働きながら家族を介護・看護する人の離職が、年間10万人にのぼっている。介護休業制度の周知や活用が十分ではないことが背景にあり、自治体や企業も対策に乗り出している。(南佳子)

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就業規則の見直しを進める松尾さん(右)。「介護をしながら働ける環境を整えたい」就業規則の見直しを進める松尾さん(右)。「介護をしながら働ける環境を整えたい」 「制度を知らないままだったら、仕事を辞めていた」

 福岡県久留米市の石油製品販売会社「最所産業」で働く松尾浩子さん(55)が、義母を介護した経験を振り返った。 義母はがんを患い、2018年に亡くなるまでの5年間、自宅で介護した。当初は有給休暇を充てたが、精神的に落ち込むようになった義母のそばを離れられず、有休消化後も休職を継続。「職場に迷惑をかけているのでは」と退職を考えていた頃、同僚に介護休業の制度を教えられた。制度を利用し、義母が落ち着いてからは時短勤務に切り替えた。 育児・介護休業法では、家族1人につき最大93日の介護休業を3回まで分けて取得できる。最所産業は、復職した松尾さんの経験を生かして従業員の離職を防ごうと、休業期間を独自に最大180日に延ばした。総務部の課長になった松尾さんを中心に、更なる期間延長なども検討中で、「介護をする同僚が働き続けられるよう背中を押したい」と話す。 介護休業は本来、介護サービスなどを利用しながら働けるように準備する期間と位置づけられている。ただ、総務省の22年就業構造基本調査によると、九州・山口・沖縄9県の介護休業取得者は4万900人で、介護しながら働く人の9・1%にとどまっている。 1 2