Mikel Bilbao/Getty Imagesヨーロッパでは、エネルギー価格がマイナスになることが普通になっている。最新の事例は8月20日にドイツで起こった。一般に、太陽光と風力による発電量が同時に多い日に、価格は赤字に転落する。
ヨーロッパのエネルギー価格は、マイナス圏で取引されることが多くなってきている。太陽光と風力による発電量が好調なためだ。
ブルームバーグが報じたところによると、最近では8月21日に電力価格がいくつかの市場でゼロを下回った。この記事で引用されたEPEXのデータでは、20日に行われたドイツでの前日入札で6時間にわたりマイナスになっている。
消費者が支払う料金は通常、事前に合意されている。そのため、マイナス価格になっても家庭が電力使用に対する払い戻しを受けているという意味ではない。

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そうではなく、前日入札に関係があるのは純粋なエネルギー価格だ。市場で価格がマイナスになるのは、電力の需要と供給のバランスが取れていないことを示すシグナルであり、太陽光と風力による発電量がともに多い時に起こる。
これはヨーロッパにおける、グリーンインフラへの大規模な投資の延長線上にある。ヨーロッパは昨年、記録的な量のソーラーパネルを導入した。ロシアの天然ガスへの依存を軽減するためだ。
たびたび引き合いに出されるのがドイツで、消費者の需要を上回る太陽光発電量を追加したとSEBリサーチ(SEB Research)は5月に発表した。
2023年、ドイツの太陽光発電量は81.7ギガワット(GW)に達したが、需要量は52.2GWにしかならなかったとレポートには記されている。
一方、ブルームバーグはドイツの風力発電が8月21日に4カ月間で最高となる平均水準、22.7GWに達する見込みだとしている。
この夏、エネルギー価格はフランスでもマイナスになっており、6月には原子力発電所が停止した。だが原子炉の停止は珍しいことではなく、スペインや北欧でも起こっている。
太陽光や風力による発電が非効率である理由のひとつに、蓄電技術の不足で作った電気を保存することができないことがある。SEBによると、消費者は前日の価格低下の恩恵を受けていないかもしれない。太陽光発電が稼働していない時間帯の方がエネルギーの消費が多いからだ。
価格が抑えられると、最終的に太陽光発電インフラへの投資が後退する可能性があると報告書は警告している。太陽光発電の価格はバッテリーとグリッドへの資金が増えればむしろプラスになるという。
とは言え、ヨーロッパの太陽光発電に対する意欲は落ちていない。
ロイターによると、現在は中欧から東欧の各国が太陽光発電の拡大をリードしているという。オーストリア、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、ポーランドでは、今年最初の7カ月間で、電力会社が運営する太陽光発電の出力が前年比で55%急増した。

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