「私が情熱を傾けているからと言って、私自身にそれを成功へと導くスキルがあるとは限りません。ですから私は、自分に近い大義を持つリーダーを他に見つける必要があることを学びました。今の私は、彼らが率いる熟練したチームがあるからこそ、事業の最前線に立って集中し続けることができるのです。私の役割は、彼らにリソースと戦略的指示と資金を提供するだけ。それは慈善活動も同様で、プロジェクトにシードキャピタル(初期金融投資)を提供するだけです。つまり、企業も慈善活動も、私一人の力では絶対成立しないのです」

かつてメディアにこう語った彼女は、その国内外での多角的な取り組みが評価され、2024年7月にフランス政府より「レジオンドヌール勲章シュヴァリエ」が授与された。その際、「この受賞はインドとフランスの戦略的関係を強調するもの」として、デジタル改革を通じてフランスを支援できることを光栄に思うと語った。

プライベートでは、2009年に結婚した夫との間にもうけた2児の母親でもあるマルホトラ。そんな彼女は、母親になったことが自身のキャリアにさらなる恩恵をもたらしたと語る。

「子どもたちは、私の中の偏見を認識させ、鋭く分析させてくれる存在です。子育ての中で学んだのが、いかなる場合でもリーダーは恩着せがましい考え方をすべきではないということ。そしてタスクを柔軟にこなし、後に続く世代や女性たちにその背中を見せるべきだということです。一方で、(リーダーになるために)女性たちも頑張りすぎたり、自分に厳しくなるのをやめなければなりません。社会も女性たちも、双方がオープンで成熟することこそが、より多くの女性リーダーが活躍し続ける秘策となり得るのです」

Text: Masami Yokoyama Editor: Mina Oba

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