伸びやかな歌声でミュージカルを中心に活躍する俳優、三浦宏規。かつて国内バレエコンクールで上位入賞経験もある伸び盛りの25歳にとって、18日開幕のミュージカル「ナビレラ―それでも蝶は舞う―」で演じるバレエダンサーは念願の大役だ。(小間井藍子)最近は後輩に請われてダンスを教えることもあるが、苦手だという。「そこでドーン!とか、はいバーン!とかしか、言えないんです」=永井秀典撮影最近は後輩に請われてダンスを教えることもあるが、苦手だという。「そこでドーン!とか、はいバーン!とかしか、言えないんです」=永井秀典撮影 「自分で言うのもアレですが、これは僕が演じたら一番いいものができるだろうと思った。一生に一度出会えるかどうかの役がついに来た」と爽やかな笑顔を見せる。

 原作は韓国のウェブ漫画。2019年に現地でミュージカル化され、21年に再演された人気作品だ。三浦は、バレエの才能があるものの、アルバイトが忙しくレッスンに遅刻ばかりの青年イ・チェロクを演じる。 70歳の元郵便配達員シム・ドクチュル(川平慈英)がチェロクの踊りを見て「習いたい」と言い出すストーリーに親近感を抱いたという。三浦自身、5歳の頃に世界的ダンサー熊川哲也が踊る映像を見てバレエを始めたからだ。 「年齢とか関係なく、誰かの踊りを見て頭の中に電流が走ることはあるんですよ。僕もチェロクを演じるからには、説得力のある踊りを見せなくては」と語る。全国バレエコンクールで1位を受賞したこともあり、舞踊シーンは見せ場となりそうだ。 とはいえ、「バレエ公演ではないので」と強調する。「ストーリーが本当に感動的ですし、心に寄り添ってくれるような曲も素晴らしい。総合芸術のミュージカルとして観客を魅了していきたい」と力を込める。 川平が17、19年に主演したミュージカル「ビッグ・フィッシュ」が大好きだったこともあり、一緒にいられる稽古場が楽しくて仕方ないという。「慈英さんにしか出せない温かみがたまらない」と力説する。「ドクチュルにバレエを教えるうちにチェロク自身、バレエの魅力を再認識する。変わっていく姿をしっかり見せていきたい」 近年、ミュージカル以外にも活動の幅を広げる。今年3~4月、せりふ劇「メディア/イアソン」に挑戦。熱い指導で知られる森新太郎演出のギリシャ悲劇だ。「森さんはどんどん遠慮なく言ってくれるので僕に合ってました。楽しかった!」と言う。 「ナビレラ」千秋楽の3日後には、英ロンドン公演中の舞台「千と千尋の神隠し」に立つ。その後、東山義久とのダンス公演「BOLERO―最終章―」、自身も演出に関わる単独コンサートなどが次々控える。「色んなジャンルを行ったり来たりするのが好き。それで『遠く来ちゃったな』って、戻って舞台をやる。模索しながら『役者・三浦宏規』を形成していけたら」 「ナビレラ」は東京・日比谷のシアタークリエで、6月8日まで。上演台本・演出は桑原裕子。(電)03・3201・7777。