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2026年9月、仙台国際センターで開催された東北最大級のスタートアップイベント「DATERISE! 2026」。そのピッチコンテスト「DATERISE! THE PITCH」で、山形県米沢市に本社を置く株式会社ZAICO(代表取締役・田村壽英)が優勝しました。
AIの台頭により「SaaS is dead(SaaSの死)」とも言われる中、AI在庫管理システム「zaico」の提供というSaaS事業を展開する当社が選ばれた背景には、10年にわたって現場と向き合い続けてきたある確信がありました。
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ピッチに登壇した田村は、この日の出来事を自身のnoteでも綴っています。
社長note:https://note.com/zaico_support/n/nc5adb63045ea
はじまりは、倒産寸前だった実家の倉庫業
ZAICOの原点は、エンジニア出身である代表取締役・田村の実家が山形県米沢市で営む倉庫業にあります。当時、その経営は破綻寸前でした。
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山形県米沢市で田村の実家が営む倉庫業
現場では在庫管理が崩壊し、業務は特定の従業員の経験に頼る「属人化」が常態化していました。
田村はこの状況を立て直そうと、市販の在庫管理システムを導入しようとするも、ITに不慣れなベテラン従業員たちから「こんなものは使えない」と強く抵抗されました。システムを入れても、現場の人たちが使ってくれなければ意味がない。田村は頭を悩ませました。
そんな中、ふと休憩時間に目をやると、その従業員たちがスマートフォンを使いこなしてゲームに興じる姿がありました。「難しいシステムではなく、スマホで簡単に使えるアプリなら現場に定着するかもしれない」そう感じた田村は、ボタン4つだけのシンプルな在庫管理アプリを自ら開発しました。これが、のちの「zaico」の原型となります。
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zaicoの原型となるボタン4つの在庫管理アプリ
田村の狙い通り、このシンプルなアプリは現場に浸透していきました。さらに、これをアプリストアに公開すると、社外からも多くの反響が寄せられました。在庫管理に対する市場の強いニーズを実感した田村は、今からちょうど10年前の2016年10月、株式会社ZAICOを設立しました。
「カンタンさは価値」。実家の倉庫での実体験から得たこの学びこそが、ZAICOという会社の原点であり、以降すべての製品開発を貫く思想となっています。
現場に残り続ける「アナログ」という壁
「在庫管理ができていない」という課題は、製造・小売卸・建築・サービスなど、モノを管理するすべての現場で起きている問題です。紙やExcelへの手入力、目視といったアナログな管理は、作業の非効率やヒューマンエラー、属人化といった経営リスクを招きます。
背景には、社会全体で進む労働力不足と、デジタル化の遅れがあります。パーソル総合研究所と中央大学の共同研究「労働市場の未来推計2030」(2019年公開)では、2030年に労働需要に対して644万人の人手不足が見込まれています。一方、中小企業庁「中小企業白書2022年版」によると、サプライチェーン分野のITツールを導入している中小企業は約3割にとどまっています。
ZAICOはこの課題に、「カンタンさは価値」という理念で向き合い続けてきました。シンプルでUI(ユーザーインターフェース)も親しみやすく、直感的に操作できる「zaico」は、ITに不慣れな現場スタッフでも導入初日から使いこなせる設計です。
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現在のzaicoモバイルアプリ
その効果は、数字にも表れています。ある企業では実地棚卸の工数が年間420人分から33人分へと約92%削減。また、備品を探すのに1回10分ほどかかっていたのが、10秒ほどで探せるようになった事例(約98%短縮)など、業種を問わず「zaico」の導入成果が報告されています。
「在庫管理サービス」から「AIワーカー」へ ── 現場と基幹システムをつなぐ“ラストワンマイル”
こうした現場の効率化を、ZAICOはさらに一歩先へ進めようとしています。
紙の現品票やFAX注文書、納品書といった「アナログなモノの情報」は、今も人が目で確認し、基幹システム等へ手入力しています。これには手間がかかるうえ、入力ミスも起こりがちです。人手不足でその担い手も足りなくなる中、当社はこの課題に対し「AIワーカー」という新たな答えを打ち出しました。
当社が目指す「AIワーカー」とは、現場にあるアナログなモノの情報(Physical Data)を、人の代わりにAIが捉え(Capture)、自律的にデータ化・登録する仕組みです。この「Physical Data Capture」によって、これまで自動化が難しく、非効率が残っていた「現場と基幹システムをつなぐラストワンマイル」を「zaico」が担うことができます。
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この「Physical Data Capture」構想は、すでに具体的な機能として形になり始めています。スマートフォンで物品を撮影するだけでAIが自動識別する特許技術「撮るだけAI在庫管理」は、目視・手作業と比べて作業時間を平均15分の1に短縮。また、紙の帳票をAIが読み取りデータ化する機能により、受注処理時間を約75%削減するなどの効果を生んでいます。
東北から、世界へ
田村は今回の「DATERISE! THE PITCH」で優勝できた理由について、「zaicoが単なる在庫管理サービスではなく『AIワーカー』であるというメッセージを、審査員の皆様が受け取ってくださったのだと思います」とコメントしています。
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ZAICOは今回のピッチコンテスト優勝により、米国進出の挑戦権を獲得しました。倒産寸前だった山形の小さな倉庫で生まれた「zaico」は、この10年で累計登録アカウント数19万件を超えるまでに成長し、現場と基幹システムをつなぐラストワンマイルを担う「AIワーカー」として、国境を越えようとしています。
創業当時から今まで、田村が変わらず続けていることがあります。それは、自らお客様の現場へ足を運び、現場を自分の目で見て、課題の本質を見極めることです。この姿勢は田村だけでなく、ZAICOで働くすべてのメンバーに根付いています。当社は今後もこの姿勢を貫き、現場で培ってきたノウハウを武器に、東北から全国、そして世界へと挑み続けます。
【DATERISE! THE PITCH 登壇概要】
イベント名:DATERISE! 2026
主催:仙台市
日時:2026年9月5日(土)11:00~19:00
URL:https://01booster.com/program/daterise/
【株式会社ZAICOについて】
設立:2016年10月18日
代表取締役:田村 壽英
事業概要:AI在庫管理システム「zaico」等の開発および販売
本社所在地:山形県米沢市大字花沢331番地
URL:https://www.zaico.co.jp/
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