バッテリー容量35.5kWhの電気自動車「Honda e」でつぎはぎ日本一周にチャレンジする企画の第6回。ジャパンEVラリー白馬に参加したついでに、都道府県単位で日本一周する「みだれ打ち」を敢行。Honda e仲間とともに長野県を巡りました。
夜明けの絶景スポットは天候に恵まれず……
碓氷バイパスから国道18号で長野県入り。軽井沢から浅間サンラインで上田へ。夜だったので浅間山麓の広大な景色は楽しめませんでしたが、代わりに夜景スポットの姨捨山(姥捨て伝説の舞台とされています)に立ち寄って、善光寺平(長野盆地)のきらめきを眺めました。夜景百選だそうです。
初日は車中泊、というより仮眠で済ませるつもりでした。というのも夜明け前に訪ねたい場所があったからです。「絶景×EV」をテーマにしていると、日の出前や日没直後のマジックアワーは逃したくありません。撮影タイムと引き換えに睡眠時間は削られがち。でも、前回(三重編)のように日の出を拝めたりすると心底「早起きして良かった~」と思えます。
今回、夜明けを狙って訪ねたのは白沢峠展望台(白馬村)です。白馬村には北アルプスを展望するビュースポットがいくつもありますが、ここはちょうどトンネル出口に駐車スペースがあるので、いわゆる「額縁構図」の写真を狙えます。暗いうちに到着することができました。これで夜明けとともに北アルプスのモルゲンロートが! と期待しましたが……天候に恵まれず、山々は霞の中。うーん、残念。
稜線をつなぐワインディングロードを快走
なるべく北まで走ろうと、南小谷駅(小谷村)までドライブした後、1泊2日のイベント「ジャパンEVラリー白馬2026」に参加して楽しみました(関連記事)。そこからオーナーズクラブの仲間とともに長野周遊をスタート。ガンメタeのワイリーさんとは5月の「EV Camp VISON 2026」でもご一緒しています。また、当ブログに何度も登場してくれている銀eのばにらさんも上田市内で合流してくれて、3台で目指したのはビーナスラインです。
ビーナスラインは、どんなドライブガイドにも必ずと言っていいほど掲載されている絶景ロード。この日も、今回の出発点となる「道の駅美ヶ原高原」の駐車場はかなり混雑していました。ただ、標高1600~2000mの稜線をつなぐワインディングロードはとっても快適に走行できました。雲や連なる山並みを見下ろすようなドライブは、他ではなかなか体験し難いですよね。声をあげたくなるような風景が次々に展開します。よそ見しすぎにご用心。
駆け込んだ温泉宿に無料のEV充電器が!
同じ車でのランデブーだと視覚的な楽しさが増えます。自分が走っている場面を連想できて、感覚が俯瞰的になるんですね。ま、自己満足ではありますが。十分にドライブを堪能して塩尻市内に下り、「山賊焼」の元祖を名乗るお店で打ち上げ。翌日に仕事があるというワイリーさんを見送りました。その後は2台で走ることになったのですが、無料充電器が2基ある温泉宿「信州健康ランド」が当日予約できました。ラッキーです。
Honda eでSOC10%から満充電までざっと30kWhとして、経路充電なら安くて1350円(パワーエックスのFirst会員料金)、高いと4290円(高速道路上のeMPの従量制ビジター料金)です。それが無料になるのですから、旅のコストパフォーマンスは爆上がりです。非EVが停められないように、充電器のある駐車枠にチェーンがしてあったのもうれしい配慮。温泉も充実していますし、信州健康ランド、EV旅にお勧めしておきます。ただし充電は先着順なので、早めの到着が吉かも。
信州絶景巡りを満喫
さて翌日。長野県をさらに南下する計画でしたが、その前に立ち寄るのを忘れていた上田ローマン橋(上田市)に戻ることにしました。たぶん100kmぐらい余計に走ることになりますが、急がないので問題ありません。なるべく違う道路を走ります。景色が違えば、どこを走っていても楽しい。
せっかくなので、昨日はスルーしてしまった「フジモリ茶室」(茅野市)にも寄り道します。茅野出身の建築家、藤森照信さんのデビュー作である「神長官守矢史料館」のそばに、木の上に立つ「高過庵」、半地下の「低過庵」、宙吊りの「空飛ぶ泥舟」というぶっ飛んだ茶室3つが並んでいます。史料館はあいにく定休日でしたが、独創的な建築は、眺めているだけで十分楽しめるものでした。
途中で経路充電を挟んで、訪ねたのがばにらさんオススメの旧深沢川水路橋(箕輪町)。用水路を川と交差させる水路橋が道路橋に改造されています。老朽化のため現在は通行止め。いい感じに朽ちています。廃墟好きや建築ファンならどうぞ。
宿場町の街並みが保存されている旧中山道の奈良井宿(塩尻市)、木曽川沿いの不思議な岩石群・寝覚の床(上松町)などを経由しつつ、目指したのは長野県南部、阿智村の「日本一の星空 浪合パーク」です。阿智村は「環境省認定の日本一星空が綺麗な村」だそうです。
国道153号をずっと走っていくと、道沿いに浪合パークがあらわれました。が、ここは一度通り過ぎて、すぐそばの治部坂スノーシェルターを見に行きます。普通のトンネルと違って、側面や天井に穴が開いていて、SF映画のようです。走っていると、どこかへワープしそうで、走って楽しい道路です。
コスパ重視の急速充電で旅を満喫
何度か往復して満喫してから、いよいよ浪合パークへ。うれしいことに急速充電器を発見。しかも2基あった! のですが、出力を分け合う方式で、最大出力50kWが2台繋ぐとほぼ半減。1回1100円(最大30分)の料金は分け合っても半額になるわけではないので、雑談しつつ30分ずつ交代で充電しました。
そうこうするうちに日も暮れて、ちらちら星も光り始めたものの、どうも雲が多め。パークに入場するのはパスしました。いつか晴れた夜にガイドさんの解説付きで「日本一の星空を鑑賞しに来よう」とメモリーしておいて、長野県を後にしました。愛知県の自宅へ向かうばにらさんとも別れ、筆者は東名高速道路で東京へ。今回も、e仲間とのランデブーをたっぷり楽しめました。
最後に長野編の充電記録です。
白馬村で開催されるジャパンEVラリー白馬には6年連続で参加中。東京―白馬は片道約300km。EVに乗り始めたばかりの2021年は、チャレンジ感覚でしたが、慣れるとバッテリー容量35.5kWhのHonda eでも遠くは感じません。1~2回充電すればいいだけ、という感覚です。
ただ、ホンダ純正の充電カードが2025年3月末でサービス終了して以来、ビジター利用が割高なSAPAのイーモビ(e-Mobility Power)をなるべく使わないようにしているので、充電旅としては難易度が増しています。今回もSAPAでの充電は9回のうち1回だけでした。
たとえば初日は関越道の嵐山PAや上里SAは使わず、高崎ICで降りて高崎市のコメダ珈琲店にあるフラッシュ(FLASH)でチャージ。そこからは高速に乗ることなく国道18号で長野県に入り、軽井沢書店のパワーエックス(Power X)でちょい足し、長野市内の中古車販売店のフラッシュでSOC80%近くまで上げておいてから白馬入りしました。もちろんタイパを考えれば高速道路ですけれど、のんびり旅ならコスパ重視のルート設定もできます。
でも、必要な時は充電器の種類は気にしません。道の駅白馬(eMP)で30分フルに充電もしています。EV3台でのランデブー走行に備えて、なるべくSOC(充電量)を上げておきたかったからです。最後の充電になった東名高速・富士川SAもeMPですが、早めに帰宅したかったので、楽なルートを選びました。みなさんもうまく使い分けてくださいね。
それにしても、往復のアプローチ累計が1259km(千葉県は除く)に到達。今回の長野県内周遊(838km)より長くなってしまいました。みだれ打ちは、空いた時間にひょいと旅に出られますが、効率はあまり良くありません。複数の県を一気に回ることなどを考えた方が良さそうです。さて、次はどこへ行きましょうか。
みだれ打ち日本一周の記録⑥
<充電スポット>
【23】コメダ珈琲店高崎飯塚店/19%→82%(30分)
【24】軽井沢書店/45%→70%(15分)
【25】KRUCOCO/47%→79%(21分)
【26】白馬村役場/38%→76%(20分)
【27】道の駅白馬/32%→86%(30分)
【28】信州健康ランド/9%→97%(10時間)
【29】エコカーショップノーツ/45%→85%(30分)
【30】浪合パーク/16%→76%(30分)
【31】富士川SA/24%→78%(30分)
<走行距離>
長野編:838km / 合計:2914km(10日間)+ アプローチ 1259km
<長野編の平均電費>
9.0km/kWh
<長野県の走行ルート>
取材・文/篠原知存
