
伝統の白黒横ジャージをまとい15人がグラウンドに立つ。大分上野丘が全国高校ラグビー大会県予選(花園予選)に2年ぶりの単独チームで出場する。登録選手はちょうど15人。控え選手はいない。それでも学業に専念するため一度は引退した3年生8人が全員復帰し、再び仲間と肩を並べることになった。18日の初戦で待ち受けるのは、昨年度まで同校を指導した白石欣基監督率いる大分工業。恩師との対戦という特別な舞台が、選手たちを待っている。
近年は部員不足で15人制の単独チームを組むことが難しい状況だった。昨年の花園予選と今年の県高校新人大会は大分雄城台高校と合同チームで臨んだ。県高校総体では大分雄城台、臼杵、津久見、海洋科学との5校合同チームで3位に入った。合同チームで経験を積む一方で母校のジャージを着た仲間だけで戦う機会は限られていた。
単独チームで出場する大分上野丘
転機となったのは県高校総体後だった。3年生8人が学業に専念するため引退し、残された1、2年生はわずか7人。単独出場が難しくなる中、本年度から母校の指揮を執る杉本圭監督が3年生に復帰を打診した。杉本監督の熱意は選手たちに伝わった。「杉本先生の思いに応えよう」。8人の気持ちは一つになり、夏休みの終わりに全員が練習に戻ってきた。
チームの中心となるのは、今夏のコベルコカップ全国高校合同チーム大会でU18九州代表に選ばれたバックスの馬越脇優翔と藤本健太郎、ナンバー8の薬師寺悠生の3年生の3人。経験豊富な上級生が攻守を支え、下級生が懸命に食らいつく。交代要員がいないだけに、一人一人が最後まで走り抜くことが求められる。
復帰した3年生8人
前キャプテンの馬越脇は「改めてラグビーの面白さを感じている。最後まで足を止めず、自分たちがやるべきことを遂行する。2年時まで指導してくれた白石先生に成長した姿を見せることで恩返ししたい」と誓う。新キャプテンの柴田幸刻(2年)は「連携のある単独チームで臨めるし、経験のある3年生の復帰で団結力も高まった。大分上野丘の名前を背負い、気合が入る」と話す。
目標は初戦突破。決して選手層が厚いわけではなく、厳しい戦いが予想される。それでも、再び集まった15人には、同じジャージで戦える喜びがある。3年生にとっては高校生活最後の公式戦となる。かつての恩師が率いる相手に、どこまで成長した姿を見せられるか。15人全員でボールをつなぎ、最後の笛が鳴るまで走り続ける。 (坂本陽子)
