現在の献血運動を担う「福岡学生献血推進協議会」の大学生と握手を交わす田中さん(左) 1964年6月、献血の必要性を訴えるため福岡県内の大学や短大に通う学生で結成した「福岡学生献血連盟」のOB会「凡血会」が1日、福岡市で最後の総会を開き、現役時代の活動を含め、60年の歴史に幕を閉じた。現在の献血運動を担っている大学生たちも招待し、「献血のバトン」を若い世代に引き継いだ。(手嶋由梨)
福岡学生献血連盟は、九州大や福岡女子大、福岡大など10を超える大学・短大の学生約170人で結成。当時は血を売る「売血」が一般的で、生活に困窮する人が血を売るために「血液銀行」に並び、過剰採血で貧血や栄養不足となったり、輸血を受けた人が肝炎にかかったりしていた。 学生たちは学校や街頭で献血の重要性を訴え、地域の公民館を回って知識の普及にあたった。こうした学生運動は全国で盛り上がり、政府も64年8月、輸血用血液を献血で確保する体制を確立すると閣議決定した。 最後の総会には、当時学生だったメンバー約30人が全国から集まった。結成を呼びかけた田中健二さん(82)は、帝王切開で出産した若い女性が輸血後に肝炎にかかって亡くなったとの報道や、ライシャワー駐日米大使が輸血が元で肝炎となった事件がきっかけで正義感に駆られたと話し、「一人では何もできないけれど、誰かが始めなければいけない。そう思って活動を始めた」と振り返った。 68年に献血連盟の委員長を務めた堀江進さん(77)は、学生約30人で10日間かけて県内を一周し、普及活動をしたことなどを述懐し、「何十年たってもこれだけの人が集まってくる。ボランティア活動のパワーはすごい」と笑顔で話した。 会場には、現在の学生でつくる「福岡学生献血推進協議会」のメンバー4人の姿もあった。昨年度に会長を務めた富田瑛達さん(22)(九州工業大4年)があいさつに立ち、街頭や学内で献血運動を続けていることを報告。「(献血は)誰かの命をつなぐ大切な役割がある。より多くの若者に参加してもらえるよう努力を続けたい」と力強く語った。県内では現在、O型やA型の血液が不足しており、メンバーは総会後に献血を行った。 田中さんは最後に学生たちと握手を交わした。「凡血会はきょうで解散するが、若年層の献血者が減っているなど課題はある。いつの時代も献血の中心は若者であり、活躍を期待している」と熱いエールを送った。
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