陸上=欧州人権裁、セメンヤさん訴えを支持 女子規定巡り再審理も

欧州人権裁判所は10日、陸上女子800メートルで五輪2連覇のキャスター・セメンヤさんが男性ホルモンのテストステロン値が高い選手の出場制限規定の無効を求めている問題で、申し立てが適切に審理されなかったというセメンヤさんの訴えを認める判断を下した。ヨハネスブルクで2024年2月撮影(2025年 ロイター/Alet Pretorius)

[10日 ロイター] – 欧州人権裁判所(ECHR)は10日、陸上女子800メートルで五輪2連覇のキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)が男性ホルモンのテストステロン値が高い選手の出場制限規定の無効を求めている問題で、申し立てが適切に審理されなかったというセメンヤさんの訴えを認める判断を下した。

セメンヤさんは、世界陸連がテストステロンの値が高い女性選手に対して薬などで基準値以下としなければ大会出場を認めない規定を設けたことに対し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)やスイス連邦裁に規定撤回を求めて提訴。しかし、2019年にCASで、翌年にはスイス連邦最高裁で敗訴し、ECHRに判断を求めていた。

ECHRは23年7月、スイス連邦裁への最初の申し立てが適切に扱われなかったというセメンヤさんの主張を支持。これを不服とした連邦裁が世界陸連の支援を受けてECHR大法廷に上訴していたが、これが今回退けられた。

これにより、規定撤回を巡る再審理がスイスの裁判所かスポーツ仲裁裁判所(CAS)で行われる可能性がある。

セメンヤさんは、現在は指導者で競技復帰を目指しておらず、後進のために訴えを続ける意向だという。最近の取材で「今は人権のための戦い。競技のためではない。それはアスリートの権利を最優先に考えるということ、アスリートを守るということ」と述べた。

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