【写真を見る】長崎 お盆の伝統行事「精霊流し」 精霊船に込められた故人への思い

■藁をふんだんに使った 昔ながらの精霊船

藁をふんだんに使った昔ながらの精霊船。去年12月、病のため77歳でこの世を去った松尾禎二郎さんの船です。

独身だった松尾さんが、自分の子や孫のように接した姪とその子どもたちが船を流します。

姪・江川奈美さん
「昔ながらの厳しくて優しくて、九州男児というか。本石灰町でおくんちがある時は、機敏に動かないと、目がこわい存在でもありました」

帆には、長崎くんち・本石灰町の御朱印船

松尾さんは長年、本石灰町に暮らし、御朱印船を支えてきました。おととし根曳を務めた姪の子・江川錦さんには、忘れられない思い出があります。

松尾さんの姪の子 江川錦さん(23)
「くんちの稽古の後に頻繁に電話がかかってきたんですよ。『きょうはようまわったか?』という話をして。『見に行きたかとけど、なかなか行ききらんけん、ごめんな』っていうとば、ほぼ毎日電話してたんですよ。普段全然電話しない人が。そしたら、後になって『具合の悪か』って。(練習後の電話で)二人の時間っていうのをつくれて嬉しかったですね」

温かく見守り、いつも相談にのってくれた松尾さんへの感謝を込めた精霊船です。

松尾さんの姪の子 江川錦さん(23)
「(松尾さんから)ずっと言われよったとは、『人にようしとけ。自分がきつくても困っとっても人ば助けろ。やっぱり人にようしとけばいつか返ってくる』って」

多くの人に慕われた松尾さんからの教えを胸に、精霊船を流します。

■軍艦島や貨物船 島原の切子灯籠などで飾られた精霊船

去年8月に93歳で亡くなったやまさ海運会長の伊達秀則さんを送る精霊船です。

伊達さんは、長崎市の端島「軍艦島」が、世界文化遺産に登録される18年前から軍艦島周遊クルーズを始め、長崎の観光振興に大きく貢献しました。

長男 伊達昌宏社長
「父が心血注いでですね、観光開発に取り組みました軍艦島の姿と、側面には父が主導いたしまして建造から運営管理、営業等も含めまして取り組みました貨物船と旅客船の代表的な船をですね、掲げさせていただいております」

長男 伊達昌宏社長
「日頃はたいへん厳しかったんですが、非常に思いが深くてですね、厳しい中にもやさしさもありまして、本当に尊敬に値する人物でございました。」

秀則さんの妻 伊達來榮子さん
「みなさんとお話をしたりとか、歴史の話も好きだったし、安らかに送ってやりたいと思います」

戦後一代で会社を大きくし、地元経済の発展に力を尽くした伊達さんの精霊船は、親族や従業員らによって西方浄土に送られます。

長崎放送

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