技術革新(イノベーション)を進めるために政府が毎年策定する「統合イノベーション戦略2024」の原案が判明した。「AI(人工知能)分野の競争力強化と安全・安心の確保」を柱に据え、AIの法規制を巡り、今夏に新たな有識者会議「AI制度研究会」(仮称)を創設する方針を打ち出した。6月に閣議決定する方向だ。

オープンAI、安全対策を勧告する委員会を設立…生成AIの最新モデル開発にも着手

首相官邸首相官邸 原案では、国内投資が拡大の兆しを見せているとして、「『潮目の変化』を持続的な成長につなげるラストチャンス」であるとうたい、官民が大胆な研究開発投資を行い、経済成長につなげる考えを示した。

 人手不足が深刻化する中、「AI・ロボティクスによる自動化・省力化が急務だ」と指摘し、技術の「社会実装を加速していく」と強調した。一方で、生成AIの発展により偽情報流布や犯罪の巧妙化などリスクも指摘されているとして、法規制を巡り、研究会で「制度のあり方の検討に着手する」と明記した。「統合イノベーション戦略2024」原案のポイント「統合イノベーション戦略2024」原案のポイント 欧州連合(EU)や米国で法規制の動きが強まる中、政府は今月22日、AIを巡る有識者会議「AI戦略会議」で法規制の議論を開始する方針を示しており、同会議の下に研究会を設置する。大規模なAI開発事業者や、差別や偏見を助長したり、犯罪やテロに悪用されたりするAIを規制することなどを検討する見通しだ。 原案には、生成AIが実在しない事柄を事実のように回答する「ハルシネーション(幻覚)」を防止する技術など、AIの安全性に関する最先端の研究開発を官民が連携して進める方針も盛り込んだ。 SNS上でなりすまし型偽広告が広がっていることなどを踏まえ、対応できる技術の研究開発や、ファクトチェックの推進など「総合的な対策を進める」とした。