
移民・資産アドバイザーらによると、トランプ米大統領が打ち出した500万ドルで米国の永住権が手に入る「ゴールドカード」制度が米国籍取得を目指す世界中の富裕層の大規模な流入を引き起こす可能性は低い。写真は25日、米ホワイトハウスで撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
[シドニー/ソウル/ロンドン 26日 ロイター] – 移民・資産アドバイザーらによると、トランプ米大統領が打ち出した500万ドルで米国の永住権が手に入る「ゴールドカード」制度が米国籍取得を目指す世界中の富裕層の大規模な流入を引き起こす可能性は低い。課税への懸念があるためという。
トランプ米大統領は25日、米国内で最低80万ドルの投資をした外国人に米国の永住権(グリーンカード)を与える「EB─5」と呼ばれるビザ(査証)プログラムを廃止し、代わりに500万ドルで米国の永住権が手に入る「ゴールドカード」制度を導入するとの構想を発表した。 もっと見る
これに対し移住経験のある富豪は「一定の基準を満たせば米国でグリーンカードを取得するのは難しくないため、トランプ大統領の提案が大きな影響を与えるとは思わない。むしろゴールドカードに500万ドルを支払い、全世界の収入に課税されるのは目的に反する」と指摘した。
また、この制度は脱税や汚職のリスクを高める可能性もある。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスとハーバード大学の研究者らが2021年に欧州連合(EU)のゴールデンビザ制度について行った調査では、これらの制度によって生み出された資金は外国投資の「ごくわずかな」割合に過ぎず、経済への影響は「無視できるほど」小さいことが判明した。
香港に拠点を置く移民コンサルタント、ジョン・フー氏は、EB─5ビザは主に米国で事業を営んでいるか、子供を米国で勉強させたいと考えている香港や中国の住民によって利用されていると指摘。投資額の基準を500万ドルに引き上げることは、現在この制度を利用している多くの中国人にとって抑止力となるとした。また、富裕層にとって世界的な税負担は常に懸念事項であるとも述べた。
ソウルのデヤン移民法律事務所のキム・ジスン代表も、「米国向け投資額を増やすための交渉戦術なのかもしれないが、金額を考えると韓国からの需要が大幅に増えるとは思えない」との疑問を呈した。さらに、「議会の承認も必要となるため、トランプ大統領が独断で現行のEB─5ビザを廃止する決定を下すことはできない。EB─5ビザは資金を投資するものでもあるため、廃止するのは意味がない」とした。
シンガポールで投資家向け永住権獲得を支援しているフィリップ・プライベート・エクイティのグレース・タン最高経営責任者(CEO)は、米国の世界的な課税ルールが抑止力になる可能性があると述べた。
しかし、タン氏は、米国永住権は常に、アジアからの移住を目指す多くの人々にとって「アメリカンドリーム」であり、EB─5ビザに詳しい多くの中国人が新しい制度に応募する可能性は高いと述べた。
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