【エルサレム=中西賢司】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉をめぐり、イスラム主義組織ハマスの代表団が29日にエジプトを訪れ、イスラエルとの仲介を担うエジプト当局者らと協議する。イスラエル側が提示する人質解放や戦闘停止の条件に対するハマスの対応が焦点となる。

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 AP通信などによると、イスラエル代表団も近くエジプトを訪れる予定。中東訪問中のブリンケン米国務長官は30日にイスラエルを訪問する見通しで、調停が再び活発化している。

 イスラエルや欧米メディアの報道によると、イスラエル側はハマスの拘束下にあるとする人質133人のうち、女性や高齢者を優先して解放するよう要求している。米ニュースサイトのアクシオスによると、イスラエル側は人質解放が実現すれば、次の段階としてガザでの戦闘終結を協議する姿勢を示しているという。 イスラエルは最初に解放を求める人質の人数を引き下げたとされ、米国などの圧力を受けて譲歩姿勢を示している可能性がある。 米国のバイデン大統領は28日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談した。ホワイトハウスの発表によると、バイデン氏はガザ最南部ラファへの侵攻について「明確な立場」を繰り返したとしており、イスラエル軍のラファ侵攻に懸念を伝えたとみられる。 ガザでは28日もイスラエル軍の攻撃が続き、ガザの通信社によると、ラファでは民家への空爆で生後5日の男児を含む20人が死亡した。