
5月7日、 米国との貿易交渉を控える中国は積極的な政策を打ち出す時機をうかがっているようだ。同日、北京の人民銀行前で撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
[香港 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] – 米国との貿易交渉を控える中国は積極的な政策を打ち出す時機をうかがっているようだ。7日に当局が新たな大規模金融緩和を発表したが、財政支出は控えた。こうした「消極姿勢」は財政赤字を急速に拡大させる余地が限られていることも要因になっている。
中国の人民銀行(中央銀行)、証券監督管理委員会、国家金融監督管理総局のトップは共同会見を開き、関税で打撃を受ける国内経済を下支えする対応策を説明。銀行預金準備率を引き下げて1兆元(1380億ドル)の流動性を供給することや、政策金利引き下げに加え、株式市場支援ツールなどを盛り込んだ。
この3トップは昨年9月にもそろい踏みし、大規模金融緩和を発表して市場を驚かせた経緯がある。その後2兆元規模の支出パッケージにつながったため、今回も財政省が近いうちに財政刺激策を打ち出すかもしれない。
A chart showing changes in China’s seven-day reverse repo rate
しかし、中国当局は今回、早急な財政出動に一段と消極的になっている。
一つには、米国が中国製品に課した145%の関税によってもたらされる経済的ダメージをまだ見極めていないことがある。貿易戦争がどのような展開をたどるかも不透明だ。
さらに、成長促進に向けた税優遇措置などに伴う税収減で中央政府の財政状況が悪化する中、当局は過去最も高い水準となる今年の対GDP(国内総生産)比の財政赤字目標4%に固執するだろう。
調査会社ロジウム・グループによると、2025年に「5%前後」の経済成長目標を達成したとしても、歳入はなお減少する可能性が高い。注目すべきは格付け会社フィッチが先月、政府債務急増と財政リスクを理由に中国のソブリン格付けを引き下げたことだ。
このような背景から、中国は自らのペースを守ることが賢明とみられる。
背景となるニュース
*中国人民銀行の潘功勝総裁は7日、銀行の預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き下げると表明。約1兆元の流動性が供給されると述べた。15日に実施され、預金準備率は平均6.2%となる。
*人民銀は政策金利も10bp引き下げる方針。今月8日に7日物リバースレポレートを10bp引き下げ1.40%とする。これは銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の10bp引き下げにつながる。 もっと見る
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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