和歌山の9月5連休はこう埋まった — リゾートの中日は14日前に99%台、最終夜9/23はビジネスホテルだけ平常水曜を15.5pt下回る

和歌山県の宿泊施設について、2026年9月の5連休(9月19日〜23日)の予約進捗を宿泊日の45日前から前日まで追い直したところ、リゾートホテル(N=25施設・1,657室)の中日2泊(9月20日・21日)は14日前の時点で推定OCC(OTA掲載在庫ベース)が99%台に達していた一方、最終夜の9月23日は前日でも76.1%にとどまっていた。旅館(N=72〜73施設)とビジネスホテル(N=32〜33施設)も同じ順番で埋まったが、最終夜の着地はビジネスホテルだけが67.0%と、同じ9月の平常の水曜(3日平均82.5%)を15.5ポイント下回っている。本稿では、連休が終わって完成したブッキングカーブを45日前・30日前・14日前・前日の定点で読み直し、次の連休で最終夜の在庫をどう動かすかを考える。

対象: 和歌山県のリゾートホテル N=25〜26施設(1,657〜1,683室)・旅館 N=65〜73施設(2,468〜2,684室)・ビジネスホテル N=32〜36施設(2,408〜2,732室)、いずれも主要予約サイト掲載ベースで宿泊日により変動。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年10月6日。

Key Takeaways

— 中日は14日前に99%台:2026年9月の5連休で、和歌山県のリゾートホテル(N=25施設・1,657室)は9月20日・21日泊の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)が14日前に99.9%・99.3%へ達した。
— 埋まる順番は中日→肩→最終夜:リゾートホテルの上積みの山は、中日が45〜30日前(+22.0pt・+24.4pt)、初日と4泊目が30〜14日前(+17.9pt・+23.6pt)、最終夜が直前14日間(+15.6pt)に来た。
— 最終夜9月23日は前日でも7割前後:リゾートホテル76.1%・旅館73.8%・ビジネスホテル67.0%で着地し、3業態とも翌24日(木)を下回った。
— 業態差はビジネスホテルに集中:最終夜の着地は平常水曜(9月の3日平均)に対し、リゾートホテル+8.8pt、旅館+1.2pt、ビジネスホテルは−15.5ptで、同月の日曜3日(66.1〜71.2%)と重なった。
— 次の連休も同じ位置から始まっている:10月5日時点の観測で、10月三連休の最終夜10月12日は7日前に63.6〜65.1%。9月23日の7日前(60.3〜63.7%)と同じ6割台にある。

5連休の着地 — 中の3泊は埋まり、縁の2泊は平常日の水準に残った

まずは結果から確認する。内閣府が公表する国民の祝日の一覧によると、2026年は9月21日が敬老の日、22日が休日、23日が秋分の日にあたり、19日の土曜から数えて5連休になった。下の表は、連休前の木曜から連休明けの金曜までの9泊について、宿泊日前日時点の推定OCCと完売施設率を業態別に並べたものだ。

表1 9月17日〜25日泊の着地(宿泊日前日時点・和歌山県)

宿泊日リゾート
推定OCCリゾート
完売施設率旅館
推定OCC旅館
完売施設率ビジネス
推定OCCビジネス
完売施設率9/17(木)71.7%23.1%68.6%34.7%85.3%14.7%9/18(金) 連休前夜65.8%24.0%72.4%37.5%70.4%0.0%9/19(土) 初日98.7%68.0%96.4%72.2%97.5%78.8%9/20(日) 2泊目100.0%100.0%99.7%95.9%100.0%100.0%9/21(月) 3泊目・敬老の日100.0%100.0%100.0%100.0%99.5%93.8%9/22(火) 4泊目・休日99.9%92.0%97.5%84.9%88.9%42.4%9/23(水) 最終夜・秋分の日76.1%24.0%73.8%37.5%67.0%9.1%9/24(木) 連休明け79.7%34.6%77.7%50.7%82.4%27.3%9/25(金)71.7%26.9%74.0%39.7%84.5%12.1%

対象: リゾートホテル N=25〜26施設・1,657〜1,683室、旅館 N=72〜73施設・2,662〜2,684室、ビジネスホテル N=32〜34施設・2,408〜2,558室(主要予約サイト掲載ベース)。完売施設率はOTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合(推定)。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

2泊目の9月20日は3業態とも99.7〜100.0%、3泊目の21日も99.5〜100.0%と、掲載されていた在庫はほぼ消化された。初日の19日も96.4〜98.7%まで届いており、前半3泊については業態による差がほとんど残っていない。

一方で、4泊目から先は業態で景色が変わる。9月22日はリゾートホテル99.9%・旅館97.5%に対し、ビジネスホテルは88.9%と10ポイント前後低く、完売施設率も92.0%・84.9%に対して42.4%にとどまった。最終夜の23日はリゾートホテル76.1%、旅館73.8%、ビジネスホテル67.0%まで下がり、翌24日(木)は3業態とも23日を上回っている。祝日ではあっても翌日が平日の夜は、連休の内側というより外側に近い動きをしたといえる。

連休前夜の9月18日(金)も同じ性格を持つ。リゾートホテル65.8%・旅館72.4%・ビジネスホテル70.4%は、いずれも前後の金曜(9月11日・25日)の着地を下回った。つまり5連休が押し上げたのは「中の3泊と4泊目の観光系」であり、両端の2泊は平常日の物差しで見るほうが実態に合う。なお、8月時点の途中経過は和歌山の9月5連休は「中日型」で整理しており、中日が頂点になるという形は着地でも変わらなかった。

45日前・30日前・14日前の定点 — 中日、肩、最終夜の順に埋まった

次に、この着地に至るまでの順番を追う。下の図は、リゾートホテル(N=25施設・1,657室)の5泊それぞれについて、宿泊日の45日前から前日までの推定OCCを重ねたものである。

図1 リゾートホテルのブッキングカーブ(9月19日〜23日泊・宿泊日の45日前〜前日)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

45日前の時点で、9月20日は74.4%、21日は67.3%と中日2泊がすでに先行していた。そこから30日前までの15日間に20日は+22.0pt、21日は+24.4pt積み上がり、30日前には96.4%・91.7%へ達している。中日に関しては、勝負どころが45日前から30日前の間にあったと読める。

これに対して、初日の19日と4泊目の22日は30日前でも75.3%・72.1%にとどまっていた。この2泊が本格的に動いたのは30日前から14日前にかけてで、上積みは19日が+17.9pt、22日が+23.6ptだった。中日が埋まったあと、行き場を探す需要が前後の「肩」に流れた形になる。最終夜の23日はさらに遅く、45日前40.6%から前日76.1%までの上積み35.5ptのうち、15.6ptが直前14日間に入っている。

3業態の定点を一覧にしたのが次の表である。

表2 5連休の定点比較(推定OCC・和歌山県)

業態宿泊日45日前30日前14日前前日45→30日前30→14日前14日前→前日リゾートホテル9/19(土)54.9%75.3%93.2%98.7%+20.4pt+17.9pt+5.5pt9/20(日)74.4%96.4%99.9%100.0%+22.0pt+3.5pt+0.1pt9/21(月)67.3%91.7%99.3%100.0%+24.4pt+7.6pt+0.7pt9/22(火)54.1%72.1%95.7%99.9%+18.0pt+23.6pt+4.2pt9/23(水)40.6%45.7%60.5%76.1%+5.1pt+14.8pt+15.6pt旅館9/19(土)67.9%79.0%91.4%96.4%+11.1pt+12.4pt+5.0pt9/20(日)84.1%92.2%99.6%99.7%+8.1pt+7.4pt+0.1pt9/21(月)80.4%90.2%98.4%100.0%+9.8pt+8.2pt+1.6pt9/22(火)62.7%72.7%89.5%97.5%+10.0pt+16.8pt+8.0pt9/23(水)48.1%54.3%62.0%73.8%+6.2pt+7.7pt+11.8ptビジネスホテル9/19(土)73.9%82.0%92.7%97.5%+8.1pt+10.7pt+4.8pt9/20(日)73.8%86.8%98.9%100.0%+13.0pt+12.1pt+1.1pt9/21(月)70.0%81.6%96.8%99.5%+11.6pt+15.2pt+2.7pt9/22(火)55.7%62.6%75.6%88.9%+6.9pt+13.0pt+13.3pt9/23(水)50.0%52.7%57.7%67.0%+2.7pt+5.0pt+9.3pt

対象: リゾートホテル N=25施設・1,657室、旅館 N=72〜73施設・2,662〜2,684室、ビジネスホテル N=32〜33施設・2,408〜2,438室(主要予約サイト掲載ベース)。上積みは各定点の差。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

旅館は中日の出足が最も早く、45日前に9月20日が84.1%、21日が80.4%まで進んでいた。そのぶん以降の上積みは各区間で10pt前後と穏やかで、リゾートホテルのような急な立ち上がりは見られない。ただし順番は同じで、4泊目の22日は30日前から14日前に+16.8pt、最終夜の23日は直前14日間に+11.8ptと、後ろの泊ほど遅い区間に山が来ている。

ビジネスホテルは、中日こそ14日前に98.9%・96.8%まで届いたものの、4泊目の22日は14日前で75.6%だった。そこから前日までに+13.3pt積んで88.9%で着地しており、リゾートホテルが14日前に95.7%まで進んでいたのとは時間軸が違う。同じ県の同じ連休でも、4泊目を「もう動かない日」と見るか「まだ動く日」と見るかは業態で分かれたことになる。

もう一つ、中日の直前の動きにも触れておきたい。リゾートホテルの9月20日は14日前に99.9%まで達したあと、3日前に98.6%へいったん下がり、前日に100.0%へ戻った。完売施設率も96.0%から84.0%、そして100.0%へと同じ軌跡を描いている。直前に戻った在庫が短い期間で再び消化されたとみられ、中日については直前3日間にも小さな販売機会があったと考えられる。

最終夜9月23日 — 観光系は平常の水曜並み、ビジネスホテルは日曜並み

ここからは、最も在庫が残った最終夜を掘り下げる。9月23日は水曜にあたるため、同じ9月の平常の水曜3日(9日・16日・30日)の平均を物差しに置いた。下の図は、ビジネスホテルとリゾートホテルについて、23日のカーブと平常水曜の平均カーブを重ねたものだ。

図2 最終夜9月23日と平常水曜のブッキングカーブ(ビジネスホテル・リゾートホテル)

平常水曜は9月9日・16日・30日の3日の単純平均。対象: ビジネスホテル N=33〜36施設・2,433〜2,732室、リゾートホテル N=25〜26施設・1,657〜1,683室(主要予約サイト掲載ベース)。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表3 最終夜9月23日と平常水曜(3日平均)の比較

業態9/23
14日前9/23
前日9/23
直前14日の上積み平常水曜
14日前平常水曜
前日平常水曜
直前14日の上積み前日時点の差
(9/23−平常水曜)リゾートホテル60.5%76.1%+15.6pt59.0%67.3%+8.3pt+8.8pt旅館62.0%73.8%+11.8pt63.4%72.6%+9.2pt+1.2ptビジネスホテル57.7%67.0%+9.3pt66.5%82.5%+16.0pt−15.5pt

対象: リゾートホテル N=25〜26施設、旅館 N=71〜72施設、ビジネスホテル N=33〜36施設(主要予約サイト掲載ベース)。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

リゾートホテルの23日は、14日前の時点では60.5%と平常水曜(59.0%)とほぼ同じ位置にいた。差がついたのは直前14日間で、平常水曜の上積みが+8.3ptだったのに対し、23日は+15.6ptと2倍近く積んでいる。その結果、前日時点では平常水曜を8.8pt上回った。旅館も同じ向きで、直前14日の上積みは平常水曜の+9.2ptに対して+11.8pt、着地は+1.2ptの差に収まった。観光系の2業態では、最終夜は「平常の水曜並みか、それを少し上回る夜」だったといえる。

ところが、ビジネスホテルは逆の形になった。23日は14日前の時点ですでに平常水曜を8.8pt下回っており、直前14日の上積みも+9.3ptと平常水曜(+16.0pt)に届かず、前日時点の差は15.5ptまで広がっている。67.0%という着地は、同じ9月の日曜3日(6日・13日・27日、N=32〜34施設)の66.1〜71.2%と重なる水準だ。背景にあるのは、平常の水曜を直前に押し上げている出張需要が祝日の夜には入りにくく、連休の観光客もこの日には帰路につくという二重の要因だろう。

完売施設率を見ても同じ傾向が読み取れる。23日の完売施設率は旅館37.5%、リゾートホテル24.0%に対し、ビジネスホテルは9.1%だった。観光系では最終夜でも一定数の施設が掲載在庫を出し切っていたのに対し、ビジネスホテルではほとんどの施設に在庫が残っていたことになる。最終夜の課題は3業態に共通していても、その重さはビジネスホテルで最も大きかった。隣県の三重で同じ5連休の最終夜がどう着地したかは、三重の5連休、中日は売り切り・最終夜9/23だけ旅館73.7%も参考になる。

9月の推定成約ADR — 月次ではリゾートホテルが前年同月を大きく上回った

稼働の形を確認したところで、価格面も月次で押さえておく。9月分の推定成約ADRは確定値に切り替わっており、前年同月との比較ができる。なお、ここで示すのは月単位の水準であり、連休中の個別の日の価格を示すものではない。

表4 和歌山県の推定成約ADR(9月・確定月同士の前年同月比)

業態2025年9月2026年9月前年同月比基準リゾートホテル¥13,233(N=37)¥18,064(N=35)+36.5%確定(過去月)同士旅館¥13,096(N=104)¥13,612(N=106)+3.9%確定(過去月)同士ビジネスホテル¥6,054(N=71)¥6,140(N=69)+1.4%確定(過去月)同士

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

リゾートホテルは2026年9月が約¥18,100(N=35)と、前年同月の約¥13,200(N=37)から+36.5%伸びた。同じリゾートホテルの8月が+10.9%(約¥24,000・N=34、前年同月約¥21,600・N=36)だったことと比べても、9月の伸び幅は大きい。これに対して旅館は+3.9%、ビジネスホテルは+1.4%と、前年同月からの変化は小幅にとどまっている。2025年の9月は敬老の日を含む3連休と、火曜の秋分の日が離れて並ぶ暦だったため、連休の形の違いが月次の水準に表れやすい月だったと考えられる。県内の市町別の単価水準については、和歌山の宿泊料金2026秋、熊野側が白浜を上回るで詳しく分析している。

図3 リゾートホテル・旅館の推定成約ADR(年重ね・確定月のみ)

2025年1月〜2026年9月の確定値。リゾートホテル N=34〜38施設、旅館 N=97〜112施設。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

年重ねで見ると、リゾートホテルは2026年の線が1月から9月まで一貫して2025年の上にあり、なかでも1月と9月の開きが大きい。旅館は6月を除いて前年をやや上回る程度で、9月の差も小さかった。前の章までで見た「中の3泊がほぼ埋まった」という稼働の形と合わせると、リゾートホテルでは連休が月全体の単価水準を支えた一方、最終夜の在庫は別の課題として残ったと整理できる。

次の連休の現在地 — 最終夜は3連休でも5連休でも1週間前に6割台

この構図は9月だけのものではない。10月5日時点の観測で、10月の三連休(10日〜12日)と文化の日(11月3日)周辺の進捗を並べると、同じ形がすでに表れている。

表5 今後の連休の推定OCC(2026年10月5日時点の観測・和歌山県)

宿泊日位置づけ観測時点の残り日数リゾート旅館ビジネス10/10(土)10月三連休・初日5日前90.6%88.3%92.3%10/11(日)10月三連休・中日6日前81.8%77.2%81.5%10/12(月)10月三連休・最終夜(スポーツの日)7日前65.1%63.6%64.1%10/31(土)文化の日前の週末26日前76.2%76.2%79.5%11/1(日)同・日曜27日前77.2%72.4%63.0%11/2(月)祝前日の平日28日前65.7%63.2%57.4%11/3(火)文化の日29日前55.9%57.4%54.8%

対象: リゾートホテル N=25施設・1,657室、旅館 N=65〜67施設・2,468〜2,651室、ビジネスホテル N=34〜35施設・2,619〜2,636室(主要予約サイト掲載ベース)。現時点の販売状況に基づく値であり、今後の予約・在庫の動きで変動し得る。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

10月三連休の最終夜にあたる12日(月・スポーツの日)は、7日前の時点でリゾートホテル65.1%・旅館63.6%・ビジネスホテル64.1%だった。9月23日の7日前は63.7%・63.4%・60.3%であり、3連休と5連休で長さが違っても、最終夜は1週間前に6割台という同じ位置にいる。参考までに、9月23日はそこから前日までにリゾートホテルで+12.4pt、旅館で+10.4pt、ビジネスホテルで+6.7pt積んだ。

文化の日の11月3日(火)は29日前の観測で54.8〜57.4%だった。旅館とビジネスホテルは9月23日の同じ時点(55.4%・53.2%)とほぼ同じ位置にあり、リゾートホテルは47.0%だった9月23日より高い位置から始まっている。祝前日にあたる11月2日(月)のほうが57.4〜65.7%と高く、ここでも「翌日が休みの夜」と「翌日が平日の祝日の夜」の差が先に出た。さらに先の11月21日〜23日の三連休は、10月7日から9日にかけて45日前の定点を迎える。9月の5連休で中日が動いたのは45日前から30日前の間だったため、自館の予約ペースを県のカーブと照らし合わせるなら10月上旬からが適した時期といえる。

和歌山のリゾートホテル・旅館・ビジネスホテルを運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン

ここまでのデータを、自館の運営に引き寄せて読み替える。9月の5連休はすでに終わっているため、以下は11月の三連休や年末年始など、これから迎える複数日の連休に向けた整理である。

示唆1:連休は1つの山ではなく、売れる順番の違う3つの区間として扱いたい。中日は45日前から30日前、肩にあたる初日と4泊目は30日前から14日前、最終夜は直前14日間に山が来た。自館の予約ペースを確認するときも、連休全体の平均ではなく泊ごとに県のカーブと並べると、どの泊が先行し、どの泊が遅れているかが見えやすくなる。

示唆2:最終夜の在庫は、中日が埋まる前に動かす余地がある。リゾートホテルの中日は30日前に9割を超えていた。中日を1泊だけの予約で埋め切ってしまうと、最終夜とつなげられる在庫がなくなる。中日が動いている時期に、4泊目・最終夜を含む連泊をどう受けるかを決めておくことが、後半の底上げにつながると考えられる。

示唆3:観光系の最終夜には、直前に動く需要が確かに存在した。リゾートホテルの9月23日は直前14日間に+15.6pt積んでおり、平常の水曜の上積み(+8.3pt)を上回った。連休後半に予定を決める近距離の客層や、すでに滞在中・予約済みの客の延泊が含まれるとみられる。最終夜を早い段階であきらめず、直前2週間を販売期間として設計する意味は大きい。

示唆4:ビジネスホテルの祝日の夜は、曜日ではなく「日曜と同じ夜」として見たい。9月23日の着地は平常の水曜を15.5pt下回り、日曜3日の水準と重なった。祝日の夜を平日の感覚で運用すると、直前に入るはずの出張需要を待つ形になりやすい。連休後半に動く観光客や地元・近隣府県からの利用に向けた見せ方を、早めに用意しておく余地がある。

これらを時間軸に落としたものが次の表である。判断トリガーには本記事で示した県の数値を置いたが、あくまで自館の進捗と見比べるための物差しとして使いたい。

表6 複数日の連休に向けたアクションプラン(45日前/30〜14日前/直前14日)

時点打ち手判断トリガー(本記事の数値)狙い45日前連休の各泊を「中日・肩・最終夜」に分けて、自館の予約ペースを県のカーブと並べる中日の予約が、リゾートホテルの45日前水準(9/20で74.4%・9/21で67.3%)や旅館の同水準(84.1%・80.4%)に対して先行しているか遅れているかどの泊が市場より先に動いているかを把握し、以降の判断の起点にする45日前中日だけの1泊予約と、中日を含む連泊予約の受け方を見直す45日前から30日前の15日間に、県のリゾートホテルで中日が+22.0〜+24.4pt動いたのと同じ局面に入ったら中日の在庫を、初日・4泊目・最終夜とつながる滞在に振り向ける余地を残す30日前〜14日前初日・4泊目の在庫と連泊条件を再点検する中日が9割前後に達し、肩の2泊が7割台(県のリゾートホテルは30日前に75.3%・72.1%)にあるなら肩の2泊が動く期間(30〜14日前に+17.9pt・+23.6pt)に、最終夜まで延ばす滞在を提案できる状態をつくる30日前〜14日前既存予約者への滞在延長(後泊)の案内を準備する4泊目が14日前に9割前後(県のリゾートホテル95.7%・旅館89.5%)へ届いたら新規客を探すより先に、すでに来館が決まっている客の延泊で最終夜を動かす直前14日最終夜向けに、近距離から直前に動ける客層への訴求を厚くする最終夜が14日前に6割前後(県は60.5%・62.0%・57.7%)で、連休の観光客以外の需要が見込みにくいなら県のリゾートホテルと旅館で最終夜に入った直前の上積み(+15.6pt・+11.8pt)を取りにいく直前14日ビジネスホテルは祝日の夜を「日曜と同じ夜」として扱い、観光・レジャー向けの見せ方を検討する最終夜の進捗が平常水曜の14日前水準(66.5%)を下回ったままなら出張需要が戻らない夜の在庫を、連休後半に動く観光客の受け皿として位置づける

連泊、滞在延長、近距離需要という3つの打ち手は、それぞれ効く時期が違う。連泊は中日がまだ動いている45日前から30日前、滞在延長は4泊目が埋まりはじめる30日前から14日前、近距離需要は最終夜が動く直前14日間に重なる。打ち手そのものよりも、どの区間に何を置くかを先に決めておくことが、連休後半の在庫を動かす近道になるだろう。

まとめ — 「順番・縁・業態差」の3つの物差し

和歌山県の9月5連休を完成したカーブで振り返ると、次の3点が物差しとして残る。

第一に、順番である。中日は45日前から30日前、初日と4泊目は30日前から14日前、最終夜は直前14日間に上積みの山が来た。リゾートホテルの中日2泊は14日前に99%台へ達しており、打ち手を置くべき時期は泊ごとに違っていた。

第二に、縁の2泊の扱いだ。連休前夜の9月18日と最終夜の23日は、祝日や連休の一部であっても着地は平常日の水準に近く、23日は翌24日(木)を3業態とも下回った。連休の内側と同じ前提で見ないことが出発点になる。

第三に、業態差といえる。最終夜の着地は、リゾートホテルが平常水曜を8.8pt上回り、旅館がほぼ同水準だったのに対し、ビジネスホテルは15.5pt下回った。10月三連休の最終夜も7日前の時点で6割台にあり、同じ構図が繰り返されている。11月の三連休と年末年始に向けて、この3つの物差しを自館の予約ペースに当ててみたい。

よくある質問
Q. 和歌山の2026年9月の5連休(9月19日〜23日)で、最も早く埋まったのはどの泊ですか?

中日の2泊(9月20日・21日)です。リゾートホテル(N=25施設)では45日前の時点で推定OCC(OTA掲載在庫ベース)が74.4%・67.3%と先行し、30日前に96.4%・91.7%、14日前には99.9%・99.3%に達しました。旅館は45日前に84.1%・80.4%と、3業態のなかで中日の出足が最も早くなっています。

Q. 最終夜の9月23日は、前日時点でどこまで埋まりましたか?

2026年9月23日泊の前日時点の推定OCCは、リゾートホテル76.1%、旅館73.8%、ビジネスホテル67.0%でした。完売施設率は旅館37.5%、リゾートホテル24.0%、ビジネスホテル9.1%で、3業態とも翌24日(木)の推定OCCを下回っています。

Q. ビジネスホテルの最終夜だけが平常の水曜を下回ったのはなぜですか?

データで確認できるのは、2026年9月23日の着地が同月の平常水曜(3日平均82.5%)を15.5ポイント下回り、日曜3日(66.1〜71.2%)と重なる水準だったという点です。平常の水曜を直前に押し上げている出張需要が祝日の夜には入りにくく、連休の観光客もこの日に帰路につくという二重の要因が背景にあると考えられます。

Q. 次の連休に向けて、いつ何を確認すればよいですか?

9月の5連休では、中日は45日前から30日前、初日と4泊目は30日前から14日前、最終夜は直前14日間に上積みの山が来ました。連休全体の平均ではなく泊ごとに、自館の予約ペースを県のカーブと並べて確認するのが出発点です。11月21日〜23日の三連休は10月7日から9日にかけて45日前の定点を迎えます。

データについて
項目内容
推定OCCOTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合。本記事のNがその施設数)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。
ブッキングカーブブッキングカーブ: 宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。本記事の「前日」は宿泊日の1日前の観測値。
完売施設率OTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合(推定)。
推定成約ADROTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。本記事で用いたのは確定月(2025年1月〜2026年9月)のみ。
対象施設和歌山県。推定OCC・ブッキングカーブ: リゾートホテル N=25〜26施設(1,657〜1,683室)、旅館 N=65〜73施設(2,468〜2,684室)、ビジネスホテル N=32〜36施設(2,408〜2,732室)。いずれも主要予約サイト掲載ベースで、宿泊日により変動する。推定成約ADR(2025年9月・2026年9月): リゾートホテル N=37・35施設、旅館 N=104・106施設、ビジネスホテル N=71・69施設。
平常水曜2026年9月9日・16日・30日の3日の推定OCCの単純平均。
データ時点データ時点: 2026年10月6日(今後の連休の進捗は10月5日までの観測)。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。

参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチが主要予約サイトの掲載在庫・販売データから集計した、和歌山県の業態別(リゾートホテル・旅館・ビジネスホテル)ブッキングカーブ(宿泊日の45日前〜前日)と、推定成約ADRの確定月(2025年1月〜2026年9月)。祝日・休日の並びは内閣府の公表による。データ時点は2026年10月6日。

■ 試算前提

推定OCCは「100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数」で算出し、総客室の30%以上をOTAに掲載する施設を対象とした。平常水曜は2026年9月9日・16日・30日の3日の単純平均、上積みは各定点(45日前・30日前・14日前・前日)の差。推定成約ADRの前年同月比は確定月同士で比較している。

■ 限界・留意点

推定OCCはOTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値で、実際の客室稼働率とは定義が異なり高めに出る。対象施設数は宿泊日により変動する。今後の連休の値は2026年10月5日時点の観測であり、予約・在庫の動きで変わり得る。月次の推定成約ADRは連休中の個別の日の価格を示すものではなく、県全体の集計値は個別施設の実績と一致しない。

内閣府「国民の祝日について」(2025年〜2027年の国民の祝日・休日)

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