STホテルグループとは|信州綜合開発観光の6県15施設一覧・客室数・価格帯【2026年10月】

「STホテルグループ」は、長野県茅野市に本社を置く信州綜合開発観光株式会社(1965年設立)が公式サイトで用いるグループホテルの総称である。同社のグループサイト「ST-GROUP」は2026年10月6日時点で長野・神奈川・山梨・宮城・山形・広島の6県15施設をカード掲載し、客室数が公表されている12施設の合計は901室、同じ12施設の収容人数の合計は3,204人にのぼる。本稿では公式サイトの記載範囲で「STホテルグループとは何か」に答えたうえで、施設一覧・立地の型・各施設が立つ市町村の価格帯を一枚で確認できるように整理し、団体・合宿・研修需要を受ける既存大型施設の運営という視点で投資家・運営者が読み取れる点をまとめる。

本記事における指標の定義

ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
掲載価格(全プラン平均):OTA等で公開されている全プランの販売価格の平均値(2名1室利用時・1室あたり・税込)。掲載価格(最安プラン)は日次の最安プラン価格の月内平均。いずれも成約価格ではなく公開価格の水準を示す。
客室数・収容人数:信州綜合開発観光のグループサイト「ST-GROUP」各施設ページの「DATA」欄、または各施設の公式サイトの記載値(2026年10月6日確認)。
データ出典:メトロエンジンリサーチ(価格)、信州綜合開発観光株式会社 公式サイト(施設情報)

Key Takeaways

— 6県15施設:グループサイト「ST-GROUP」の「グループ施設一覧」ページのカード数(2026年10月6日確認)。別ページに載る下関大坂屋ホテルを加えると7県16施設。
— 公表客室901室・収容3,204人:客室数を公表する12施設の合計。下関大坂屋ホテル(88室)を含めると989室。
— 客室の中心は2つの大型施設:富士山リゾートホテル225室とグリーングリーン206室。高原・温泉地・研修団体の3系統は各281〜292室で並び、駅前ビジネスは129室。
— 市町村の推定成約ADRは三層:2026年4〜9月平均で湯河原町¥18,500・富士河口湖町¥17,400が上位、三原市¥5,800が下位。拠点の茅野市は¥13,100で前年同期比+9.2%。
— 公式サイトで確認できない点:名乗る主体は信州綜合開発観光株式会社(1965年設立)だが、「ST」の由来と各施設の所有・運営・提携の別は記載がない。

STホテルグループとは — 公式サイトに書かれている範囲で答える

まず主体から押さえたい。信州綜合開発観光株式会社の企業情報ページによると、同社は1965年3月18日設立、代表取締役は谷口健一氏、事業内容は旅館・ホテル・不動産事業・リゾート開発事業で、所在地は長野県茅野市北山3413である。車山高原スカイパークリゾート(スキー場)と車山高原スカイパークホテルの運営会社として知られ、同ページは「運営施設/グループ施設」として車山高原スカイパークホテル・富士山リゾートホテル・ザ リトリートメント湯河原・VANスクエアガーデン・草湯温泉 冠着荘・湘南リリーフ・華夕美日本海・車山ハイランドホテルなどを列挙している。ただし、どの施設が自社運営でどの施設がグループ施設なのかの区別は、同ページには書かれていない。

「STホテルグループ」という名称が登場するのは、同社が運営するグループサイト「ST-GROUP」(kurumayama.co.jp/stg/)と各施設の公式サイトである。ST-GROUPは「長野県を中心に広がる、癒しと特別な時間をお届けするグループホテル」と自己紹介し、その「グループ施設一覧」ページ(kurumayama.co.jp/stg/group/)は2026年10月6日時点で県ラベル付きの施設カードを15枚掲載していた。内訳は長野9・神奈川2・山梨1・宮城1・山形1・広島1で、2026年9月30日に数えたときと同じ構成である。一方、富士山リゾートホテルの公式サイト「ホテル概要」は「- STホテルグループ -」の見出しの下に車山高原の4コンテンツとグループホテル10軒を掲載し、そこには「グループ施設一覧」ページのカードに無い「下関大坂屋ホテル(山口県下関市)」が含まれる。下関大坂屋ホテルはST-GROUPのサイト内にも施設ページがあり、サイトのトップページ(kurumayama.co.jp/stg/)には山口県のラベル付きでカード掲載されているが、「グループ施設一覧」ページの15枚には入っていない。さらにトップページとメニューには女神湖山荘・車山高原ホテル・ペンション5軒も並んでおり、ページごとに掲載施設が異なるのが実態である。本稿の「15施設」は「グループ施設一覧」ページのカード数、「16施設」は下関大坂屋ホテルを加えた数と読み分けていただきたい。

対外的な動きとして公式に確認できるのは、2023年4月13日付で車山高原スカイパークホテルの公式サイトが告知した株式会社マックアースとの包括業務提携の基本合意である。同ページに添付された2023年4月11日付の案内文書によると、提携の目的は「スキー場やホテル業務の販路の開拓・拡大」であり、両社の販路の相互活用、原価低減・経費削減、相互の特色を生かしたサービス提供を挙げている。マックアース側の概要として、スキー場15か所・ホテル15か所・グリーンリゾート6か所などを運営する事業者であることも同文書に記載がある。それ以上の具体的な提携内容は、本稿執筆時点で一次資料から確認できなかった。

施設一覧 — 6県15施設+1施設の立地・業態・客室数

以下はST-GROUP「グループ施設一覧」ページのカード15施設に、同ページには無くトップページと富士山リゾートホテル公式サイトのグループ一覧に載る下関大坂屋ホテルを加えた16施設の一覧である。客室数と収容人数はグループサイトの各施設ページ「DATA」欄の記載をそのまま採った(華夕美日本海の42室はホテル公式サイトの施設案内とも一致する)。なお車山高原スカイパークホテルはグループサイトが「153室(スタンダードツイン64・デラックスツイン4・スイート1、和洋室84)」、ホテル公式サイトの客室概要が「総部屋数157室」と、公式記載どうしで4室の差がある。本稿の合計はグループサイト側の153室で計算している。

STホテルグループの施設一覧(16施設・公式サイト記載、2026年10月6日確認)
#施設名県市町村(エリア)業態・特徴客室数収容人数客室数の出典
1車山高原スカイパークホテル長野県茅野市(車山高原)高原リゾートホテル153室672人グループサイト施設ページ(ホテル公式サイト「客室概要」は157室)2車山高原スカイパークリゾート長野県茅野市(車山高原)スキー場・夏山リフト(宿泊施設ではない)—飲食600人グループサイト施設ページ3車山ハイランドホテル長野県茅野市(車山高原)高原ホテル(体育館・コンベンションホール・会議室9室)60室宿泊153人グループサイト施設ページ4蓼科パークホテル長野県茅野市(蓼科中央高原)高原リゾートホテル41室200人グループサイト施設ページ5塵表閣長野県山ノ内町(上林温泉)旅館(明治創業)6室21人グループサイト施設ページ6VANスクエアガーデン長野県上田市(菅平高原)高原ホテル(グラウンド2面・多目的ホール)38室180人グループサイト施設ページ7冠着荘長野県筑北村(草湯温泉)温泉宿(研修室・大広間)18室110人グループサイト施設ページ(和室14・洋室2・大広間1・中広間1)8車山スカイマウンテンロッジ長野県茅野市(車山高原)一棟貸しコテージ1棟10人グループサイト施設ページ9車山キャンプスカイフィールド長野県茅野市(車山高原)オートキャンプ場11サイト—グループサイト施設ページ10ザ リトリートメント湯河原神奈川県湯河原町(吉浜)旅館(美食宿・会議室)9室30人グループサイト施設ページ11湘南リリーフ神奈川県横須賀市(湘南国際村)研修・合宿対応ホテル62室(うち和室4)98人グループサイト施設ページ12富士山リゾートホテル山梨県富士河口湖町(船津)団体・合宿対応ホテル225室413人グループサイト施設ページ13La楽リゾートホテル グリーングリーン宮城県仙台市青葉区(作並温泉)リゾートホテル(ファンタジーホール・会議室)206室1,000人グループサイト施設ページ14華夕美日本海山形県鶴岡市(湯野浜)温泉リゾートホテル42室254人グループサイト施設ページ(ホテル公式サイト「施設案内」も42室)15ホテルヤッサ広島県三原市(JR三原駅前)ビジネスホテル41室73人グループサイト施設ページ※下関大坂屋ホテル山口県下関市(下関駅近く)ビジネスホテル(公式サイトは「リブランドオープン」と案内)88室137人グループサイト施設ページ・富士山リゾートホテル「グループ施設」ページ

出典:信州綜合開発観光株式会社 グループサイト「ST-GROUP」各施設ページ、富士山リゾートホテル「ホテル概要」、華夕美日本海「施設案内」、下関大坂屋ホテル公式サイト(いずれも2026年10月6日確認)よりホテルバンク編集部作成。※はST-GROUP「グループ施設一覧」ページのカードに無い施設(同サイトのトップページと富士山リゾートホテル公式サイトのグループ一覧に掲載)

地図に落とすと、長野県茅野市の車山高原・蓼科に拠点が集中し、そこから北信(山ノ内町)、中信(筑北村)、東信(上田市菅平)、首都圏近郊(湯河原・横須賀・河口湖)、東北日本海側と仙台(鶴岡・作並)、山陽(三原・下関)へ点在する構図が見える。VANスクエアガーデンとザ リトリートメント湯河原は公式サイト記載の住所に基づく概略位置で示している。

出典:施設位置はメトロエンジンリサーチ集計データおよび公式サイト記載の住所(2施設は住所に基づく概略位置)、客室数は信州綜合開発観光 公式サイト

立地の型で見る客室規模 — 高原・温泉地・研修団体・駅前の4系統

16施設を立地の型で分けると、高原リゾート(茅野市の車山高原・蓼科、上田市の菅平高原)、温泉地(上林・草湯・湯河原・作並・湯野浜)、研修・団体対応の立地(湘南国際村、河口湖IC至近)、駅前ビジネス(JR三原駅前、下関駅近く)の4系統に整理できる。客室数で見ると高原リゾート4施設で292室、温泉地5施設で281室、研修・団体対応2施設で287室、駅前ビジネス2施設で129室と、高原・温泉地・研修団体の3系統がほぼ同規模で並び、駅前ビジネスはその半分以下にとどまる。グループ全体の客室の中心は茅野市の高原ではなく、225室の富士山リゾートホテルと206室のグリーングリーンという2つの大型施設にあることが読み取れる。

出典:信州綜合開発観光株式会社 公式サイト(グループサイト各施設ページ「DATA」欄・2026年10月6日確認)よりホテルバンク編集部作成。N=客室数公表13施設

型ごとの性格も公式記載から読める。高原リゾート系の車山ハイランドホテルは体育館・アリーナ、コンベンションホール(350人)、セミナールーム9室を備え、大型バス20台の駐車区画を持つ。VANスクエアガーデンはグラウンド2面と多目的ホール、団体収容200名をうたう。温泉地系は6室の塵表閣から206室のグリーングリーンまで幅が広く、後者はファンタジーホールやボウリング、プールサイドパブといった館内娯楽を揃えた「室内テーマパーク」型で、収容1,000人・大型バス7〜8台の規模である。研修・団体対応の湘南リリーフは企業研修向け施設と貸会議室を、富士山リゾートホテルは収容413人・普通車140台・団体食事会場170名を公表している。駅前ビジネスのホテルヤッサ(41室)と下関大坂屋ホテル(88室)は、グループの中では唯一の都市型単独ユースの立地といえる。下関を含む山口県内の価格層の構造は、山口県の宿泊市場を4層で読むが下関・湯田温泉・岩国・秋吉台/長門湯本の4層に分けて整理している。

各施設が立つ市町村の価格帯 — 推定成約ADRと前年同期比

価格帯は施設単位ではなく、各施設が立つ市町村単位の集計で示す。2026年4〜9月の6ヶ月について、メトロエンジンリサーチの市町村別ADR(推定成約ADR・各月の中央値を単純平均)と、前年同期(2025年4〜9月)との比較を並べた。冠着荘が立つ筑北村は集計対象施設が少なく市町村単位の値を示せないため、対象は10市町村である。10市町村のうち前年同期比プラスは茅野市(+9.2%)、三原市(+7.0%)、仙台市青葉区(+6.7%)、下関市(+3.3%)、鶴岡市(+2.6%)の5市区で、湯河原町(−6.1%)と富士河口湖町(−4.7%)は前年同期を下回った。山ノ内町・上田市・横須賀市は±2%以内の横ばい圏にある。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年4〜9月の月次ADRの平均、N=各市町村の集計対象施設数は下表参照)

グループ施設が立つ10市町村の推定成約ADRと前年同期比(2026年4〜9月平均)
県市町村該当するグループ施設ADR 2026年4〜9月前年同期比掲載価格(全プラン平均)N(ADR対象施設)
長野県茅野市スカイパークホテル/ハイランドホテル/蓼科パークホテル ほか¥13,060+9.2%¥28,42037〜38長野県山ノ内町塵表閣¥11,478-0.5%¥29,47289〜110長野県上田市VANスクエアガーデン¥8,901-1.8%¥23,45041〜43神奈川県湯河原町ザ リトリートメント湯河原¥18,455-6.1%¥40,26755〜59神奈川県横須賀市湘南リリーフ¥11,669-1.3%¥41,55317〜17山梨県富士河口湖町富士山リゾートホテル¥17,417-4.7%¥38,30371〜73宮城県(仙台市)青葉区グリーングリーン¥10,249+6.7%¥18,25171〜73山形県鶴岡市華夕美日本海¥9,476+2.6%¥26,80146〜48広島県三原市ホテルヤッサ¥5,767+7.0%¥15,78217〜18山口県下関市下関大坂屋ホテル¥9,141+3.3%¥27,07340〜43

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。ADR=推定成約ADR(税抜相当)、掲載価格=2名1室・税込・全プラン平均。いずれも2026年4〜9月の月次値の単純平均。Nは月ごとの集計対象施設数の範囲

水準で見ると、グループ施設が立つ市町村は大きく三層に分かれる。湯河原町(¥18,500)と富士河口湖町(¥17,400)は首都圏からの観光需要を受ける1.7〜1.9万円帯、茅野市(¥13,100)・山ノ内町(¥11,500)・横須賀市(¥11,700)・仙台市青葉区(¥10,200)は1.0〜1.3万円帯、上田市(¥8,900)・鶴岡市(¥9,500)・下関市(¥9,100)・三原市(¥5,800)は1万円未満の帯である。グループの客室が多い富士河口湖町と仙台市青葉区は、この三層の上位と中位にそれぞれ位置する。

拠点である茅野市の月次推移を前年と重ねると、季節性と前年比の両方が見える。前年同月と比較できる2026年4〜9月は6ヶ月すべてで前年同月を上回り、8月は¥15,200(前年同月比+1.6%)、9月は¥13,100(同+6.6%)だった。なかでも7月は¥13,700と前年同月の¥11,500から+18.7%で、夏山シーズンの単価の立ち上がりが前年より早かったと読める。2026年1〜3月は前年の同月データが集計範囲外のため、チャート上では水準のみを示している。県全体の業態別の月次前年比は、長野県の旅館・リゾートホテルの確定ADR前年比が旅館・リゾートホテル別に追っている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(長野県茅野市・推定成約ADR・月次、N=37〜41施設)

施設別の掲載価格 — 観測件数が揃う6施設のみ

施設単位の価格は、当社の過去6ヶ月(2026年4月9日〜10月6日)の観測件数が100件以上ある6施設についてのみ、掲載価格(2名1室・税込)の全プラン平均と最安プランの水準を示す。富士山リゾートホテル(観測7件)と下関大坂屋ホテル(同27件)は件数が少なく、車山ハイランドホテル・塵表閣・冠着荘は同期間の観測が無いため数値を掲載しない。比較対象として、同じ基準(全プラン平均・税込)で集計した各市町村の掲載価格を併記した。

施設別の掲載価格(観測件数100件以上の6施設、2026年4〜9月平均・2名1室・税込)
施設市町村掲載価格(全プラン平均)掲載価格(最安プラン)市町村の掲載価格(全プラン平均)観測日数
車山高原スカイパークホテル茅野市¥40,015¥18,243¥28,420183日蓼科パークホテル茅野市¥33,445¥17,615¥28,420161日La楽リゾートホテル グリーングリーン青葉区¥36,075¥19,749¥18,251183日華夕美日本海鶴岡市¥35,618¥23,073¥26,801183日湘南リリーフ横須賀市¥22,756¥16,966¥41,553164日ホテルヤッサ三原市¥15,135¥9,746¥15,782183日

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。2026年4〜9月の月次掲載価格の単純平均(2名1室・税込)。観測日数は同期間に価格を観測した日数の合計

高原・温泉地のリゾート型4施設(スカイパークホテル・蓼科パークホテル・グリーングリーン・華夕美日本海)は全プラン平均が¥33,400〜¥40,000、最安プランが¥17,600〜¥23,100の帯に収まり、食事付きプランを中心とした価格構成が共通している。車山高原スカイパークホテルの全プラン平均¥40,000は茅野市の掲載価格平均¥28,400を上回り、同じ茅野市の蓼科パークホテル(¥33,400)も市の平均より高い位置にある。研修・合宿対応の湘南リリーフ(全プラン平均¥22,800、最安¥17,000)と駅前ビジネスのホテルヤッサ(同¥15,100、¥9,700)は、それぞれ用途に合わせた価格帯で、ホテルヤッサは三原市の掲載価格平均¥15,800とほぼ同水準にある。

B2B読者が読み取れること — 団体・合宿・研修を受ける既存大型施設の運営

投資家・運営者の視点でこのグループを見ると、特徴は「新築ではなく、団体受け入れを前提に設計された既存施設を複数県で束ねている」点にある。グループサイトの各施設ページは、一般の宿泊予約サイトではまず見ない「添乗員控室」「大型バス駐車台数」「食事の際の対応可能人数」をDATA欄の標準項目として掲げており、客室数を公表する13施設(下関大坂屋ホテルを含む)の収容人数の合計は3,341人に達する。大型バスの駐車区画も車山ハイランドホテル20台、蓼科パークホテル20台、スカイパークホテル10〜12台、グリーングリーン7〜8台と、合宿・修学旅行・団体ツアーの受け入れを前提とした仕様が揃う。

こうした施設群の運営で収益機会になるのは、団体の平日稼働と個人客の週末・繁忙期単価の組み合わせである。拠点の茅野市では2026年7〜9月のADRが前年同月比で+1.6〜+18.7%と上昇しており、夏山・紅葉シーズンの個人需要が単価面で追い風になっている。一方で湯河原町(−6.1%)と富士河口湖町(−4.7%)のように市町村のADRが前年同期を下回るエリアでは、団体のベース稼働を確保しながら個人客向けプランで単価を積み上げる余地があるとみることもできる。225室の富士山リゾートホテルが立つ富士河口湖町は、2026年4〜9月でADR対象71〜73施設・掲載施設270〜399施設と、6ヶ月の間に掲載施設数が大きく増えた市場でもあり、供給増局面で団体受け入れ能力を持つ大型施設の位置づけは一つの参照事例になる。中規模団体・企業合宿の需要が蓼科や富士河口湖を含む地方リゾートに戻る動きは、企業合宿・社員旅行の復活2026年夏が中規模リゾート27施設の価格データから掘り下げている。

もう一つの論点は販路である。2023年のマックアースとの包括業務提携は「スキー場やホテル業務の販路の開拓・拡大」を目的に掲げており、スノーリゾートとホテルを併せ持つ事業者どうしで送客や原価低減を図る枠組みと読める。グループが6県(下関を含めれば7県)にまたがる一方で客室の規模は施設ごとに6室から225室まで幅があるため、予約センターの一本化(スカイパークホテルの公式サイトには「STホテルグループ 総合予約センター」の電話番号が掲載されている)や多言語対応(華夕美日本海は英・韓・タイ・中国語簡体・繁体のインバウンド向けページを持つ)といった共通基盤の整備が、個別施設の規模を超えて効いてくる構造である。

公式サイトから確認できなかった点

本稿では、次の事項について公式サイトおよび一次資料で確認できなかったため、記述を避けている。第一に「ST」が何の略かは、グループサイト・企業情報ページのいずれにも説明がない。第二に「STホテルグループ」という名称の法的主体は示されておらず、信州綜合開発観光株式会社の企業情報ページも運営施設とグループ施設を区別していないため、各施設の所有・運営・提携の別は公式サイトからは判別できない。第三に、各施設がグループに加わった年と経緯、資本関係についても公式サイトに記載がない。2018年の報道で別会社が信州綜合開発観光を子会社化したとする記事が存在するが、現在の関係を一次資料で確認できなかったため本稿では扱わない。第四に、マックアースとの包括業務提携の具体的な内容(送客・購買・人材など)は、2023年4月の基本合意の案内文書以上の公表資料が見当たらなかった。これらは今後、各社の公表があれば追記する。

よくある質問

Q. STホテルグループの運営会社はどこですか?

公式サイト上でグループを名乗っているのは信州綜合開発観光株式会社(長野県茅野市北山3413、1965年3月18日設立、代表取締役 谷口健一)です。同社の企業情報ページは「運営施設/グループ施設」として施設を列挙していますが、どの施設が自社運営でどの施設がグループ施設かは区別していません。

Q. STホテルグループの施設数と客室数はいくつですか?

グループサイト「ST-GROUP」の「グループ施設一覧」ページは2026年10月6日時点で6県15施設をカード掲載しています。客室数が公表されている12施設の合計は901室です。同ページのカードに無い下関大坂屋ホテル(88室)を加えると16施設・989室になります。

Q. STホテルグループの価格帯はどのくらいですか?

施設が立つ市町村の推定成約ADR(2026年4〜9月平均)は三原市の約5,800円から湯河原町の約18,500円まで幅があります。観測件数が揃う6施設の掲載価格(2名1室・税込・全プラン平均)は、ビジネスホテルのホテルヤッサが約15,100円、高原・温泉地のリゾート型4施設が約33,400〜40,000円の帯です。

集計方法と出典

施設情報は、信州綜合開発観光株式会社のグループサイト「ST-GROUP」のトップページ・「グループ施設一覧」ページおよび各施設ページ、同社企業情報ページ、富士山リゾートホテル公式サイト「ホテル概要」、華夕美日本海公式サイト「施設案内」、車山高原スカイパークホテル公式サイト「客室」および「新着情報」(2023年4月13日付)を、いずれも2026年10月6日に確認した。価格データは2026年10月6日の調査時点で取得した確定月(2025年4月〜2026年9月)の値であり、将来月は扱っていない。メトロエンジンリサーチが継続追跡する、稼働が確認できる国内約27,000施設を対象とした公開価格の集計で、市町村別ADRは各月の推定成約ADR(中央値)を2026年4〜9月の6ヶ月で単純平均し、前年同期(2025年4〜9月)と比較した。施設別の掲載価格は、過去6ヶ月の観測件数が100件以上の施設に限って掲載した。地図上の位置は、VANスクエアガーデンとザ リトリートメント湯河原の2施設を公式サイト記載の住所に基づく概略位置で示している。本稿は施設の優劣を論じるものではないため、口コミ評点や他チェーンとの施設数・客室数の比較は掲載していない。

参考資料・出典一覧

■ データソース

施設情報は信州綜合開発観光株式会社のグループサイト「ST-GROUP」と各施設の公式サイト(2026年10月6日確認)。価格はメトロエンジンリサーチによるOTA公開価格の集計(稼働が確認できる国内約27,000施設、確定月2025年4月〜2026年9月)。

■ 試算前提

市町村別ADRは推定成約ADR(税抜相当・対象施設の中央値)の月次値を2026年4〜9月の6ヶ月で単純平均し、前年同期(2025年4〜9月)と比較。施設別の掲載価格は2名1室・税込で、観測件数100件以上の6施設のみ掲載。客室数・収容人数の合計は公式サイトの公表値の単純合算。

■ 限界・留意点

推定成約ADRは公開価格からの推定値で、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。市町村の値はグループ施設そのものの水準ではなく、施設が立つエリアの標準的な水準を示す。冠着荘が立つ筑北村は集計対象施設が少なく市町村値を掲載していない。所有・運営・提携の別など公式サイトに記載のない事項は扱っていない。

■ 参考資料

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