「文化は守るだけでは未来につながらない。次の価値や創造が育つ土壌を、事業によってつくりだす」――そうした文化起業家を、Forbes JAPANはカルチャープレナーと呼ぶ。10月3日、そのカルチャープレナーを授賞するイベント「CULTURE-PRENEURS AWARD 2026」が京都で開催された。
4回目となる今年は、それまで45歳以下としていた年齢制限を初めて設けず、より幅広い世代から30組を選出。アニメーションスタジオMAPPA、ゲーム実況者として新たなエンターテインメント市場を切り開くドズル、長編アニメーション映画『我々は宇宙人』が話題のNOTHING NEW代表取締役・林健太郎、和紙を現代の建築やアートへと広げるハタノワタルなど、伝統工芸からアニメ、ゲーム、映画、食、地域開発まで、領域を横断する顔ぶれがそろった。
「カルチャープレナー」とは、文化やクリエイティブ領域の活動を通じ、新たな価値やビジネスを生み出す文化起業家と定義し、Forbes JAPANでは2023年から毎年30組を選出している。
文化やコンテンツが成長産業として注目される一方で、その価値をどう持続させるかも問われている。今年、特に注目したのは、優れた作品や商品を生み出すだけでなく、産業構造や流通、人材育成、地域との関係まで含め、文化が続いていくための「仕組み」をつくろうとしている人たちだ。
当日は30組のうち22組が参加。京都市との共催で、第一部を浄土宗大本山・くろ谷 金戒光明寺、第二部をヒルトン京都にて開催した。
京都ならではのユニークベニューで
金戒光明寺
毎年この授賞式では、京都市の協力により、京都ならではの文化や歴史を体感できるユニークベニューを会場としている。今年の舞台は金戒光明寺。1175年に法然上人が草庵を結んだことを起こりとする浄土宗の大本山だ。受賞者たちは御影堂で念仏を唱えた後、大方丈へ移動して授賞式に臨んだ。
Forbes JAPAN WEB編集長の谷本有香、京都市長の松井孝治氏、東京建物取締役常務執行役員の古林慎二郎氏がそれぞれ挨拶。22組の受賞者にトロフィーが贈られた。
京都市が選ぶ特別賞に選ばれたのは、京都染元しょうび苑3代目/Textile Directorの上林央佑氏。「ろうけつ染め」を継承しながら、欧州のデザイナーと協業して、ファッションや壁紙、ブラインドなどインテリアへと用途を拡大している若きカルチャープレナーだ。現代の暮らしやクリエイターとの接点を広げる活動が評価された。
松井孝治京都市長と京都市特別賞を受賞した上林央佑氏(右)
また東京建物が選ぶ「YNK(八重洲・日本橋・京橋)特別賞」には、TIMELESS LLC.代表/ててて協働組合共同代表の永田宙郷氏が選出された。作り手と伝え手をつなぎ、市場での位置付けや販路、誰にどう届けるかまでを見据えて、伝統産業の事業立案を手がけている活動が評価された。
東京建物取締役常務執行役員の古林慎二郎氏(左)、YNK賞を受賞した永田宙郷氏(右)
授賞式後には、お茶と茶菓子を囲む「Awardees Tea Salon」や山門楼上の特別見学も行われ、受賞者同士が交流を深めた。
お茶と茶菓子を囲む「Awardees Tea Salon」
ご住職の案内で特別に山門の見学をさせていただいた
山門からの眺め