カナダのカーニー首相は30日、9月の国連総会でパレスチナを国家として承認すると発言した。フランスに続く動きだが、米国やイスラエルの反発を招く可能性がある。

  カナダはこれまで、イスラエルとパレスチナ自治政府間の交渉を通じた二国家解決を支持してきたが、カーニー氏はこのようなアプローチは「もはや維持できない」と指摘。

  イスラム組織ハマスによるテロ行為やイスラエルの存在を否定するハマスの姿勢、さらにイスラエルによる最近の入植地建設の加速、ヨルダン川西岸地区の併合を求める議会の動きをその理由に挙げた。

  また、国家承認はパレスチナ自治政府が示した一連のコミットメントに基づくものだと説明。同自治政府のアッバス議長が改革のほか、ハマスが関与しない形での2026年の選挙実施を約束したと述べた。さらにパレスチナ国家の非武装化も必要だとしている。

  これに対し、トランプ米大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、カナダがパレスチナ国家承認を決定したことで、「カナダとの貿易協定締結が非常に難しくなる」と述べた。

  カナダ首相官邸の声明によると、カーニー氏はアッバス議長と30日に協議し、「カナダは地域の平和と安定の促進に向けた取り組みを強化し、その目標に向けて域内の同盟国と緊密に連携していく」と伝えたという。

  主要7カ国(G7)の間ではフランスのマクロン大統領が9月の国連総会で承認すると発表済み。スターマー英首相もイスラエルがガザでの軍事行動を停止しない場合、国連総会までにパレスチナを正式に国家承認すると表明している。

  カナダの動きに対し、イスラエル側は反発。モエド駐カナダ大使は電子メールでの声明で、「イスラエルは歪曲(わいきょく)された国際社会の圧力に屈しない。われわれの全滅を試みるジハード主義国家に対する一方的な承認を認めることにより、われわれの存在自体を犠牲にすることはしない」と述べた。

  カナダの最大野党・保守党は、一方的な承認によって「暴力とテロが政治的な目的達成の有効な手段だという誤ったメッセージを世界に送る」ことになると非難。今の段階でハマスがパレスチナ国家に一切関与しないのは「不可能」と主張した。

原題:Canada Prompts Trump Trade Threat on Recognizing Palestine (2)(抜粋)