今回の熊本地震、発災直後から道路や水道など、インフラ復旧の陣頭指揮を執った金子 恭之(やすし)前国交大臣にTKUが単独インタビューしました。金子前国交大臣が語った今回の災害復旧のキーワードは『つなぐ』です。
宇城市や氷川町で震度7を観測した今回の熊本地震。九州の大動脈、九州自動車道や九州新幹線が被災し、熊本県内では一時最大10万8000戸が断水しました。
【八代市の被災者】
(インフラ復旧のスピード感は?)
「結構早かった。10年前の熊本地震の教訓じゃないか。高速道路も早かった」
【八代市の被災者】
「井戸が一時出ず、(業者に)3時間ぐらい作業してもらって濁りも取れて真水に戻った。(復旧は)良いところは良いと思うし、まだ達していないと思うところもある。賛否両論あると思う」
【八代市の被災者】
「(10年前より)早く感じた。農免道路の橋とか、ものすごく時間がかかったはずなのに〈こんな短時間で〉と。スピード感は生活には必要なので」
そのインフラ復旧の陣頭指揮に当たった金子 前国土交通大臣に話を聞きました。
【金子 前国交大臣】
「〈またか〉という思い。〈これまでの経験や知見を生かしていかなければ〉と思った。今回のポイントはまずは『つなぐ』こと。仮復旧をして本復旧につなぐことがキーワードだった」
発災直後、人命救助や災害復旧の車両が現場に駆けつけるためには道路が必要です。金子 前大臣は、最初から本格的な復旧を目指すのではなく、「まずは『つなぐ』ことを優先した」と話します。
【金子 前国交大臣】
「激甚災害はこの5年間で25回指定されている。その間、政府としても災害復旧のやり方や被災者支援は進化している」
発災から1週間後の8月4日、国交省は九州自動車道の一般車両の通行を8月後半、県内の断水解消を8月末(まつ)と、復旧のめどを示しました。発災からわずか1カ月で、九州道や上水道を復旧させる考えです。
【金子 前国交大臣】
「能登半島地震では水道が復旧するまで約5カ月、10年前の熊本地震では約3カ月半かかった。今回の熊本地震では国土交通省が厚生労働省から水道事業を移管された初めての災害。一日も早く水道を通す中で、『転がし配管』を初めて行った」
これまで上水道は厚労省、下水道は国交省が所管していましたが、災害時の早急な復旧支援などを目的に、2024年4月に国交省に一本化されました。今回の熊本地震はそれ以後、初めて起きた震災です。
本来、断水を解消するには、地中の水道管の破損個所を調べ、道路を掘り起こし、修理して埋め戻すといった一連の作業に膨大な時間がかかります。
『転がし配管』とは、被害が集中する地区で、仮の水道管を地上に設置し、応急的に水道を『つなぐ』取り組みです。
【金子 前国交大臣】
「やっぱり技術力。被災しながらも復旧事業に取り組んだ地元の建設業などあらゆる人が24時間態勢でやってくれた。これがスピードが早かった理由」
また、今回の熊本地震で被災して使えなくなった個人の井戸の復旧が、初めて国の補助の対象になりました。八代市だけで約3500戸といわれる被災井戸、その支援にも課題がありました。
【金子 前国交大臣】
「(国が補助するには)公益性を持たせなければならない。井戸から水が出たら、地域の人に水を分けてもらう。そのことによって地域の公益性を保てる。今回の災害で井戸が災害救助法の補助対象になったのは、これから全国で起きる災害で一つの大きな動き」
後任を務める井林 辰憲 国交大臣も井戸の復旧支援を視察しました。
【井林 辰憲 国交大臣】
「井戸への支援はこれまで行われてこなかった。これは金子前大臣の強いリーダーシップと現場に即した判断。しっかりとやっていきたい」
また、10月1日から始まり、好調な滑り出しとなっている『九州ふっこう応援割』には、〈観光業への支援〉だけではない、「ある思いを込めた」と話します。
【金子 前国交大臣】
「〈熊本が苦労しているから少しでも支えたい〉という気持ちで、銀座熊本館に大行列ができた。そんな思いはみんなにある。でも、現地に行くのは迷惑をかけるという思いで躊躇している人もいる。この『九州ふっこう応援割』を発表することで『現地に行って応援していい』というメッセージにもなる」
こうした井戸の復旧や『九州ふっこう応援割』も、国が8月に示した支援パッケージに含まれています。
【金子 前国交大臣】
「支援パッケージの中の支援項目に載りにくいところ、その隙間をいかにして埋めていくか。復興基金をつくって、熊本県がしっかり対応していく、そこを詰めていかないといけない」
また、金子 前大臣は、既存の国の制度では支援が届きにくい神社や寺などの文化財や病院などの地域医療について、「復興基金の創設や指定寄付金制度の活用などが必要」と述べました

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