中国の不動産市場について、UBSグループは回復を予想していた数少ない金融機関の1社だったが、4-6月(第2四半期)に再び販売が減速したことを受け、持ち直す時期が後ずれするとの見通しを示した。
中国・香港不動産調査責任者ジョン・ラム氏は3月時点で、中国を代表する大都市、いわゆる「1級都市」の住宅価格が2026年の早い時期までに安定するとの予想を示していた。だが今は、政府が追加の景気刺激策を導入しない限り、安定するのは26年半ばから後半になると見込んでいる。
同氏はインタビューで、「最近数カ月で販売の勢いが鈍化した」と指摘し、「この状況が続けば、回復は当初の予想よりも遅れる」と述べた。
ラム氏は、中国不動産危機を象徴する1社である中国恒大集団の投資判断を21年初めに引き下げたことで知られる。巨額の債務に苦しんでいた同社が、住宅市場の混乱の中でデフォルト(債務不履行)に陥る11カ月前のことだった。
一方、ラム氏は昨年、同業の多くがさらなる相場下落を予測する中で、不動産市場に強気な見方をし注目を集めていた。
同氏によれば、需要の低迷により、住宅の販売には時間がかかっている。今年3月時点で1級都市における在庫の回転期間は平均14カ月で、これは上振れサイクルが始まった15年と同水準だった。だが6月末に20.7カ月となり、最大規模の都市であっても、住宅在庫の消化により多くの時間がかかる見通しだという。

ラム氏が3月に回復を予想した主な根拠は、資金難に陥った多くのデベロッパーが土地購入を控え、住宅供給の過剰が緩和されたことだった。住宅着工件数は昨年、21年の下振れ開始時期と比べ63%減少した。
同氏の基本的な見方は変わっていない。中国全体の住宅在庫は今年3月末以降も減少を続けているが、消化に一段と時間を要しているという。
不動産調査会社の中国房産信息集団(CRIC=克而瑞)のデータによると、大手100社による新築住宅販売額は2カ月連続で前年同月比20%超の減少。昨年9月以降に打ち出された景気刺激策の効果が薄れつつあることを示している。
新築住宅価格も6月に前月比0.27%下落し、8カ月で最大の値下がり率となった。
原題:China’s Property Slump to Last Longer Than Expected, UBS Says (抜粋)
