ドイツ連邦統計局が7日発表した8月の製造業受注は前月比0.8%減少で、4カ月連続でマイナスを記録した。予想外の減少となり、過去2年間にわたる景気後退から欧州最大の経済を立て直そうとする政府にとって、さらなる打撃となった。

  ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では1.2%の増加が予想されており、減少を見込んでいたのは1人だけだった。大口受注があったことで、大幅な落ち込みには至らなかったという。

 

  輸出主導型のドイツ産業は、厳しい経済環境への対応を迫られている。トランプ米大統領が関税を相次いで導入する一方、中国は国際市場で競合相手としての存在感を一層強めている。

  ドイツ経済省によると、8月の受注減少は海外からの需要の鈍化が主因である一方、国内需要には持ち直しの動きが見られたという。同省は「国内からの大型資本財受注の比率が再び高まっていることは、防衛関連・防衛装備品分野での発注増加を示唆している」と指摘した。

  コメルツ銀行のチーフエコノミスト、イエルク・クレーマー氏は「ドイツ企業は発注を控えている。おそらく、経済政策に新たな方向性が見られないことに失望しているのだろう」との見方を示した。また、「最近では海外需要も弱まっており、これは米国の関税大幅引き上げの影響による可能性がある」とも述べた。

  メルツ首相率いるドイツ政府は、2年間続いた経済縮小からの脱却を図るため、大規模な財政支出計画を推進している。予測筋は、当面は小幅な回復にとどまるものの、その後は公共投資が経済に波及するにつれ、成長が加速するとの見方を示している。

原題:German Factory Orders Drop, Challenging Merz’s Recovery Push (1)(抜粋)

— 取材協力 Kristian Siedenburg, Joel Rinneby and Harumi Ichikura