株式会社GKデザイン総研広島(広島県広島市・代表取締役社長 彌中敏和)は、デザインで参画した西日本旅客鉄道株式会社の中国エリア近郊形電車のブランディングが、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2026年度グッドデザイン賞を受賞したことをお知らせします。

対象の車両は、西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)が国鉄時代の車両の置き換えとし
て、2015年に広島エリア(愛称?Red Wing)、2023年に岡山エリア(愛称?Urara)、2026年に山口エリア(愛称?Kizashi)へ順次導入している近郊形電車です。従来の黄色一色の「古い車両」のイメージを一新し、地域に愛される「自分たちの電車」を目指してブランディングに取り組みました。
3 エリアそれぞれの「らしさ」を反映した個別のカラーと愛称を設定しつつ、配色部位の統一などで中国エリアとしてのシリーズ感を持たせました。連結部の転落防止幌にもカラーと愛称を配し、安全への姿勢と地域への想いを表しています。また、JR 西日本の社員の方々との「共創」により、デザイナーだけでは気づき得ない地域の独自性を引き出しました。
当社では、本受賞を励みに、今後も地域の皆さまとともにその土地の「らしさ」を見つけ出し、デザインを通じて、地域に愛される公共交通と暮らしの風景づくりに貢献してまいります。

デザインの特徴
■エリアごとの個別カラーと愛称 [各地域で愛される「自分たちの電車」へ]
従来はコストを理由とした黄色の単色塗りでした。新しい近郊形電車では、エリアごとに地域らしさを紐解き、広島「Red Wing」、岡山「Urara」、山口「Kizashi」として、それぞれ独自のカラーと愛称を設定しました。
■中国エリアとしてのシリーズ感 [一貫性のある表情づくり]
配色する部位を3エリアで統一するなど、中国エリアの近郊形電車としてのシリーズ感を持たせました。また、 2両・3 両の短い編成を輸送量に合わせて連結して走る運用に合わせ、その「組み合わせ」を強調するカラーデザインとしています。
■転落防止幌に込めたメッセージ [安全と地域への想い]
安全のために連結部へ設置している転落防止幌に、各エリアのカラーと愛称を配しました。安全に対するJR西日本の強い姿勢と、地域の近郊形電車を大切にしたいという想いを表しています。
■地域との共創 [「らしさ」をともに見つけるデザインプロセス]
岡山・山口エリアのデザイン開発では、各エリアの JR 社員がワークショップに参画し、地域の「らしさ」を引き出しました。愛称は、広島エリアは JR 西日本管轄内での社内公募、岡山エリアは一般公募、山口エリアはワークショップ参加者のアイデアから決定しています。

■Good Design審査委員コメント
広島、岡山、山口それぞれの地域性やアイデンティティを、鉄道車両のブランディングを通して可視化した試みとして高く評価した。かつて「都市部からのお下がりの車両が走る地域」という印象もあったなか、新型車両にデザインの力を加えることで、広範囲に走るメディアとしての鉄道の強みを生かした、地域への愛着と誇りを生み出す効果を生み出している。カラーリングやネーミングの決定に、公募やワークショップを通じて地域の利用者が参加することで、車両そのものを地域の共通資産へと育てている。また社員向けブランドマニュアルを整備し、利用者だけでなく運行に携わる人々まで巻き込んだ点も、持続的なブランディングとして優れている。

■グッドデザイン賞について
1957年に創設された日本を代表するデザインの評価・推奨の仕組みで、受賞したデザインには「Gマーク」の使用が認められます。製品のかたちにとどまらず、サービスや地域づくり、社会課題の解決に向けた取り組みまで幅広い領域を対象としています。近年は成果物だけでなく、それが生まれるまでの背景やプロセス、社会への広がりまでを含めて評価しており、2026年度は創設から数えて第70回の節目にあたります。

□Good Design 受賞ページ
https://www.g-mark.org/gallery/winners/38603?years=2026

□JR西日本 受賞プレスリリース
https://www.westjr.co.jp/press/article/2026/10/15/items/261015_00_press_good_design_award.pdf

GKデザイン総研広島は、「事業・運動・研究」を理念に、プロダクト、コミュニケーション、都市環境・建築の領域を横断する総合デザインオフィスです。製品、空間、情報、サービスなどを横断的に扱い、企業や公共機関の活動に関わる意思決定やアウトプットの質を高める提案を行っています。

Share.