起立木工の歴代の椅子や貴重な試作品を通して約400年にわたる木工技術の継承をたどる

静岡市の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」で、静岡家具の歴史と現代のものづくりを紹介する「WAZA+展 ― 静岡で受け継がれてきた技術と、いまの家具 ―」が2026年11月5日(木)から11月16日(月)まで開催される。起立木工が企画・出展する本展では、静岡家具の歴史をたどる資料をはじめ、歴代の椅子、製品化前の部材、模型や試作品、加工・仕上げの工程などを展示。現在の工芸作品と家具を組み合わせながら、静岡で受け継がれてきた技術が現代の家具づくりや暮らしにどのようにつながっているかを紹介する。adf-web-magazine-waza-1

約400年にわたり受け継がれてきた静岡の木工技術

静岡では1634年の静岡浅間神社造営をきっかけに、木工、漆工、彫刻などの職人が駿府に集まった。その技術は漆器や鏡台などへと形を変えながら、現在の家具づくりへと受け継がれている。本展では、約400年にわたり産地に蓄積されてきた歴史と、一脚の椅子が完成するまでの制作工程という二つの側面から、静岡の家具づくりを支える「技」に焦点を当てる。展覧会名の「WAZA+」は、静岡に積み重ねられてきた技術と、現在の家具づくりをつなぐ言葉である。伝統的な手仕事だけでなく、機械加工、仕上げ、設計、素材を見極める職人の判断など、家具が形になるまでに必要な多様な技術を表している。

起立木工の歴代の椅子と試作品を展示

会場では、起立木工が手がけてきた歴代の椅子をはじめ、完成品になる前の部材や模型、試作品などを紹介する。また、加工や仕上げの工程を取り上げ、完成した家具だけでは見えにくい制作の背景にある技術や時間を伝える。さらに、現在の工芸作品と家具を組み合わせた展示を通じて、伝統技法が現代の家具や生活空間にどのように生かされているのかを紹介する。歴史的な背景と実際の制作工程の両面から、静岡家具を捉え直す機会となる。

伝統工芸の継承を目指す駿府の工房 匠宿

会場となる「駿府の工房 匠宿」は、1999年4月に開業した静岡市の伝統工芸体験施設。2021年から建築設計業を手がける創造舎が指定管理者となり、「歴史と未来を結ぶ場所」をコンセプトにリニューアルした。施設内には駿河竹千筋細工、陶芸、藍染、お茶染め、木工指物、漆などを体験できる工房を設置。第一線で活動する職人を工房長として迎え、伝統技術に触れる機会を提供している。また、和菓子店「蓬きんつば ときや」やカフェ「HACHI & MITSU」を併設し、工芸体験に加えて飲食や買い物を楽しめる複合施設として運営している。周辺地域では、古民家を改修した宿泊施設「工芸ノ宿 和楽」、愛犬と宿泊できる「1HOTEL」、木材を活用した入浴・サウナ施設「ふきさらし湯」なども展開。既存建築を活用した地域づくりを進めている。同施設は、静岡市駿河区丸子泉ケ谷地区を、100年先の未来にも手仕事とその担い手をつなぐ拠点とすることを目指している。adf-web-magazine-waza-2

「WAZA+展 ― 静岡で受け継がれてきた技術と、いまの家具 ―」開催概要

会期2026年11月5日(木)から11月16日(月)まで時間9:30〜17:30会場駿府の工房 匠宿内 匠宿伝統工芸館URLhttps://takumishuku.jp/

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