銀行跡が地域の表現拠点に
香川県三豊市仁尾町の旧銀行跡地に誰もが自由に描ける場所「アートバンク」が2025年7月19日に誕生する。ローカルアートバンクが運営する本施設は、子どもから大人までが日常的に絵を描き、作品を通じて人や地域とつながる文化のプラットフォームを目指している。
利用者は描いた作品を預けたり、Tシャツやマグカップに加工したり、他者に貸し出す仕組みを通じて、まちにアートが循環するモデルを実現する。かつて経済を動かしていた銀行の仕組みを、アートによって再構築する新しい試みとなっている。
三豊市の背景とアートとの連携
三豊市はこれまで100以上の地域プロジェクトを展開し、30億円以上の民間投資を活用して地域活性化を進めてきた。今回のアートバンクも、地域とともにブランドを立ち上げることを目指す新たな文化的試みとして注目される。東京・銀座で創業100年を超える画材専門店「月光荘」とのコラボレーションにより、「地域とブランドが対等に手を組み、新たな価値を共に創出する」モデルが形づくられている。

Before:旧香川銀行 仁尾支店

After:アートバンク三豊(店内)
提供サービス1DAYスケッチ(大人1,000円 / 子ども500円):自由に画材を使って気軽に描ける体験型サービスサブスクスケッチ(月額3,000円): いつでも描きに来られる月額会員制プランアトリエサービス(月額4,500円): 作品・画材の保管と専用スペースでの継続制作が可能プロダクトサービス: 描いた作品をTシャツや雑貨に加工できるカスタムサービス創造の出発点「未完箱」
未完箱イメージ
画材の多くは地元家庭や企業から寄せられた寄付品で構成され、それらをかつての「みかん箱」に収めた「未完箱」として設置。描くことを始めるきっかけとして、地域から集まった“想像力の種”を受け取ることができる。
発起人・メンバー日比康造(月光荘代表):東京・銀座の老舗画材店「月光荘」の代表。音楽家・文筆家としても活動。古田秘馬(プロジェクトデザイナー / umari代表):都市と地域をつなぐ事業開発を多方面で手がける。今川宗一郎(ウルトラ今川 代表):地域プロジェクトの企画運営に従事。藤岡優(Fizm 代表):アートを通じた地域価値の創出に取り組む。島田真吾(くらしの不動産 代表):地域密着型の不動産業を展開。原田佳南子(瀬戸内ワークス 代表):地域に根ざしたクリエイティブ活動を支援。
月光荘を象徴するホルンマーク

月光荘画材店(銀座)の昔と今

戦時中の油絵の具

昭和初期の月光荘サロンに集う人々

現在の月光荘サロン(月のはなれ)
月光荘
大正6年(1917年)に創業した月光荘は、日本で初めて純国産絵の具の開発に成功し、オリジナル製品のみを取り扱う世界唯一の画材店。トレードマークはホルン。香川県三豊市の地元企業11社の協働により立ち上がったウラシマビレッジプロジェクトにおいて、各部屋のアートワークに使用される絵の具を月光荘が提供したことを契機に、両者のコラボレーションがスタート。月光荘が長年培ってきた「アートと共にある暮らし」への思想と、三豊市が目指す地域資源を活かした創造的なライフスタイルが共鳴し、地域とアートが有機的につながる新たな取り組みが実現した。
