会談に臨む木原防衛相(左端)と韓国の申国防相(右端)(1日、シンガポールで)=小池和樹撮影 【シンガポール=田村直広、小池和樹】木原防衛相は1日、韓国の申源●国防相とシンガポールで会談した。両氏は防衛当局間の最大の懸案となっていたレーダー照射問題を巡り、共同プレス声明と再発防止の文書をまとめ、2国間の防衛交流を再開させることで合意した。
韓国の
尹錫悦(ユンソンニョル)
政権が昨年3月、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題の解決策を発表して以降、日韓関係は政治・経済など幅広い分野で改善してきた。日韓両政府は今回の合意によって安全保障分野の協力も進展させたい考えだ。
共同プレス声明によると、木原、申両氏は日韓の防衛協力について、「北朝鮮の脅威を抑止するためだけでなく、自由で開かれたインド太平洋の実現に不可欠だ」との認識で一致した。そのうえで、〈1〉防衛次官級協議の年次開催〈2〉防衛実務者対話の再開〈3〉自衛隊と韓国軍のハイレベル交流再開――で合意した。 レーダー照射問題は2018年12月に起きた。能登半島沖で海上自衛隊P1哨戒機が、韓国海軍駆逐艦から攻撃目標に照準を合わせる火器管制レーダーを照射されたとして、日本が韓国に抗議した。韓国側は照射の事実を認めておらず、日韓の防衛交流は途絶えている。 共同プレス声明は照射問題について、「日韓・日韓米の安保協力の停滞につながり得るような事案」と表現するにとどめ、照射の有無には触れず、事実上棚上げした。
再発防止の文書では、日韓を含む主要国が14年に採択した国際基準「海上衝突回避規範(
CUES(キューズ)
)」を順守し、海自と韓国海軍が「平素から意思疎通を強化し、信頼を醸成」することなどが盛り込まれた。CUESには、火器管制レーダーの照射禁止も明記されており、日本側は実効性が担保されたと判断した。
木原氏は会談後、「海自の安全はこれで守られる」と強調し、「本日の結果を踏まえ、日韓の防衛協力、交流を活発化させる」と語った。◇ 1日の日韓防衛相会談でまとめられた共同プレス声明の要旨は以下の通り。 日韓の安全保障協力は、強固な日韓米安全保障協力の基礎となり、北朝鮮の脅威を抑止するためだけでなく、自由で開かれたインド太平洋の実現のために不可欠だとの認識で一致した。 防衛当局間の対話を活性化するため、〈1〉防衛次官級協議の年次開催〈2〉防衛実務者対話の再開〈3〉自衛隊と韓国軍のハイレベル交流の再開――で一致した。これらの場を通じ、安全保障協力の具体的内容について協議する。 両国は2018年12月に海上自衛隊と韓国海軍の間で発生したような日韓、日韓米の安全保障協力の停滞につながり得るような事案の再発防止策を協議してきた。 双方は、円滑な意思疎通の確保をはじめとする相互理解促進の重要性で一致した。海上幕僚長と韓国海軍参謀総長は、双方の艦艇・航空機間の通信手続きや中央レベルの意思疎通の要領を含む文書を作成した。署名に必要な行政手続きを進めていく。 海自と韓国海軍が平時に海上で遭遇した場合、文書に基づいて対応を行う。実施状況は、日韓防衛当局間、海自・韓国海軍間の定例協議体などを通じて確認する。(●はさんずいの右に「是」)
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