2025年11月5日 午前7時30分
【論説】文部科学省の2024年度調査で、福井県内の小中学校で年間30日以上欠席した不登校の児童生徒が、過去10年間で最多の1661人だったことが分かった。ただ、増加人数は2年連続で減少している。千人当たりの不登校者数も7年連続で全国最少となっており、学校現場などで児童生徒への支援強化に引き続き取り組んでほしい。
全国をみると、国公私立の小中学校の不登校の児童生徒は、全体の3・9%(26人に1人)に当たる35万3970人。12年連続で増え、過去最多を更新した。小学生が5・6%増、中学生は0・1%増で、低年齢化も進んでいる。
増加している要因の一つは、無理に通学する必要はないといった保護者らの意識変化がある。子どもが不登校となる理由はさまざまで、学校に行くことで心がつらくなるなら休むのも一つの手だ。コロナ禍により保育園などに行かなかったため集団行動が苦手などの理由もあるとみている。
福井県の場合は、千人当たりの不登校数は28・9人で、全国平均の38・6人を大きく下回る。県教委は取り組みの特徴として、「魅力ある学校づくり」による不登校の未然防止と、退職教員らが支援員として不登校傾向の児童生徒をケアする「校内サポートルーム」などを挙げる。
魅力ある学校づくりは、児童生徒に「学校が楽しいか」「みんなで何かするのは楽しいか」「授業がよく分かるか」などの意識調査を行い、それを基に課題を探り、行動計画を立てるもので、各学校が独自に児童生徒主体の取り組みにつなげている。絆を強める学校行事を増やしたり、人間関係をつくりやすい活動を定期的に行ったりすることで一定の効果を上げているとみる。
サポートルームは現在73校に設置されており、不登校傾向にある児童生徒に個々に対応し、クラスに復帰しやすい環境をつくる。
また、子どもたちにとって大切な自己肯定感を高めるため、県教委が取り組む「ポジティブ教育」に期待したい。自分と友人らの良いところを見つけ、自己存在感や尊重し合う心を育むものだ。魅力ある学校づくりやポジティブ教育が有機的に機能するよう取り組みを進めてほしい。
不登校に特効薬はないといわれる。大切なのは学校をはじめ家庭、社会で児童生徒が安心して日常生活を送ることのできる居場所づくりだ。その中で子どもたちに寄り添うことができれば、早い段階で異変に気付く可能性も高まるはずだ。
