欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会が、新型コロナウイルスのワクチン契約を巡るテキストメッセージを開示しないのは不当として、米紙ニューヨーク・タイムズが開示を求め起こした訴訟で、EU一般裁判所は14日、同紙の主張を支持する判決を下した。
ニューヨーク・タイムズは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時に、欧州委のフォンデアライエン委員長と、米ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)が交わしたメッセージ内容の開示を欧州委に求めたが、拒否されたことを受け、訴えを起こした。2人のやり取りは、2021年に結ばれた高額なワクチン契約の経緯を示す可能性があるという。
一般裁判所は、欧州委が「メッセージを保有していないことを正当化する合理的な説明をしていない」とし、開示請求されたメッセージが削除されたかどうかなど、詳細の説明が不十分だったと指摘した。
フォンデアライエン氏にとっては屈辱的な判決となった上、欧州委が今後、テキストメッセージを扱う方法に影響を与える可能性が高い。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長
Source: AFP
ブリュッセルを拠点とする委員会は、当時、フォンデアライエン氏とブーラ氏の間でテキストメッセージのやり取りがあったこと自体は否定できないが、このメッセージは重要視されず、記録を残していないと主張していた。
欧州委員会は21年5月、ファイザーと21-23年に最大18億回分のワクチンを供給する新たな契約を結んだと発表した。ニューヨーク・タイムズは、この契約がテキストメッセージで交渉されたと報じた。
判決を不服とする場合、欧州委はEU司法裁判所に上訴することもできる。欧州委は14日、判決を「慎重に検討」し、次なる措置を決定すると述べた。
不正行為の指摘を受けていないファイザーは、判決の詳細についてコメントを拒否した。
原題:EU’s Von der Leyen Loses Court Spat Over Secret Pfizer Texts (1)(抜粋)
