記者団と話すトランプ米大統領(c)Reuters/news1

記者団と話すトランプ米大統領(c)Reuters/news1

【10月13日 KOREA WAVE】米中間選挙が約3週間後に迫るなか、韓国と米国の安全保障協議が停滞している。トランプ政権が選挙対応に集中するため、原子力潜水艦導入などの敏感な懸案は、選挙前の協議再開が難しいとみられる。冷え込んだ関係を立て直す機会として注目されるのが、11月に開催される見通しの韓米安保協議会(SCM)だ。

両国は9月末、テキサス州のガス火力発電所建設を対米投資の第1号事業に決めた。しかし、その直後、米国側の不信感からイ・ジョンソク(李鍾奭)国家情報院長の3月の米情報機関訪問・面談が実現しなかったとの疑惑が浮上。情報当局間の不協和音をめぐる論争で、関係改善への期待に水が差された。

国家情報院は、一時的な誤解はすでに解消され、韓米関係に問題はないと繰り返し説明している。一方、韓国政府が期待していた原潜導入や原子力協定改定に向けた協議は、米国側の反応がなく、再開に至っていない。

トランプ大統領は選挙を前に、韓国企業の対米投資を自身の経済政策の成果として強調している。両国間で合意していないアラスカの液化天然ガス(LNG)事業への韓国の投資まで確定事項として発表した背景には、共和党上院議員の再選を後押しする狙いがあるとの見方が出ている。

外交面では、選挙への悪影響を抑える姿勢が目立つ。トランプ大統領は中間選挙前にはイランを攻撃しないと発言し、ロシアとウクライナがエネルギー施設への攻撃停止で合意したとも表明した。ただ、ウクライナのゼレンスキー大統領は「初めて聞く内容だ」と述べており、専門家は選挙を意識した発言と分析している。

選挙結果にかかわらず、韓国への投資圧力が続く可能性もある。トランプ大統領が善戦すれば政策の正当性を強調し、敗北すれば支持層の結集を図るため、さらなる投資を求めるとの見方だ。

慶熙大学のソ・ジョンゴン教授は「韓米同盟という枠組みのもとで、協力が自然に進むと期待できる時代は過ぎた」と指摘し、案件ごとに米国と接触して韓国の立場を説明する必要性を強調した。

投資の迅速な履行で協議の環境を整えるべきだとの意見もあるが、それが安保協力の進展につながる保証はない。両国は2025年11月、原潜建造に必要な核燃料の調達や、韓国のウラン濃縮・使用済み核燃料再処理の権限拡大に向けた協力で合意したものの、後続協議の開始は2026年6月までずれ込んだ。

こうしたなか、SCM開催に向けた国防当局間の実務協議が始まった。SCMでは、韓国が重視する戦時作戦統制権の移管に加え、米国が関心を寄せる在韓米軍の近代化や「戦略的柔軟性」も議題となる見通しだ。

米国は2026年の国家防衛戦略で、韓国が米国の「重要だが、より限定的な」支援のもと、北朝鮮抑止の主な責任を担えると評価した。戦時作戦統制権の移管は、在韓米軍が朝鮮半島以外の北東アジアや太平洋の安全保障問題に関与する余地を広げるため、米国にも協議を進める動機がある。

韓国政府は今回のSCMで移管の目標年をまとめ、両国大統領に提案することを目指している。統制権移管と同盟の役割調整で接点を見いだせれば、ほかの安保協議にも弾みがつく可能性がある。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News

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