自民党は17日午前、党本部で安全保障調査会などの合同会議を開き、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた議論を開始した。攻撃元のサーバーに侵入して無害化する権限を政府に付与することなどが柱で、憲法が保障する「通信の秘密」との整合性も検討課題となる。政府は、与党や有識者らの意見を踏まえ、関連法案を秋の臨時国会に提出したい考えだ。「能動的サイバー防御」の導入に向けた議論を開始した自民党の会合であいさつする甘利明・経済安全保障推進本部長(中央)(17日午前、東京都千代田区で)=須藤菜々子撮影「能動的サイバー防御」の導入に向けた議論を開始した自民党の会合であいさつする甘利明・経済安全保障推進本部長(中央)(17日午前、東京都千代田区で)=須藤菜々子撮影 甘利明・党経済安全保障推進本部長は会議の冒頭、「通信の秘密や不正アクセス禁止法の例外規定をどう作っていくか。乗り越えなければならない壁がある」と述べた。

 電力などの重要インフラや政府機関へのサイバー攻撃は日常的に行われ、ロシアはウクライナ侵略に際し、実際に大規模なサイバー攻撃を仕掛けた。欧米の主要国は、安全保障目的で通信情報を取得できるようにしているほか、サイバー攻撃元を無害化する措置を講じるなどしており、日本は対策で後れを取っていた。 政府は会議で、〈1〉官民連携の強化〈2〉通信情報の活用〈3〉侵入・無害化措置の権限付与――の3点を論点に挙げた。これに関連し、林官房長官は17日午前の記者会見で「可能な限り早期に法案を示せるよう、党の議論も踏まえて作業を加速させる」と強調した。近く有識者会議を開き、本格的な検討を始める予定だ。 法整備を巡っては、「通信の秘密」との兼ね合いも課題となる。小野寺五典・元防衛相は会議後、記者団に「公共の福祉という考え方の中でどうバランスを取っていくか。議論を深めていきたい」と語った。