【FX】ドル/円米雇用統計FX売買戦略&5月の見通し 2025/5/2 #外為ドキッ(2025年5月2日(金) 12:00~13:00)

雇用統計・ライブ実践リアルトレード(2025年5月2日(金) 21:00~23:00)

 

執筆日時:2025年5月1日 19時20分 

執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

はじめに-相互関税後、初めての雇用統計

2025年5月2日(金)、日本時間21時30分に米国で4月分の雇用統計が発表されます。3月の非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想を上回り、米国の労働市場が底堅さを維持していることが示されました。しかし、トランプ大統領が全ての輸入品に一律10%の基本関税を課す中で、企業や消費者の信頼感は揺らいでいます。労働市場が今後も勢いを維持できるかどうか注目されます。では振り返りからです。

前回のおさらい-クローガーのスト解消が全体を底上げ

・NFPは22.8万人と予想上回る
・失業率は4.2%へ悪化

4月4日に発表された、米国の3月非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の14.0万人を上回る22.8万人となりました。製造業は増加数の伸びが鈍化した一方で、小売、運輸・倉庫、教育・ヘルスケア、レジャー・宿泊を中心に民間サービスが持ち直しました。ただ、小売は、大手スーパーのクローガーのストライキが解消したことによる増加とみられるほか、運輸・倉庫の増加は関税引き上げ前の駆け込み輸入増が影響したと見られ、全面的に喜べない部分もありました。今回の雇用データの結果が今後の労働市場に対して安心材料になるかは不明で、結果への反応は限定されました。また、失業率は労働参加率の上昇から4.2%と、前月からわずかに悪化しました。

図表1.分野別新規雇用者数(千人)※出所:データ米国労働省
NFP表

市場反応

【為替市場】

米ドル/円は予想を上回るNFPを受けて145.08円レベルから145.55円付近まで買いが先行しました。その後、145.05円レベルまで押し戻されましたが、パウエルFRB議長が「状況が明確になるまで、様子見する時期だ」と述べたことで、米国の追加利下げ期待が後退して、米ドル/円はNY午後に147.440円まで上昇しました。

 

【株式市場】

米国株式市場は大幅下落。中国が米国からの輸入品に対する追加関税を発表したことで、米中の貿易摩擦激化への不安が投資家心理を圧迫。米株の変動性指数であるVIX恐怖指数は一時45.56と昨年8月以来の水準まで急伸しました。市場の視線が通商問題に向く中で、米雇用統計は材料視されませんでした。ダウ平均株価は2231.07ドル安い38314.86ドル、S&P500は322.44p安い5074.08pで引けました。

 

【金市場】

金相場は下落。貿易戦争の激化でリスク回避傾向が強まっているものの、世界的に株価、コモディティが下落する中、投資家のリスク許容度低下から換金目的の売りが優勢になりました。一時3016ドルレベルまで下落し、前日比77.1ドル安い3038.24ドル付近で越週。

図表2.前回発表前後のドル円の動き
USDJPY5分足チャート
米ドル/円 5分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート」

今回の見どころ-米ドル/円、142円に向けて上値切り下げ

・ボーナス剥落
・予想比大幅上振れの翌月は下振れ?
・パウエル議長の姿勢変化も

高頻度データである新規失業保険申請件数は、直近19.0万件~22.0万件での推移を続けており、米国の労働市場は、これまでのように底堅さを保っていると見受けられます。また、バイデン政権下でのインフラ投資がまだ続いているほか、専門職や派遣サービスの持ち直しも、労働市場の支えにはなるでしょう。ただ、上でも述べたようにストライキ解消によるボーナスがなくなったほか、運輸・倉庫も駆け込み需要の効果が減速している可能性があるほか、企業の採用意欲の後退を示す指標も見られ、NFPの雇用数の増加は前月と比較して抑制されやすいと考えられます。

図表3.分野別の雇用者数推移

分野別の雇用者数
単位:千人
出所:米労働省のデータを基に作成

また、政府効率化省(DOGE)については、早期退職プログラムに応じた連邦職員は9月末まで給料を受け取れるため当面、就業者としてカウントされますが、恐らく採用を絞っていることは間違いなく、こちらもNFPの抑制材料と考えてよさそうです。また、市場予想を大きく上振れた翌月は、予想比を下振れるケースが直近で目につくため、こともマイナス材料とする向きもあります。

図表4.NFPの結果と予想からの乖離幅

NFPの結果と予想からの乖離幅
単位:千人
出所:米労働省のデータを基に作成

これらを踏まえると、失業保険申請件数の底堅さのほか、相互関税が10%に留まっていて影響は限定されていると考えられる部分もあり、労働市場を安定させるのに必要な10万人~15万人は、概ね維持されると考えていますが、想定を上回る広範囲な関税のインパクトから、企業側は採用を一時的に見送らざるを得なかったと見られ、雇用者数の伸びは前月から抑制されると考えます。また、失業率については、平均失業期間が少しずつ伸びつつあるように見受けられるためやや悪化が懸念される一方で、時間給は企業のコスト上昇を受けて伸びるのではないかと考えています。4月16日には「当面は、政策スタンスの調整を検討する前に状況がより明確になるまで待てる」として、6月利下げに少し距離を置いたパウエル議長の心をざわつかせることになるかもしれません。発表時の水準次第ですが、米ドル/円は142.00円に向けて上値が切り下がるのではないかと考えています。

図表5.平均失業期間の推移

平均失業期間の推移
単位:週
出所:米労働省のデータを基に作成

図表6.ドル円チャート

USDJPY日足チャート
米ドル/円 日足
出所:外為どっとコム「ネオチャート」

付随データ

図表7.[雇用統計の実績と予想]

年月
非農業雇用者数変化(万人)
失業率(%)

予想値
初回結果
予想値
初回結果

2025年04月
13.3

4.2

2025年03月
14.0
22.8
4.1
4.2

2025年02月
16.0
15.1
4.0
4.1

2025年01月
17.0
14.3
4.1
4.0

2024年12月
16.0
25.6
4.2
4.1

2024年11月
20.0
22.7
4.2
4.2

 

年月
平均時給/前月比(%)
労働参加率(%)

予想値
初回結果
初回結果

2025年04月
0.3

2025年03月
0.3
0.3
62.5

2025年02月
0.3
0.3
62.4

2025年01月
0.3
0.5
62.6

2024年12月
0.3
0.4
62.5

2024年11月
0.3
0.4
62.5

 

◇関連の経済データ実績

年月
ISM製造業雇用指数
ISM非製造業雇用指数

2025年04月

2025年03月
44.7
46.2

2025年02月
47.6
53.9

2025年01月
50.3
52.3

2024年12月
45.4
51.4

2024年11月
48.1
51.5

出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー」

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