政府は、2040年に向けた脱炭素化や産業政策の方向性を盛り込んだ新たな国家戦略を策定する方針を固めた。「GX(グリーントランスフォーメーション)2040ビジョン」として長期的な産業政策を打ち出すことで関連投資を促し、国内産業の競争力強化を図る。40年を目標とした産業政策の戦略策定は初めてで、今年度内にまとめる。首相官邸首相官邸 13日に開く「GX実行会議」(議長・岸田首相)で策定の議論に入る。政府は50年までに、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指しており、戦略はその指針となる。

 策定に向けて〈1〉エネルギー〈2〉GX産業立地〈3〉GX産業構造〈4〉GX市場創造――の四つを議論する。このうち、エネルギーの安定供給に向けては、新たな「エネルギー基本計画」の議論に合わせ、データセンターなど大量の電気を使う設備に対応した脱炭素電源の拠点化を踏まえた送電線整備などを検討する。 産業立地では、再生可能エネルギーの発電所が多い地域や水素・アンモニアの輸入基地などに合わせた産業集積の方向性を示す。脱炭素電源を使った半導体産業の集積や、水素・アンモニアを燃料とする工業団地の設置を議論する。 産業構造に関しては、温室効果ガスを大量に出す鉄鋼や石油化学などで製造工程の転換や、技術力のある企業の国内立地支援などを進める。また、排出量取引の制度設計も急ぐ。 GX実行会議では22年から、有識者らがエネルギーの安定供給確保と経済成長、脱炭素の同時実現を目指した投資促進策などを議論してきた。政府は23年、今後10年程度の戦略をまとめた「GX推進戦略」を閣議決定している。