山形の旅館、10/24は10日前で推定OCC 85.2%・三連休初日は94.3% — 差は30日前までにつく秋の週末を残り9日で埋める

ホテルバンク編集部が2026年10月14日までの観測をもとに山形県の旅館110施設(2,910室)のブッキングカーブを並べると、三連休初日の10月10日(土)が宿泊10日前の時点で推定OCC(OTA掲載在庫ベース)94.3%まで積み上がっていたのに対し、10月24日(土)は同じ10日前で85.2%と、9.1ptの差が開いていた。10月17日(土)も宿泊3日前で85.7%にとどまり、三連休初日が同じ3日前に示した98.1%から12.4pt離れている。ただし「45日前からほぼ横ばい」だった9月中旬の形は変わり、10/24は45日前の70.6%から14.6pt、10/17は67.1%から18.6pt積み上げており、秋の週末の予約は宿泊30日を切ってから集中して入る型を示した。本稿では旅館とビジネスホテルの4日分のカーブ、9〜10月の土日の着地水準、10/24の残り枠の分布、推定成約ADRの前年比を並べ、10/24をターゲット日に残り9日で何を見直すか、そして11月の週末に向けてT-45・T-30・T-14で何を仕込むかを整理する。

対象: 山形県の旅館 N=110施設(2,910室)、比較用にビジネスホテル N=23施設(1,989室)。いずれも各宿泊日で同じ施設集合の固定コホート。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年10月15日(ブッキングカーブの直近観測は10月14日分)。

Key Takeaways

— 同じ10日前で9.1ptの差:10/24(土)の旅館は推定OCC85.2%(2026年10月14日観測・N=110施設)で、三連休初日10/10の同時点94.3%に届いていない。
— 差は30日前までについた:両日の差は45日前4.8pt→30日前9.7pt→10日前9.1pt。30日を切ってからの上積みペースは三連休初日とほぼ同じだった。
— 業態で型が違う:ビジネスホテル(N=23施設・1,989室)は45日前→30日前に各土曜+14〜15ptを積んだが、旅館の10/24は同じ区間で+4.7ptにとどまった。
— 着地の物差しは3帯:9〜10月の旅館は通常土曜89〜95%、通常日曜80〜84%、連休99%前後で着地(宿泊前日観測)。10/25(日)は11日前で通常日曜の帯の下端に到達。
— 残り枠は小・中規模に厚く、単価は崩れていない:10/24の未完売は20室以下47施設・約156室、21〜50室23施設・約143室。推定成約ADRは9月確定で前年比+5.5%。

10/10と10/24、同じ10日前で9.1ptの差 — 旅館110施設のブッキングカーブ

まずは旅館の4日分を同じ残り日数の軸に重ねて見る。三連休初日の10/10(土)は45日前に75.4%、30日前に85.0%、14日前に92.4%、10日前に94.3%、前日に99.5%と、どの局面でも途切れずに積み上がった。45日前から30日前の15日間で+9.6pt、30日前から前日までで+14.5ptである。一方の10/24(土)は45日前70.6%、30日前75.3%、14日前84.7%、直近の10日前で85.2%と、45日前から30日前の伸びが+4.7ptと三連休初日の半分にとどまり、30日前から直近までの+9.9ptで取り返しつつある形になっている。

注目したいのは、両日の差が45日前の4.8ptから30日前には9.7ptまで広がり、10日前で9.1ptとほぼ横ばいで推移している点である。つまり差がついたのは30日前までの区間で、30日を切ってからの上積みペースは三連休初日と大きく変わらない。10/17(土)も同じ構図で、45日前67.1%、30日前73.1%(+6.0pt)、14日前81.5%、3日前85.7%と30日を切ってからの伸びが+12.6ptに達したものの、三連休初日が3日前に示した98.1%には12.4pt届いていない。日曜の10/25は45日前71.6%、30日前75.3%、11日前80.8%と、土曜より緩やかな勾配で推移しており、45日前からの上積みは+9.2ptである。同じ山形県でも、夏の花笠まつり期は需要の上乗せが45日前の時点でほぼ完成していたことを山形花笠まつり2026のブッキングカーブ分析が示しており、秋の週末は積み上がる時期そのものが夏の祭事と異なる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表1: 山形県 旅館(N=110施設・2,910室)の定点推定OCC。直近は10月14日観測(10/10のみ宿泊前日10月9日観測)。完売施設率は同日時点でOTA等に掲載在庫が確認できない施設の割合(推定)。

表1 山形県 旅館(N=110施設・2,910室)の定点推定OCC
宿泊日45日前30日前14日前直近(残り日数)45日前→直近完売施設率(直近)
10/10(土・三連休初日)75.4%85.0%92.4%99.5%(1日前)+24.1pt94.5%
10/17(土)67.1%73.1%81.5%85.7%(3日前)+18.6pt36.4%
10/24(土)70.6%75.3%84.7%85.2%(10日前)+14.6pt33.6%
10/25(日)71.6%75.3%79.6%80.8%(11日前)+9.2pt24.5%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

完売施設率の差も大きい。三連休初日は前日時点で94.5%の施設に掲載在庫がなかったのに対し、10/24は10日前で33.6%、10/17は3日前で36.4%にとどまる。推定OCCが85%台でも施設の3分の2には残り枠があるという状態で、残り9日の販売余地は数字の見かけより広いと読める。

ビジネスホテルは30日前までに14pt積む — 旅館との型の違い

同じ4日をビジネスホテル23施設(1,989室)で見ると、カーブの型が旅館と明確に異なる。10/10は45日前79.0%から30日前93.0%へ+14.0pt、10/17は59.6%から74.5%へ+14.9pt、10/24は63.2%から77.6%へ+14.4ptと、三連休であるかどうかにかかわらず45日前から30日前の区間でほぼ同じ幅を積み上げていた。旅館の同じ区間が10/10で+9.6pt、10/24で+4.7ptだったことと比べると、ビジネスホテルは出張・業務需要が30日前までに段階的に入るのに対し、旅館の秋の週末は30日を切ってから観光需要がまとまって入る、という需要の入り方の違いが表れている。

直近の水準でも差が残る。10/24の10日前でビジネスホテルは89.8%、旅館は85.2%と4.6ptの開きがあり、10/10の同じ10日前では99.6%と94.3%で5.3ptだった。日曜の10/25はビジネスホテルが45日前50.2%、30日前58.5%、11日前68.0%と旅館(80.8%)を下回り、業務需要の薄い日曜は旅館側が優位に立つ。つまり山形県では、土曜はビジネスホテルが先に埋まり、日曜は旅館が相対的に強いという曜日の棲み分けが、カーブの段階からすでに読み取れる。県内ビジネスホテルの在庫消化が施設単位で早期消化型・直前決着型など3つの型に割れる点は、山形のビジネスホテル38施設の在庫消化分析が詳しく扱っている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

着地の物差し — 9〜10月の土日が最終的にどこで止まったか

では10/24が「85.2%から残り9日でどこまで行くか」を考える物差しとして、9月から10月前半の土日の着地水準(宿泊前日観測の推定OCC)を並べる。旅館の土曜は9/5が91.5%、9/12が94.5%、9/26が89.6%、10/3が91.6%と、連休を含まない土曜は89〜95%の帯で着地していた。これに対し5連休の9/19(土)は99.2%、9/20(日)99.9%、9/21(月・祝)99.4%、9/22(火)97.5%、三連休初日の10/10は99.5%、10/11(日)は97.3%と、連休は99%前後まで埋まり切る。通常の日曜は9/6が81.3%、9/13が80.2%、9/27が84.0%、10/4が83.3%と80〜84%の帯である。

三連休初日は10日前の94.3%から前日99.5%まで+5.2ptを積んだ。通常の土曜の着地帯が89〜95%であることを踏まえると、10/24は10日前の85.2%から通常土曜の帯に入るか、連休水準に近づくかの境目にある。10/25(日)の80.8%は通常日曜の帯の下端にすでに達しており、こちらは土曜より先に水準が固まりつつあると読める。隣県の福島県の旅館でも同じ10/24は12日前で87.5%と三連休初日の同時点を8.3pt下回っており、紅葉期の土曜と連休初日の差は福島県の旅館の紅葉期週末カーブでも同じ構図で確認できる。

表2: 山形県 旅館の土日・連休の着地推定OCC(宿泊前日観測)。N=各日108〜117施設(固定コホートの観測施設数は日により変動)。完売施設率は月次集計の断面で、表1の直近観測とは集計断面が異なるため同一日でも値がわずかに異なる(10/10は表1で94.5%、本表で95.8%)。

表2 山形県 旅館の土日・連休の着地推定OCC(宿泊前日観測)
宿泊日区分推定OCC(前日)完売施設率
9/5(土)通常土曜91.5%65.3%
9/12(土)通常土曜94.5%68.2%
9/19(土)5連休初日99.2%93.5%
9/20(日)5連休2日目99.9%98.8%
9/26(土)通常土曜89.6%60.6%
10/3(土)通常土曜91.6%66.3%
10/10(土)三連休初日99.5%95.8%
10/11(日)三連休中日97.3%85.6%
9/27(日)・10/4(日)通常日曜84.0% / 83.3%56.9% / 52.7%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

紅葉の見頃という需要の文脈も確認しておく。山形市観光協会が2026年10月15日に更新した紅葉の見頃情報では、蔵王温泉街が「見頃」(例年の見頃は10月中旬〜下旬)、蔵王中央高原のドッコ沼・鳥兜駅付近と観松平・いろは沼付近も「見頃」、地蔵岳山頂付近はすでに「落葉」、山寺は「ほんの少し色付き始め」(例年10月下旬〜11月上旬)、西蔵王は「4〜5割の色付き」とされている。10/24〜25は温泉街の見頃の後半と山寺の色づきの進行が重なる週末にあたり、県内の需要文脈としては悪くない位置にある。

10/24の残り枠はどこにあるか — 施設規模別の分布

次に、10/24の残り枠を施設単位に分解する。ここではOTA等に総客室の30%以上を掲載している旅館104施設(2,321室)を対象に、10月15日時点の残り枠の分布を匿名で集計した。完売(掲載在庫が確認できない)が29施設と全体の27.9%、残り枠が総客室の10%以下が22施設、10%超〜25%が29施設、25%超〜50%が13施設、50%超が11施設である。残り枠の中央値は11.2%で、客室数で重み付けした残り枠は15.9%だった。

規模別に見ると、20室以下の小規模旅館は71施設(898室)で、完売24施設と最も完売が多く、残り枠の中央値は10.5%である。21〜50室の中規模は26施設(850室)で完売3施設、中央値12.2%。51室以上の大規模は7施設(573室)で完売2施設、中央値8.5%だった。つまり10/24の残り枠は、施設数(未完売47施設)でも残室数(約156室)でも20室以下の小規模が最も多く、21〜50室の中規模(未完売23施設・約143室)がこれに続く。中規模の26施設はまだ完売が3施設しかなく、残り9日の販売をどう組むかで県全体の着地が動く層といえる。

30日前からの動きも施設ごとに分かれる。30日前と10月15日時点を比べられる102施設のうち、推定OCCを5pt以上積んだ施設が62、±5pt未満の横ばいが28、掲載在庫を増やして推定OCCが5pt以上下がった施設が12あった。横ばいの28施設には、30日前の時点で残り枠を絞って掲載していた施設と、販売条件が市場と合わずに動いていない施設の両方が含まれると考えられる。

表3: 10/24(土)の旅館の残り枠分布(施設規模別・2026年10月15日時点)。対象は県内の旅館423施設のうち掲載在庫の観測データがある169施設から、OTA等に総客室の30%以上を掲載する条件で絞り込んだ N=104施設(2,321室)。完売は掲載在庫が確認できない施設(推定)。

表3 10/24(土)の旅館の残り枠分布(施設規模別・2026年10月15日時点)
規模施設数客室数完売施設残り枠の中央値
20室以下718982410.5%
21〜50室26850312.2%
51室以上757328.5%
合計1042,3212911.2%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

比較のため10/17(土)の同じ集計を見ると、対象98施設(2,388室)のうち完売は33施設(33.7%)、残り枠の中央値は8.3%、客室数で重み付けした残り枠は13.1%だった。宿泊3日前の10/17と10日前の10/24で残り枠の中央値が約3pt差しかないことは、10/24が10/17と同じ程度の直前の上積みを得られれば、通常土曜の着地帯に届く位置にあることを示している。

推定成約ADRは9月確定で前年比+5.5% — 単価を崩さずに埋める前提

単価の前提も確認しておく。山形県の旅館の推定成約ADR(税抜相当)は、確定値同士で比べると2026年9月が11,880円(N=190施設)で前年9月の11,266円(N=182)から+5.5%、8月は13,340円(N=190)で前年13,414円(N=182)から−0.6%とほぼ横ばいだった。一方、6月は11,102円で前年比−9.5%、7月は11,515円で−9.9%と、夏前は前年を下回っていた。9月に入ってプラスに転じた背景には5連休が月内に収まったことがあるとみられ、秋の週末単価は前年を崩していない。

10月の現時点推定は14,197円(N=187)、11月は14,014円(N=175)で、いずれも現時点の販売状況に基づく推定値であり、前年10月の確定値12,435円(N=181)や前年11月の13,778円(N=175)との単純比較は月末の確定を待つ必要がある。ビジネスホテルは9月確定が7,606円(N=71)で前年の7,139円(N=79)から+6.5%と、旅館と同じく前年を上回った。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表4: 山形県 旅館の推定成約ADR(税抜相当・月次)。過去月は確定値、2026年10〜11月は現時点の販売状況に基づく推定値。前年比は確定月同士のみ。

表4 山形県 旅館の推定成約ADR(税抜相当・月次)
月2025年(確定)N2026年N基準前年比
6月12,271円19111,102円190確定−9.5%
7月12,776円19111,515円189確定−9.9%
8月13,414円18213,340円190確定−0.6%
9月11,266円18211,880円190確定+5.5%
10月12,435円18114,197円187現時点推定—(確定待ち)
11月13,778円17514,014円175現時点推定—(確定待ち)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

山形県の旅館を運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン

運営目線のインサイト

1. 自館のカーブを「30日前の水準」で市場と照合する。 県の旅館では10/24の差が30日前までの区間でつき(45日前4.8pt→30日前9.7pt)、30日を切ってからの伸びは三連休初日とほぼ同じだった。自館の秋の週末が30日前時点で市場の75.3%(10/24)・73.1%(10/17)より大きく下にあるなら、問題は直前の価格ではなく30日前までの露出と販売条件にある可能性が高い。

2. 着地の物差しは「通常土曜89〜95%、通常日曜80〜84%、連休99%前後」。 自館の過去の土日がこの帯のどこに着地してきたかを把握しておくと、残り9日の10/24で「市場並みに届くか」「連休並みを狙うか」の判断が数字で置ける。10/25(日)は11日前で80.8%とすでに通常日曜の帯に入っており、日曜は土曜ほど焦る局面ではない。

3. 残り枠は中規模に厚い。 21〜50室の旅館は26施設中完売3施設、残り枠中央値12.2%で、10/24の県全体の着地を左右する層である。自館がこの規模帯なら、残り9日は「同規模の競合がどう売るか」が自館の埋まり方に直接影響すると考えて動きたい。

4. 単価は前年を崩していない。 9月の推定成約ADRは確定値で前年比+5.5%であり、残り枠を埋めるために10月の単価を前年水準より下げる必要性は、市場全体のデータからは読み取れない。紅葉は蔵王温泉街が見頃(10月15日時点・山形市観光協会)、山寺が色づき始めという位置にあり、10/24〜25は需要の文脈も整っている。

表5: アクションプラン(ターゲット日=10/24、データ時点2026年10月15日)。判断トリガーは本記事の数値に紐づけている。

表5 アクションプラン(ターゲット日=10/24、データ時点2026年10月15日)
時間軸打ち手判断トリガー(記事の数値)狙い
今日〜今週(10/24まで残り9日)残り枠の「出し方」を見直す。締めている部屋タイプがあれば、素泊まり・1泊2食の両方の販売枠を直前向けに開ける自館の10/24の推定OCCが市場の85.2%(10日前)を下回っており、かつ完売していない(市場は施設の3分の2が未完売)30日を切ってから入る観光需要を取りこぼさない
今日〜今週10/24(土)と10/25(日)の2泊プランを前面に出す。日曜の残り枠を土曜の需要で埋める10/25は11日前で80.8%と土曜(85.2%)より低く、通常日曜の着地帯80〜84%の下端にある土曜単体では売れにくい在庫を連泊で消化する
今日〜今週直前値引きではなく、紅葉・温泉街の見頃を訴求した内容訴求で露出を増やす9月の推定成約ADRが前年比+5.5%で、単価を下げる市場要因が確認できない単価を保ったまま着地率を通常土曜の帯(89〜95%)に乗せる
2週間以内(10/31・11/7に向けて)次の土曜の30日前〜14日前の進捗を、市場の10/24の30日前75.3%・14日前84.7%に重ねて週次で確認する自館の同時点の推定OCCが市場の定点を5pt以上下回る「30日前までに差がつく」型を早い段階で検知する
2週間以内自館の過去の土日着地を「通常土曜・通常日曜・連休」の3帯に分けて整理し、販売条件(最低泊数・キャンセル条件・食事区分)を帯ごとに分ける自館の通常土曜の着地が市場の89〜95%を継続的に下回っている着地の物差しを自館版に置き換える
来月に向けて(11月の週末、T-45→T-30→T-14)T-45(11月の土曜では9月23日〜10月14日ですでに経過、12月上旬の週末はこれから)で露出と価格帯の整備、T-30(11月の土曜では10月8日〜29日)で市場定点との照合と条件調整、T-14(10月24日〜11月14日)で残り枠の出し方の最終判断、という3段のカレンダーを置く11月の推定成約ADRの現時点推定は14,014円(N=175)で前年確定13,778円に近い水準にあり、山寺の例年の見頃が10月下旬〜11月上旬10月の「30日前までに差がつく」型を11月で繰り返さない

まとめ — 秋の週末を読む3つの物差し

第一に、差は30日前までにつく。10/10と10/24の差は45日前4.8pt、30日前9.7pt、10日前9.1ptと推移し、30日を切ってからの上積みは三連休初日と変わらなかった。第二に、着地の物差しは3帯で持つ。通常土曜89〜95%、通常日曜80〜84%、連休99%前後という帯を自館の履歴に置き換えておくと、残り日数での判断が数字で置ける。第三に、残り枠の所在を規模で見る。10/24の残り枠は施設数・残室数とも20室以下が最も多く、21〜50室がこれに続き、完売がまだ少ない中規模の売り方も県全体の着地を動かす。推定成約ADRは9月確定で前年比+5.5%と単価を崩しておらず、10/24〜25は蔵王温泉街の紅葉が見頃にある週末でもある。残り9日の打ち手は値下げではなく、残り枠の出し方と連泊・内容訴求の組み立てにあるといえる。

よくある質問

Q. 推定OCC(OTA掲載在庫ベース)は実際の客室稼働率と同じですか?
A. 異なります。OTA等に掲載された残室数から逆算した推定値で、掲載外の客室を消化済み側に数えるため実稼働率より高めに出ます。ブッキングカーブの形や、宿泊日間・業態間の相対比較を見る指標として使い、公表されている稼働率と絶対値を直接比べることは避けてください。

Q. 10/24は残り9日でどこまで伸びる見込みですか?
A. 本記事は着地を予測していません。物差しとして、9〜10月の連休を含まない土曜は宿泊前日に89〜95%の帯で着地し、三連休初日の10/10は10日前の94.3%から前日99.5%まで+5.2ptを積みました。10/24の10日前85.2%がこの帯に入るかどうかが、残り9日の販売の目安になります。

Q. 11月の週末に向けて、いつ何を見直せばよいですか?
A. 10月の旅館では、差が30日前までの区間でつきました。11月の土曜であればT-30は10月8日〜29日、T-14は10月24日〜11月14日にあたり、T-30で市場の定点(10/24は30日前75.3%)と自館の進捗を照らし、T-14で残り枠の出し方を最終判断する3段のカレンダーを置くのが実務的です。なお、数値は2026年10月15日時点の観測に基づくスナップショットです。

データについて
表6 指標の定義・対象N・データ時点
推定OCC(OTA掲載在庫ベース)の定義OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。対象月は2026年9〜10月、対象日は10/10・10/17・10/24・10/25。
ブッキングカーブ宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。定点は45日前・30日前・14日前・直近(10/10は前日、10/17は3日前、10/24は10日前、10/25は11日前の観測)。
推定成約ADROTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。
対象 N の内訳ブッキングカーブ: 山形県 旅館 N=110施設・2,910室、ビジネスホテル N=23施設・1,989室(固定コホート)。土日の着地(表2): 各日108〜117施設。残り枠分布(表3): OTA等に総客室の30%以上を掲載する旅館 N=104施設・2,321室(10/24)、98施設・2,388室(10/17)。推定成約ADR: 旅館 N=175〜191施設、ビジネスホテル N=71〜79施設(月により変動)。
データ時点2026年10月15日(ブッキングカーブの直近観測は10月14日分)。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。

参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチ集計データ。山形県の旅館・ビジネスホテルの各固定コホート(総客室の30%以上をOTAに掲載する施設)について、10/10・10/17・10/24・10/25の各宿泊日の45日前から直近(2026年10月14日観測)までのOTA掲載残室数を日次で観測したもの。土日の着地(表2)は2026年9〜10月の宿泊前日時点の日別値、推定成約ADR(表4・図3)は2025年1月〜2026年11月の月次値(2026年10〜11月は現時点推定)。紅葉の見頃は山形市観光協会(2026年10月15日更新)。

■ 試算前提

推定OCCは「100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数」、差・上積みは同じ宿泊日の定点間の差(pt)。定点は45日前・30日前・14日前・直近。残り枠分布(表3)は10月15日時点の施設別残室率を規模帯(20室以下・21〜50室・51室以上)で集計し、施設は匿名化した。推定成約ADRの前年比は確定月同士のみで算出し、着地予測は行っていない。

■ 限界・留意点

推定OCCはOTA掲載在庫ベースの推定で、掲載を取り下げた客室(販売停止)も消化済み側に数えるため、実客室稼働率より高めに出る。土日の着地(表2)の観測施設数は各日108〜117施設で、宿泊日間の比較は母集団の小さな入れ替わりを含む。10月・11月の推定成約ADRは月末の確定前の値で、前年確定値との単純比較はできない。福島県との比較は観測時点が異なるため構図の比較にとどまる。

■ 外部資料

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