舘ひろしと柴田恭兵。共に70歳を超えているのに、スマートでダンディー。そんな2人が8年ぶりにコンビを組んだ「帰ってきた あぶない
刑事(デカ)
」が公開中だ。「年寄りが頑張っている娯楽作品なんてないから、面白いんじゃないかな」と口をそろえた。(近藤孝)
若者に負けていない勢いの2人だが、舘(右)は「負けてます。それに、これからの人たちに、僕らが偉そうにギャーギャー言わない方がいい」。柴田もおどけて、「次のあぶ刑事は老人ホームの話でしょうか」=田中秀敏撮影若者に負けていない勢いの2人だが、舘(右)は「負けてます。それに、これからの人たちに、僕らが偉そうにギャーギャー言わない方がいい」。柴田もおどけて、「次のあぶ刑事は老人ホームの話でしょうか」=田中秀敏撮影 「ちょっと足遅いです。アクションの切れ、ちょっと鈍いです。でも頑張りました。お客さんに、『格好よかったよ。頑張ったね』って褒めてほしい」。そう言って、柴田は笑う。

 テレビの「あぶない刑事」シリーズが始まったのは1986年で、翌年映画版の第1作が公開された。舘と柴田が演じるタカとユージの刑事コンビは、おしゃれでユーモアもあり、バブル経済華やかなりし頃、若者から絶大な支持を受けた。 86年当時、舘も柴田も30歳代半ば。現在は舘が74歳、柴田は72歳だが、スクリーンに登場するサングラスにスーツ姿の2人は相変わらず格好いい。アクションも定番通り、舘はハーレーに乗って銃を撃ち、柴田は疾走する。「めいっぱいやりました」と舘。「終わった後、ハアハアするのは仕方ない。それが70代のあぶない刑事」 実は、テレビドラマがスタートした頃は、「こんなに続くとは思ってなかった」と舘は言う。映画は第3作までは毎年公開されたが、96年の第4作以降は、最大11年の間隔をあけて公開された。「それが正解だった」と柴田。「役者って同じ役を演じ続けるのは大変。飽きちゃうし。でも、『あぶない刑事』は、いつも新鮮な気持ちで撮影に入ることができました」 舘は「新しいスタイルの刑事ものを撮るという自負があった」と振り返る。数多くのアクション映画を手がけた黒沢満プロデューサーがテレビシリーズを企画し、テレビ、映画を通じて、長谷部安春、村川透といった手だれや一倉治雄ら当時の気鋭が監督を務めた。「帰ってきた――」では原広利監督を始め、若いスタッフが集結。舘は「そのことがすごく楽しみだった」と語る。横浜に帰ってきたユージ(柴田恭兵、左)とタカ(舘ひろし)が、以前と変わらぬ活躍をする横浜に帰ってきたユージ(柴田恭兵、左)とタカ(舘ひろし)が、以前と変わらぬ活躍をする 今回は、ストーリーでも「タカとユージのプライベートな部分は盛り込まないというタブーを破った」(舘)。定年後、外国で暮らしていたタカとユージが横浜に戻って探偵事務所を再開し、行方不明の女性の捜索を始める。その人は2人にとって旧知で、依頼人の彩夏(土屋太鳳)はどちらかの娘の可能性があるという。 3人の間に家族のような情愛が流れるが、舘は「ユージと彩夏は楽しそうな親子。タカはぎこちないけれど、なんとなくお互いにつながっているような親子。そういう色分けができて、すごく良かった」と感じている。 それを受けて柴田は、「娘を見るようなタカのまなざしがすてきだった」と舘を褒めた。「お客さんはそんな表情は見たことがないから、クラクラしますよ」