シャープが発表したヘルシオの新機種(4日、大阪府八尾市で)シャープが発表したヘルシオの新機種(4日、大阪府八尾市で)

 高温の水蒸気で調理するシャープのスチームオーブン「ヘルシオ」が今年、登場から20年を迎える。健康志向の高まりを追い風に累計出荷台数は約280万台に達し、オーブンや電子レンジの枠を超えた新たな市場を切りひらいてきた。料理の手間や時間が省ける調理家電は支持を広げてきたが、今は物価高もあって苦戦が続いている。(杉山正樹)◆21代目 シャープは4日、大阪府八尾市内で、21代目となるヘルシオの新製品3機種(市場想定価格21万3000円前後~11万9000円前後)を発表した。最上位機種には、料理ができた後も適度に蒸気を加え、最大30分間、温かい状態を保つ新機能を加えた。20日以降、順次発売する。 商品企画担当の片山洋子氏は「毎日の家事をもっと楽にし、家族との時間を大切にしたいというニーズは高まっており、日々の暮らしをサポートする機能を進化させた」と強調する。 ヘルシオは、高温の水蒸気を庫内に循環させて食材を熱し、調理する仕組みだ。外側はパリッと、内部は適度な水分を残したままジューシーに仕上がり、余分な脂や塩分も落とせる。 シャープは2004年9月に初代を発売して以降、毎年新モデルを投入してきた。ヘルシオは調理事業の新ブランドとなり、オーブン以外にも名称を冠したジューサーや無水調理鍋など5種類の商品が生まれた。 国内キッチン事業部の池上教久事業部長は「おいしさと健康の両立につながるヘルシオの機能が認められた結果だ」と胸を張る。◆物価高 ヘルシオの人気を受け、パナソニックや東芝ホームアプライアンス(現・東芝ライフスタイル)といったライバルも追随し、相次いで参入した。コロナ禍の巣ごもり需要も追い風となり、スチームオーブンレンジの市場は拡大してきた。 だが、コロナ禍の収束後は物価高もあって、高額な家電の売れ行きは鈍っている。デザイン性の高い調理家電で知られるバルミューダは、23年12月期の最終利益が20億円の赤字に転落。パナソニックホールディングスも、調理家電を成長性がなく収益性が低い「課題事業」の一つに挙げ、事業の見直しを検討している。 日本電機工業会によると、24年度のオーブンレンジの国内出荷台数は、前年度比1・2%減の7972万台に落ち込む見通しだ。シャープはヘルシオの新製品の投入で、巻き返しを目指す。