大阪中之島美術館(大阪市北区)が2027年度の展覧会スケジュールを発表しました。
2027年度は、「つくる女性の100年」「テート美術館 ターナー展——崇高の絵画、現代美術との対話」「開館5周年記念特別展 大阪中之島美術館オールスターズ☆それをまとめて見たかったです!」「生誕130年 山名文夫 つかまえてはなさないデザイン」「生誕120年 東山魁夷展」「ウィーン工房」「竹久夢二 時代を創る表現者」と、全部で7つの展覧会が予定されています。
女性の表現者の歩みから英国絵画、日本画、近現代美術、デザインまで、多彩なラインナップがそろいました。そこで、ここまで判明した各展覧会の概要について、それぞれまとめました。
大阪中之島美術館
所在地:大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4-3-1)
開館時間:火~日曜日 10:00~17:00(入場は16:30まで)
※展覧会により異なる
休館日:月曜日
※展覧会により異なる
※メンテナンスや展示替え作業等で臨時休館する場合あり
観覧料:展覧会により異なる
※詳しくは各展覧会ページを要参照
アクセス:
京阪中之島線「渡辺橋駅」より徒歩約5分
Osaka Metro四つ橋線「肥後橋駅」より徒歩約10分
JR大阪環状線「福島駅」/JR東西線「新福島駅」より徒歩約10分
詳細は、大阪中之島美術館公式サイトまで。
つくる女性の100年
2027年1月9日~3月22日
女性の表現者たちのおよそ100年の歩みをたどる展覧会です。道を切りひらいた作家から現代を生きる作家まで、教育環境や表現手段、ライフスタイル等の変化に注目しつつ、幅広く紹介されます。表現方法や制作背景はそれぞれに異なりますが、手を動かし思考を重ね、何かを生み出す姿勢は、誰しもに共通して見出すことができます。本展は、女性のみならず現代を生きるすべての人々に、創造力と表現する勇気を示してくれることでしょう。
由里本景子《望遠鏡》1940年 京都市美術館 ※半期展示
山沢栄子《What I Am Doing No.1》1976/1986年 大阪中之島美術館 © YAMAZAWA Eiko
宮脇綾子《アネモネ》1969年 豊田市美術館
テート美術館 ターナー展——崇高の絵画、現代美術との対話
3月13日~6月27日
英国絵画史上、もっとも偉大な画家、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775–1851年)。絵画史に新地平を切り拓いたターナーは、移ろう光や大気をはじめとする世界のありようを、ときに克明に、ときに抽象化して描きだしました。彼の作品は、見る者に自然の「崇高」を経験させるものとして高く評価されてきました。本展は、世界最大のターナー・コレクションを誇るロンドンのテート美術館が所蔵する油彩・水彩画など80点以上を紹介する、待望の回顧展です。本展では、ターナーの作品群がテーマごとに再編され、ゆるやかな時系列に沿って展示されます。さらに、ターナーの絵画と現代美術を併置して対話させ、この巨匠の問題意識が後世のアーティストたちの関心と響きあうことに眼を向けます。
J.M.W. ターナー《捕鯨船エレバス号に万歳! もう一頭獲ったぞ!》1846年展示 テート美術館 Photo: Tate
J.M.W. ターナー《グリゾン州の雪崩》1810年展示 テート美術館 Photo: Tate
J.M.W. ターナー《ヴェネツィア――サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂》1844年展示 テート美術館 Photo: Tate
開館5周年記念特別展 大阪中之島美術館オールスターズ☆それをまとめて見たかったです!
4月10日~7月19日
大阪中之島美術館は、2022年2月、「さまざまな人と活動が交錯する都市のような美術館」のコンセプトのもと、大阪の中心部、江戸時代には藩邸や蔵屋敷が建ち並んだ地・中之島に開館しました。そのコレクションは、海外の近現代絵画、日本の洋画、日本画、現代美術、版画、写真、彫刻、デザインなどの領域に渡り、総数は約7000点に及びます。19世紀後半から今日に至る日本と海外の代表的な美術作品を核としながら、大阪で繰り広げられた豊かな芸術活動にも目を向けた、屈指のコレクションです。
本展は、大阪中之島美術館のコレクションから、選りすぐりの美術作品が披露されます。モディリアーニ、ボッチョーニ、マグリット、佐伯祐三、菅楯彦、吉原治良など、国内外で高く評価される作品のラインナップはさながら「オールスター」。それぞれの作品の魅力を深堀した展示内容となります。
アメデオ・モディリアーニ《髪をほどいた横たわる裸婦》1917年 大阪中之島美術館
佐伯祐三《プティ・レストラン》1927年 大阪中之島美術館
菅楯彦《夏祭枕太鼓(浪速風俗十二図)》1962年(昭和37) 大阪中之島美術館
生誕130年 山名文夫 つかまえてはなさないデザイン
7月15日~9月26日

大正から昭和にかけて活躍したデザイナー・山名文夫(1897–1980年)。最も広く知られているのは資生堂在籍時代に手掛けた細く滑らかな線描によるデザインといえるでしょう。本展では、資生堂時代の活動に加え、大阪の出版社・プラトン社で手掛けた雑誌のイラストレーション、スーパーマーケット・紀ノ国屋のシンボルマークやロゴタイプのデザインなど、多岐にわたった山名の活動と作品が、仕事の性質・特徴により分類して紹介されます。さらに、同時代に活躍したデザイナーとの交流や彼らによる作品をあわせて検証することで、山名が生きたデザイン界の様相も明らかにされます。関西初となる大規模回顧展です。
山名文夫《紀ノ国屋 ショッピングバッグ》1974年
生誕120年 東山魁夷展
10月9日~12月12日
情感にみちた静謐な風景画により、戦後を代表する国民的日本画家と謳われてきた東山魁夷(1908–1999年)。東山の風景画の大きな特色は、初期の代表作《道》(1950年)が早くも示したように、平明な構図と澄んだ色彩にあります。日本のみならず、ヨーロッパを旅して研鑽を積んだ東山は、装飾性を帯びた構図においても自然らしさを失わず、青が印象的な澄んだ色彩の力も駆使し、見る者の感情とも響きあう独自の心象風景を探求し続けました。
東山の生誕120年を迎えるにあたり開催する本展では、東山の画業を代表作でたどるとともに、20世紀とともに生きた東山の創作の全貌が紹介されます。
ウィーン工房
10月9日~2028年1月10日
「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」と謳い結成されたウィーン分離派。その総合芸術の精神のもと、ウィーン工房は芸術と手工業を結ぶ協働体として設立されました。本展は、ウィーン工房の活動や成果、そして盛衰を、「第8回ウィーン分離派展」等きっかけとなる6つの展覧会を軸に紹介されます。英国のアーツ・アンド・クラフツ運動の思想を吸収し、芸術家と職人が肩を並べて共に新たな「芸術生活」の理想を追求する一方で、欧州他国に後れを取るデザイン力を引き上げ、競争力をもつブランド確立という現実的な目的に向かったウィーン工房。創設者のひとり、ヨーゼフ・ホフマンに師事した女性デザイナーたちが、第一次世界大戦を契機に主軸として活躍したことも大きな特長です。ウィーン工房が設立されてから125年。その全容と本質に光をあて、従来のウィーン工房に対する理解やイメージを更新する試みです。
上野リチ=リックス《ウィーン工房テキスタイル「朝露」デザイン下図》部分 1927年頃
カール・オットー・チェシュカ(装丁)《キャバレー〈フレーダーマウス〉上演本 第1巻》1907年
ヨーゼフ・ホフマン《コーヒーサービス》1910年頃
竹久夢二 時代を創る表現者
2028年1月29日~4月9日
竹久夢二(1884–1934年)は、画家、詩人、ジャーナリスト、デザイナー、イラストレーターなど、いくつもの顔をもつ表現者として、明治の終わりから昭和のはじめにかけて活躍しました。「夢二式」と呼ばれた女性像で人気を博したほか、日用雑貨や衣服のデザイン、本や雑誌作り、流行歌の作詞といった時代をリードする仕事により、続く世代にも大きな影響を与えています。その幅広い活動はまさに、クリエイターの先駆けといえるでしょう。本展では、夢二の最高傑作として名高い《黒船屋》をはじめ、日本画、版画、スケッチ、多種多様なデザインなど、全国の夢二コレクションから約500点の作品や資料を集め、彼の比類ない仕事に迫ります。
竹久夢二《黒船屋》1919(大正8)年 竹久夢二伊香保記念館
Osaka Directory Supported by RICHARD MILLE
5年目となる2026年度は、橘 葉月(2000年、大阪府生まれ、滋賀県在住)、迫 鉄平(1988年、大阪府生まれ、神奈川県在住)、乾 真裕子(1997年、大阪府生まれ、大阪府在住)の3名が取り上げられます。各展覧会の詳細については、それぞれ開催の約2カ月前に告知されます。
Osaka Directory 13 Supported by RICHARD MILLE 橘 葉月
2026年11月14日(土)~12月13日(日)
橘 葉月《私はここにいて、同じ窓を見ている》2025年
Osaka Directory 14 Supported by RICHARD MILLE 迫 鉄平
2026年12月19日(土)~2027年1月17日(日)
迫 鉄平《2024年9月24日、上人ヶ浜公園/劇場》2025年
Osaka Directory 15 Supported by RICHARD MILLE 乾 真裕子
2027年1月23日(土)~2月21日(日)
乾 真裕子《月へは帰らない》2020年
2027年度の大阪中之島美術館では、近代から現代へと続く女性の表現者の歩みをたどる展覧会を皮切りに、ターナーの絵画と現代美術を対話させる待望の回顧展、開館5周年を祝うコレクション展が続きます。夏には山名文夫のデザインを関西初の大規模回顧展で紹介し、秋以降は東山魁夷の静謐な心象風景と、芸術と手工業を結んだウィーン工房の全容に迫ります。年度の締めくくりには、日本画や版画、デザインなど約500点の作品・資料を通して、竹久夢二の多面的な仕事を展観。絵画、日本画、現代美術、デザインと、多様な領域を横断する充実のラインナップです。今後発表される展覧会にも注目しながら、年間を通して足を運びたい美術館です。中之島の地で、それぞれの時代を切り拓いた表現者たちの創造力に触れてみてはいかがでしょうか。(美術展ナビ)
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