に対応するための計量法の近代化に取り組んでいる。

近年は食料品店向けのスマートショッピングカートや、農業分野で穀物の品種・欠陥を識別するAI計測機器の導入支援も進む。これらの技術は卸売取引の効率化と一貫性向上に寄与するとされる。またエネルギー・輸送分野では電気自動車(EV)充電器の国際的に調和された要件づくりに参画し、計測基準が技術変化に遅れないよう取り組んでいる。

同氏は「私たちの取り組みは、オーストラリアの法定計量システムの将来性を確保するための幅広い方針を反映しています。これにより、急速に変化する世界において、システムが堅牢で、対応力があり、関連性を維持できるようになります」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部