
佐賀県で2026年10月24日(土)・25日(日)に開かれる第36回全国産業教育フェア佐賀大会「さんフェアSAGA2026」(会場はSAGAアリーナ・SAGAプラザ・佐賀市文化会館ほか)を前に、宿泊日の45日前から直近までのブッキングカーブを見ると、県内ビジネスホテル(N=19施設・1,929室)の初日10月24日は宿泊日9日前の観測で推定OCC(OTA掲載在庫ベース)98.4%・完売施設率63.2%に達している一方、2日目の10月25日は宿泊日10日前で74.1%・完売施設率10.5%にとどまっていた。前週の通常土曜10月17日が宿泊日2日前で92.6%だったことを踏まえると、初日は「通常の土曜が直前に届く水準を30日前に越えていた」日であり、2日目は通常の日曜(10月18日・宿泊日10日前68.4%)に対して5.7ptしか先行していない。旅館(N=68施設・1,737室)は初日88.8%・2日目81.1%と、2日目の反応がビジネスより大きい。本稿では、全国大会型イベントの「初日集中・2日目の残り」という埋まり方を定点データで確認し、残る8日間で何を打てるかを整理する。
対象: 佐賀県ビジネスホテル N=19施設(1,929室)、旅館 N=68施設(1,737室)。本記事は稼働の進捗(推定OCC・OTA掲載在庫ベース)のみを扱い、価格水準は扱わない。定義は記事末尾。データ時点: 2026年10月16日。
Key Takeaways
— 初日10/24のビジネスは9日前で推定OCC98.4%・完売施設率63.2%(N=19施設、OTA掲載在庫ベース・2026年10月16日時点)。45日前で91.7%、45日間の上積みは6.7ptだった。
— 2日目10/25は10日前74.1%で通常日曜(10/18)比+5.7pt。平常日曜の上積み幅を当てはめた着地見込みは78.6〜86.6%(中位82.8%)。
— 前日10/23(金)は8日前で97.0%。同じ10日前で福岡87.7%・長崎79.5%を上回り、前泊需要が佐賀に固有の形として出ている。
— 10/24は福岡でも10日前97.9%と北部九州全体で強い土曜。佐賀固有の上乗せは45日前の水準と日曜の先行幅(佐賀+5.7pt、福岡+0.5pt・長崎+1.2pt)で読む。
— 旅館(N=68施設)は2日目の先行幅が+9.6ptとビジネスより大きく、土日2泊・日曜インの商品設計が合いやすい。
イベントの前提 — 2日間・4会場の全国大会
まず対象イベントを確認しておく。第36回全国産業教育フェア佐賀大会「さんフェアSAGA2026」は、文部科学省・佐賀県・佐賀県教育委員会などが主催・後援に名を連ねる全国規模の高校生産業教育イベントで、公式サイトと文部科学省の発表によれば会期は2026年10月24日(土)9時30分〜16時、25日(日)9時〜16時、会場はSAGAアリーナ(メイン)・SAGAプラザ・佐賀市文化会館・佐賀女子高等学校の4か所である。作品展示や体験コーナーに加え、全国高校生フラワーアレンジメントコンテストや全国高校生ビジネスアイデアコンクールといった競技が組み込まれており、出場校の生徒・引率教員・関係者が前日から入る構造を持つ。来場者数の見込みは公式に記載がないため、本稿では規模の推測はせず、宿泊市場側の反応だけを追う。
もう一つ押さえておきたいのは、翌週末に「2026佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」(公式発表でバルーン競技は10月30日(金)〜11月3日(火・祝)の5日間、会場は佐賀市嘉瀬川河川敷)が控えていることである。10月24日・25日の数値を読む際、翌週末10月31日・11月1日の進捗が比較軸として使えるので、後段で併せて示す。バルーンフェスタそのものの宿泊需要が会場からどの距離帯まで広がるかは、佐賀バルーンフェスタ2026の宿泊、会場10km圏は2,567室で距離帯別に整理している。
ビジネスホテル — 初日は45日前で91.7%、通常土曜の「直前到達水準」を30日前に越えた
佐賀県のビジネスホテル19施設・1,929室について、宿泊日ごとの推定OCC(OTA掲載在庫ベース)の推移を宿泊日45日前から直近観測まで追ったのが下のチャートである。10月24日(土)は45日前の時点で91.7%とすでに9割を越え、30日前92.9%、20日前96.5%、10日前98.7%、直近観測の9日前で98.4%と、ほぼ天井に貼り付いた形で推移してきた。完売施設率(OTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合・推定)も45日前で47.4%、直近9日前で63.2%と、19施設のうち12施設で販売枠が見えない状態にある。
この形がどれほど異例かは、前週の通常土曜10月17日と重ねると分かる。10月17日は45日前56.4%から30日前71.1%、20日前79.6%、10日前89.3%、直近2日前92.6%へと、45日間で36.2pt積み上がる「直前で埋まる」通常の土曜カーブを描いた。10月24日は45日前の時点で10月17日の直前到達水準(92.6%)に0.9pt差まで迫り、30日前には92.9%でそれを越えている。言い換えれば、全国大会の初日需要は観測窓の45日より前にほぼ確定しており、直前45日の上積みは6.7ptしかなかったということになる。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
一方、2日目の10月25日(日)はまったく別の顔を見せる。45日前65.8%から30日前67.8%、20日前68.9%、直近10日前74.1%と、45日間の上積みは8.3ptで、完売施設率は10.5%(19施設中2施設)にとどまる。比較対象となる通常日曜の10月18日は45日前48.6%、10日前68.4%、直近3日前72.1%だったので、10月25日は同じ10日前の時点で5.7pt先行しているにすぎない。経過月の実績で見ると、佐賀県ビジネスホテルの日曜平均(宿泊日前日時点)は8月77.0%・9月76.8%(N=18〜21施設、9月は三連休の中日を含む)で、10月25日が10日前から平常の日曜並みに積み上がれば、この帯をやや上回る78〜87%前後に着地する軌道にある(後段の着地シナリオ参照)。初日のスピルオーバーが2日目へ自動的に波及しているとは言いにくい。開催日に需要が集中して前後日に染み出さない型は、広島10/17(土)アリーナ公演初日のブッキングカーブ分析でも同じ形で観測されている。
前泊需要は明確に表れている。会期前日の10月23日(金)は45日前88.2%、30日前90.7%、10日前96.1%、直近8日前97.0%と、初日と並ぶ高水準で推移し、完売施設率も42.1%に達した。出場校・関係者の前日入りが金曜在庫を先に押さえた形で、金曜から土曜への連泊が需要の中心にあることが読み取れる。
旅館 — 初日88.8%・2日目81.1%、2日目の反応はビジネスより大きい
同じ枠組みで旅館68施設・1,737室を見ると、10月24日(土)は45日前70.5%から30日前84.1%、20日前85.3%、10日前88.4%、直近9日前88.8%と推移し、完売施設率は32.4%だった。通常土曜の10月17日が45日前59.7%、10日前81.3%、直近2日前84.3%だったので、旅館の初日は同じ10日前で7.1pt先行している。ビジネスほど極端ではないが、全国大会が旅館にも需要を落としていることは確認できる。
注目したいのは2日目である。旅館の10月25日(日)は45日前64.2%から30日前73.9%、20日前77.4%、直近10日前81.1%と推移し、通常日曜の10月18日(10日前71.5%)に対して9.6pt先行している。ビジネスの2日目先行幅5.7ptより大きく、ビジネスでは初日だけに需要が集中するのに対し、旅館では土日の両日に需要が分かれる傾向が見える。経過月の旅館の日曜平均(宿泊日前日時点)は9月78.9%・10月(1〜16日)85.2%で、10月25日は10日前の時点ですでに9月平均を上回っており、平常の日曜並みに上積みが続けば帯の上側を越える軌道にある。前日の10月23日(金)は直近8日前で81.2%・完売施設率10.3%と、ビジネスの金曜(97.0%)ほど前泊需要が集中してはいない。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
定点比較 — 45日前・30日前・直近観測の3点で見る8日間の対象日
ここまでの数値を、宿泊日ごとに45日前・30日前・直近観測の3点と、直近時点の完売施設率で整理したのが次の表である。翌週末のバルーンフェスタ期間(10月31日・11月1日)と、その翌週の11月7日(土)も参考として並べた。
表1 宿泊日別の推定OCC — 45日前・30日前・直近観測と完売施設率(佐賀県、2026年10月16日時点)
宿泊日区分45日前30日前直近観測(残り日数)完売施設率(直近)
10/17(土)通常土曜ビジネス56.4%71.1%92.6%(2日前)31.6%
旅館59.7%69.4%84.3%(2日前)27.9%
10/18(日)通常日曜ビジネス48.6%56.7%72.1%(3日前)5.3%
旅館51.9%59.1%74.6%(3日前)17.6%
10/23(金)会期前日ビジネス88.2%90.7%97.0%(8日前)42.1%
旅館64.1%70.4%81.2%(8日前)10.3%
10/24(土)さんフェア初日ビジネス91.7%92.9%98.4%(9日前)63.2%
旅館70.5%84.1%88.8%(9日前)32.4%
10/25(日)さんフェア2日目ビジネス65.8%67.8%74.1%(10日前)10.5%
旅館64.2%73.9%81.1%(10日前)22.1%
10/31(土)バルーンフェスタ期間ビジネス79.8%91.0%93.7%(16日前)31.6%
旅館76.7%88.3%90.7%(16日前)48.5%
11/1(日)バルーンフェスタ期間ビジネス78.1%84.7%88.6%(17日前)31.6%
旅館77.3%86.4%87.0%(17日前)36.8%
11/7(土)翌々週ビジネス67.9%81.5%84.6%(23日前)26.3%
旅館68.6%83.0%86.2%(23日前)35.3%
推定OCC(OTA掲載在庫ベース)。ビジネス N=19施設・1,929室、旅館 N=68施設・1,737室。宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
表を横に読むと、2日間イベントと5日間イベントの違いが浮かび上がる。バルーンフェスタ期間の日曜11月1日は、ビジネスで17日前の時点で88.6%、旅館で87.0%と、さんフェア2日目の10月25日(10日前でビジネス74.1%・旅館81.1%)を残り日数が多いにもかかわらず上回っている。会期が週末を丸ごと覆うイベントでは日曜も土曜に近い水準で埋まるのに対し、土日2日間のイベントでは「初日に泊まり2日目に帰る」動きが支配的になり、日曜の需要が伸びにくい。今回のさんフェアの2日目は、まさにこの型に当てはまっている。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
隣県比較 — 長崎・福岡と並べると、佐賀に固有なのは「45日前の水準」「前日金曜」「日曜の先行」
さんフェアの影響をどこまで読み取れるかを確かめるため、同じ宿泊日・同じリードタイム(宿泊日10日前)で隣県の長崎県・福岡県と並べた。10月24日(土)は福岡県のビジネスホテルでも10日前97.9%(通常土曜10月17日の同時点89.8%から+8.1pt)と高く、北部九州全体で強い土曜であることが分かる。初日の到達水準だけをさんフェアの効果とみなすと過大に読みやすい。
表2 隣県比較 — 宿泊日10日前で見た通常週比の先行幅(推定OCC・OTA掲載在庫ベース、2026年10月16日時点)
県区分N(施設・客室)10/24 45日前10/17→10/24(10日前)土曜の差10/23(金)10日前10/18→10/25(10日前)日曜の差
佐賀ビジネス19施設・1,929室91.7%89.3%→98.7%+9.4pt96.1%68.4%→74.1%+5.7pt
長崎ビジネス58施設・4,574室72.3%79.9%→86.4%+6.5pt79.5%70.4%→71.6%+1.2pt
福岡ビジネス179施設・22,829室88.9%89.8%→97.9%+8.1pt87.7%81.0%→81.5%+0.5pt
佐賀旅館68施設・1,737室70.5%81.3%→88.4%+7.1pt80.9%71.5%→81.1%+9.6pt
長崎旅館49施設・1,730室65.9%81.7%→85.9%+4.2pt73.8%75.0%→78.3%+3.3pt
福岡旅館52施設・952室59.2%84.7%→88.3%+3.6pt75.7%70.8%→77.3%+6.5pt
推定OCC(OTA掲載在庫ベース)。各県・区分とも宿泊日ごとの固定コホート(福岡ビジネスの10/24のみ178施設・22,797室)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
一方で、佐賀に固有の形は3点ある。第一に45日前の水準で、10月24日のビジネスは佐賀91.7%に対し福岡88.9%・長崎72.3%と、佐賀が最も早く埋まっていた。第二に前日10月23日(金)で、10日前の時点で佐賀96.1%に対し福岡87.7%・長崎79.5%と、佐賀だけが初日並みの水準にある。第三に2日目の日曜で、通常日曜10月18日に対する先行幅は佐賀+5.7ptに対して福岡+0.5pt・長崎+1.2ptにとどまる。前段で「5.7ptしか先行していない」と書いた2日目の先行幅は、隣県と比べれば佐賀に固有の上乗せでもあり、2日目の需要がゼロではないことを示している。旅館でも10月25日の先行幅は佐賀+9.6ptに対して長崎+3.3pt・福岡+6.5ptで、佐賀が最も大きい。
2日目(10/25)の着地レンジ — 平常の日曜の上積み幅で見る3シナリオ
2日目の10月25日が最終的にどこまで埋まるかを、過去の平常日曜の上積み幅から幅で見積もる。2026年8月23日〜10月4日の日曜のうち三連休の中日(9月20日・10月11日)を除く6日について、宿泊日10日前から前日までの推定OCCの上積み幅を取ると、ビジネスは+4.5〜+12.5pt(中央値+8.7pt)、旅館は+10.3〜+13.7pt(中央値+12.2pt)だった。これを10月25日の10日前の値に足したのが次の表である。
表3 10/25(日)の着地シナリオ — 区分×上積み幅(推定OCC・宿泊日前日時点の見込み)
区分10日前(現在)悲観(最小の上積み)中位(中央値)楽観(最大の上積み)参考:平常日曜6日の前日時点平均
ビジネス(N=19施設)74.1%78.6%(+4.5pt)82.8%(+8.7pt)86.6%(+12.5pt)73.6%
旅館(N=68施設)81.1%91.4%(+10.3pt)93.3%(+12.2pt)94.8%(+13.7pt)72.0%
平常日曜6日=8/23・8/30・9/6・9/13・9/27・10/4(ビジネス N=19〜21施設、旅館 N=66〜75施設)。推定OCC(OTA掲載在庫ベース)、2026年10月16日時点。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
中位シナリオでもビジネスの10月25日は82.8%で、平常日曜の前日時点平均(73.6%)を9pt前後上回って着地する計算になる。2日目は「普段の日曜並み」に沈むわけではなく、平常の日曜より一段高い水準までは埋まる見込みが大きい。それでも中位で市場在庫の2割弱が残り、残り枠30%超の施設が21施設中12施設ある以上、自館の2日目を自然流入だけに任せられないという結論は変わらない。旅館は上積み幅そのものが大きく悲観でも9割を越える計算だが、前日にかけての伸びには販売停止(掲載在庫を閉じる操作)による見かけの消化も含まれうるため、上限側は割り引いて読みたい。
施設別の残り枠 — 初日は16施設中13施設が残り枠10%以下、2日目は21施設中12施設が30%超
市場全体の推定OCCだけでは、残り枠がどの施設に偏っているかは分からない。そこで、総客室の30%以上の販売枠が観測された施設を対象に、宿泊日ごとの残り枠(掲載残室数÷総客室数)の分布を匿名で集計した。対象施設は宿泊日ごとに販売枠の観測状況で変わるため、同じ母集団ではない点に留意して読みたい。
表4 施設別の残り枠の分布 — 10/24・10/25(佐賀県、2026年10月16日時点)
宿泊日・区分対象施設(客室)残り枠10%以下うち残り枠ゼロ10〜30%30%超
10/24(土)ビジネス16施設(917室)13施設9施設3施設0施設
10/25(日)ビジネス21施設(1,705室)3施設0施設6施設12施設
10/24(土)旅館48施設(1,123室)23施設12施設20施設5施設
10/25(日)旅館57施設(1,125室)20施設11施設20施設17施設
施設別の掲載在庫(総客室5室以上・販売枠が総客室の30%以上観測された施設)。2026年10月16日時点。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
ビジネスホテルの初日10月24日は、対象16施設のうち13施設が残り枠10%以下で、9施設は残り枠がゼロである。さらに、残り枠10%以下の13施設のうち7施設は、宿泊日の45日以上前の時点ですでに一度、掲載在庫が確認できない状態を記録しており(うち5施設は現在も残り枠ゼロ)、全国大会の需要が早期に枠を押さえたことをうかがわせる。これに対して2日目の10月25日は、対象21施設のうち残り枠10%以下が3施設にとどまり、30%超の施設が12施設と過半を占める。初日に満室で断った問い合わせが2日目に回っていない構図であり、「2日目の残り」はほぼ全施設に共通する課題だといえる。旅館は初日48施設中23施設、2日目57施設中20施設が残り枠10%以下で、2日目でも残り枠が薄い施設が一定数ある点がビジネスと異なる。同じ10月24日の施設別分布を「早期完売」「直前消化」「残り型」に分けた福岡の10/24(土)在庫消化の型も、隣県の比較軸として参考になる。
佐賀県のビジネスホテル・旅館を運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン
示唆1 — 初日(10/24)は市場として売り切れており、残る論点は単日販売ではなく「組み方」である。 ビジネスの初日は直近9日前で98.4%・完売施設率63.2%に達し、45日前からの上積みは6.7ptしかなかった。自館の10月24日がまだ埋まっていないなら、市場で断られた需要が流れてくる局面なので、単日で売るより金曜・日曜と組んだ2泊条件で受ける余地がある。逆に自館の10月24日がすでに満室なら、同日の問い合わせを10月25日の在庫へ誘導する導線(翌日泊の案内・連泊条件の提示)を整える段階にある。
示唆2 — 2日目(10/25)は「普段の日曜」より一段高い程度の軌道にとどまり、自然流入を待っても埋まりきらない。 ビジネスの10月25日は10日前で74.1%、通常日曜10月18日の同時点68.4%との差は5.7ptにとどまり、残り枠30%超の施設が21施設中12施設ある。平常の日曜の上積み幅を当てはめた着地は78.6〜86.6%(中位82.8%)で、経過月の日曜平均(8月77.0%・9月76.8%)をやや上回る程度にとどまる。初日の需要が2日目に自動的に波及すると見込んだ在庫の持ち方は見直したい。2日目の需要は「初日に泊まった人を1泊延ばす」か「日曜に入って月曜のビジネス需要に接続する」かのどちらかで作ることになる。
示唆3 — 前泊(10/23)はすでに97.0%で、金曜在庫の最後の数室は2泊で売る局面にある。 出場校・関係者の前日入りが金曜を初日と同水準まで押し上げている。金曜の残り枠が自館にあれば、金・土の2泊限定で販売するか、金曜単日の受付を土曜の満室を前提に絞るかの選択になる。金曜単日で先に埋めると、土曜の問い合わせに対して連泊の受け皿を失う。
示唆4 — 旅館は2日目の反応がビジネスより大きく、土日2泊の商品設計が合いやすい。 旅館の10月25日は通常日曜に対して9.6pt先行しており(ビジネスは5.7pt)、初日と2日目の差も88.8%対81.1%とビジネス(98.4%対74.1%)ほど開いていない。会期中の宿泊者が県内温泉地に流れている可能性があり、土日2泊や日曜イン(会期2日目を見てから宿泊)の受け入れ余地を確認したい。
以上を踏まえ、宿泊日まで残り8日の時間軸で打ち手を整理する。いずれも記事中の市場値を自館の状況と照合して判断することを前提とし、効果を保証するものではない。
表5 残り8日間のアクションプラン — 時間軸・判断トリガー・狙い
時間軸打ち手判断トリガー(記事中の市場値との照合)狙い
今日〜10/20(残り8〜4日)10/24・25の2泊条件(最低泊数2泊)を設定し、10/24単日の受付を絞る自館の10/24残り枠が市場(ビジネス完売施設率63.2%・残り枠10%以下13/16施設)より多い場合初日に流れてくる需要を2日目へ繋ぐ
今日〜10/2010/25の連泊割引・日曜イン向けプラン(日〜月)を立てる自館の10/25推定進捗が市場74.1%(10日前)を下回っている、または残り枠30%超の場合2日目在庫を月曜ビジネス需要と接続して消化する
今日〜10/2010/23の残り数室を金・土2泊限定に切り替える自館の10/23残り枠があり、市場の金曜が97.0%・完売42.1%で推移している場合前泊需要を単日で終わらせず連泊に変える
10/21〜10/23(残り3〜1日)10/24の最低泊数条件を解除し、残室を単日で開放する残り3日時点で自館の10/24に残り枠が残っている場合(通常土曜10/17は3日前93.2%→2日前92.6%で上積みがほぼ止まる)連泊条件で売れ残った枠を取りこぼさない
10/21〜10/2310/25の在庫を「2日目のみ来場」需要向けに前面化し、翌週末のバルーンフェスタ(10/30〜11/3)と組んだ連泊案内を添える10/25の自館進捗が市場の着地見込み(中位シナリオ82.8%、経過月日曜平均76.8〜77.0%)を下回る見込みの場合日曜単日の埋め残しを最小化する
10/24〜10/25(当日)初日のウォークイン・満室時の問い合わせを翌日泊に案内し、10/25の最終消化へ回す市場の初日完売施設率が63.2%と高く、当日の断り件数が発生しやすい状況断った需要を2日目に残さず拾う
ホテルバンク編集部作成。判断トリガーの市場値はいずれも本記事の数値(2026年10月16日時点)。
まとめ — 全国大会型イベントを読む3つの物差し
さんフェアSAGA2026の佐賀県宿泊市場への反応は、次の3点に整理できる。第一に、45日前の到達水準である。初日10月24日のビジネスは45日前で91.7%と、通常土曜(10月17日)の45日前56.4%を35.3pt上回っており、全国大会の需要は観測窓より前にほぼ確定していた。45日前時点で通常土曜の直前到達水準に迫る日は、直前の上積みを前提に在庫を持たないほうがよい日だと読める。第二に、2日目の先行幅である。10月25日は通常日曜の同時点に対してビジネスで5.7pt、旅館で9.6ptしか先行しておらず、土日2日間イベントの日曜は、初日の延長ではなく「普段の日曜より一段高い程度」の日として扱う必要がある。翌週末のバルーンフェスタの日曜11月1日が17日前で88.6%に達していることと対比すると、会期が週末を覆うかどうかで日曜の性格が変わることが分かる。第三に、前泊日の水準である。会期前日10月23日のビジネスが8日前で97.0%に達していたことは、全国大会型イベントでは前泊が初日と同じ重みを持つことを示している。
残り8日の論点は、埋まった初日ではなく、埋まっていない2日目と前泊の最後の数室をどう組むかに集約される。本稿の市場値を自館の進捗と並べ、最低泊数・連泊条件・翌日泊への導線を一つずつ確認したい。
よくある質問
Q. さんフェアSAGA2026の会期と会場は?
A. 2026年10月24日(土)9時30分〜16時、25日(日)9時〜16時。会場はSAGAアリーナ・SAGAプラザ・佐賀市文化会館・佐賀女子高等学校の4か所です(公式サイト・文部科学省発表)。
Q. 初日10月24日の佐賀県ビジネスホテルはどこまで埋まっていますか?
A. 宿泊日9日前の観測で推定OCC(OTA掲載在庫ベース)98.4%、完売施設率63.2%です(N=19施設・1,929室、2026年10月16日時点)。45日前の時点で91.7%に達していました。
Q. 2日目10月25日はどこまで埋まりそうですか?
A. 10日前で74.1%です。平常の日曜6日の「10日前→前日」上積み幅(+4.5〜+12.5pt)を当てはめると、着地見込みは78.6〜86.6%、中位82.8%です。
Q. 10月24日の高さはすべてさんフェアの影響ですか?
A. 福岡県のビジネスホテルも同日10日前97.9%と高く、北部九州全体で強い土曜です。佐賀に固有なのは45日前の水準(91.7%)、前日金曜の水準(10日前96.1%)、日曜の先行幅(+5.7pt)です。
Q. 翌週のバルーンフェスタとの違いは?
A. 5日間開催のバルーンフェスタ期間の日曜11月1日は17日前でビジネス88.6%と、さんフェア2日目(10日前74.1%)を上回っています。会期が週末を覆うと日曜も土曜に近い水準で埋まります。
Q. 推定OCC(OTA掲載在庫ベース)とは何ですか?
A. 100−100×OTA掲載残室数÷総客室数で求める推定値です。総客室の30%以上をOTAに掲載する施設の固定コホートで算出し、掲載外の客室を消化済み側に数えるため実客室稼働率より高めに出ます。
データについて
・推定OCC(OTA掲載在庫ベース)の定義: OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合。本文の N= がその施設数)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。
・ブッキングカーブ: 宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。各宿泊日の「直近観測」は本文・表に残り日数を併記した。
・経過月の実績(8月・9月・10月1〜16日の月平均および曜日別平均)は、各宿泊日の宿泊日前日時点の推定OCCを日別に集計したもの。ビジネス N=18〜21施設、旅館 N=56〜78施設(日により変動)。
・施設別の残り枠の分布: 総客室5室以上で、販売枠が総客室の30%以上観測された施設を対象とし、2026年10月16日時点の掲載残室数÷総客室数で区分した。対象施設は宿泊日ごとに異なる。
・完売施設率: OTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合(推定)。
・対象 N= の内訳: ブッキングカーブはビジネスホテル19施設・1,929室、旅館68施設・1,737室(いずれも主要予約サイト掲載ベース)。シティホテルは県内の対象施設数が少なく、本稿では扱っていない。
・本記事は稼働の進捗のみを扱い、価格水準(推定成約ADR)は扱っていない。
・データ時点: 2026年10月16日。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。
参考資料・出典一覧
■ データソース
OTA掲載在庫・残室の日次観測(メトロエンジンリサーチ)。佐賀県ビジネスホテル19施設・1,929室、旅館68施設・1,737室の固定コホートを主対象とし、比較用に長崎県・福岡県の同区分を同じ宿泊日・同じリードタイムで集計した。イベント情報は公式サイト・文部科学省発表・佐賀バルーンフェスタ組織委員会による。
■ 試算前提
2日目の着地シナリオは、2026年8月23日〜10月4日の平常日曜6日(三連休の中日を除く)について「宿泊日10日前→前日」の上積み幅の最小・中央値・最大を取り、10月25日の10日前の値に加算したもの。隣県比較は全県を宿泊日10日前でそろえた。
■ 限界・留意点
推定OCCはOTA掲載在庫ベースで実稼働率と定義が異なり、販売停止による掲載在庫の減少も消化側に数える。シナリオは過去の平常日曜の上積みが再現する前提で、イベント固有の直前需要や天候は織り込んでいない。数値は2026年10月16日時点のスナップショット。
■ 出典
・第36回全国産業教育フェア佐賀大会「さんフェアSAGA2026」公式サイト https://sanfair-saga2026.jp/
・文部科学省「第36回全国産業教育フェア佐賀大会の開催について」 https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01683.html
・2026佐賀インターナショナルバルーンフェスタ 大会概要(佐賀バルーンフェスタ組織委員会) https://www.sibf.jp/2026/outline/
・宿泊データ: メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
