(CNN) 米国のルビオ国務長官は23日、ウクライナでの戦争の終結を目指してスイス・ジュネーブで米国とウクライナの代表団が行った協議について、「生産的だった」と語り、楽観的な見方を示した。
ルビオ氏は協議後、記者団に対し、今回の初会合は「これまでで最も生産的で意味のあるものだった」と述べた。
ルビオ氏は、トランプ米大統領が提示した28項目の「和平案」について、ウクライナとロシアの双方に受け入れ可能な条件に近づける形で「進化」し続けていると説明した。「これは生きた文書だ。毎日、意見を踏まえて変化している。未解決の項目は克服不可能なものではない。現在よりももっと時間が必要だ」
今回の和平案は、ウクライナに対して、領土の放棄や軍の規模縮小、北大西洋条約機構(NATO)に加盟しないことなどを求めている。いずれもロシアが長年要求してきた内容であることから、米国内でも与野党から批判が出ていた。
米国務省の報道官は、和平案について、「ロシアとウクライナ双方からの意見を取り入れ、米国が作成した」と述べた。
ホワイトハウスも23日、ジュネーブで、米国とウクライナ、欧州の高官らの参加のもと「修正と明確化」が加えられたと説明。ウクライナ側は現行案について「自国の安全保障上の利益を反映している」と考えているとした。
ホワイトハウスの声明によると、ウクライナ代表団は、安全保障の保証や長期的な経済発展、インフラの保護、航行の自由、政治的主権の確保といった主要な懸念事項のすべてが会合で徹底的に議論されたことを確認したという。
ウクライナのゼレンスキー大統領も楽観的な見方を示し、協議の「実質的」な成果をたたえた。ゼレンスキー氏はSNSに投稿した動画で、「多くのことが変化している。我々は戦争終結に必要な措置を慎重に検討している」と述べた。
ウクライナのイエルマーク大統領府長官も会合を「非常に生産的」と称賛し、「平和をもたらす」というトランプ氏の関与に謝意を示した。
一方で、こうした進展の数時間前、トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」で、ウクライナ指導部が米国の和平仲介の取り組みに対して「感謝の念を全く示していない」と不満を表明していた。
トランプ氏はSNSへの投稿で、「ウクライナ『指導部』は米国の努力に全く感謝しておらず、欧州はロシアから石油を買い続けている」と述べた。
ルビオ氏はCNNの記者に対し、トランプ氏と話した結果、トランプ氏が協議の進展に「満足している」と明らかにした。
ホワイトハウスとウクライナが発表した共同声明は、協議が極めて生産的であり、立場の整合性を図り、明確な次の段階を特定する上で意義深い進展を示したとし、「最新かつ洗練された和平の枠組み」につながったとしている。
ウクライナは共同声明の中で、米国とトランプ氏に対し、「戦争と人命の損失を終わらせるためのたゆまぬ努力」に謝意を示した。
米国が提案した和平案の受け入れ期限は27日とされるが、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、今回の和平案は「最終案ではない」と明言していた。
ルビオ氏も「ロシア側にも投票権がある」と述べ、期限は流動的だと示唆した。

米国が提案したウクライナとロシアの「和平案」をめぐり、ウクライナと米国の高官による協議が行われた=23日、スイス・ジュネーブ/Fabrice Coffrini/AFP/Getty Images
南アフリカでの主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)にあわせて22日に集まった欧米の首脳らは、外交努力の活発化を歓迎する一方、米国の提案について「初期草案」にすぎず「さらなる作業が必要だ」と懸念を示していた。
欧州は修正案で対抗
ホワイトハウスが提案の修正に関する声明を発表する前に、英国とフランス、ドイツが和平案に対して一連の重要な変更を加えた対案を作成したという。ロイター通信が報じた。
欧州当局者と欧州の外交筋は、文言の正確性についてCNNに確認した。
当局者のひとりは、文言は欧州側が米国の草案を修正するために提示した内容を正確に反映しているとしつつ、スイスでの協議の中でさらなる変更が加えられた可能性もあるとした。
修正版での重要な変更点には、NATOの欧州への介入を制限するという文言の軟化が含まれていた。欧州版では、領土割譲への言及や、クリミア半島やドネツク州、ルハンスク州を事実上ロシア領と認める米国案の内容が削除された。
対案は、まず停戦合意に達することを求め、領土交換に関する将来の協議の基礎として現在の前線を位置づけている。また、ウクライナでの100日以内の選挙実施という期限は削除され、代わりに和平合意の調印後、可能な限り速やかに選挙が実施されるとしている。
