相撲のトップ選手として活躍した男性が次に掲げた目標は『プロボクサー』でした。ボクシングにかける思い、そして、プロテストへの挑戦を2回に分けてお伝えします。成田記者のリポートです。
里舘健さん33歳。相撲のトップ選手として活躍しその後、ボクシングの道へ。この日は、所属する盛岡市内のボクシングジムでプロテストに向けてトレーニングに励んでいました。
里舘健さん
「見ている人が熱くなれるような 打ち合いといいますか、そういったものをやってみたいですね。自分の試合を見ている人が心熱くなるようなそういった試合をやりたい」
里舘さんは大槌町出身。小学生のころ、地域の大会に出場したことをきっかけに相撲を始めました。地元の中学校を卒業した後は、県内屈指の相撲の強豪、八幡平市の平舘高校に進学。力と技に磨きをかけました。
そして、平舘高校で講師をしていた2016年。
「はっけよい!」
いわて国体の相撲、成年男子の個人戦に出場。準々決勝で敗れましたが、前に出る『押し相撲』を武器に堂々の5位入賞を果たしました。
里舘さんがコーチを務めている相撲クラブです。幼児から中学生までおよそ40人が所属しています。
里舘さん「そうだ!」
相撲の第一線を退き、力を注いでいるのは『育成』です。週3回、ボクシングの練習が無い日は子どもたちと体をぶつけ合います。
里舘さん
「こっち(左手)が遅れてきてる一緒、一緒、OK?」
子ども
「はい!」
子どもたちにとって頼られる存在です。
滝沢相撲クラブ・関畑皇介さん(中学1年)
「優しい時は優しいし、練習になるとみんなが強くなるために厳しく指導してくれています」「常に楽しそうに相撲をとっているのが自分は尊敬したいと思う」
そんな里舘さんの挑戦を子どもたちも応援しています。
滝沢相撲クラブ・古舘皇さん(中学2年)
「いつもの里舘さんらしく怖い感じで頑張ってほしい」「ばーんって、一気に相手を飛ばしちゃうボクサーになってもらいたいです」
里舘さん
「自分の挑戦する姿を子どもたちに見せて何か自分の頑張る糧にしてもらいたい」
相撲を始めた頃からテレビにかじりついて見ていたボクシング。相撲で培ったものを生かして勝負したいと2025年の春、ジムの門を叩きました。
強みの1つは110キロを超える体重を乗せた威力抜群のパンチ。練習中にサンドバッグが破けてしまったこともありました。
ミナノボクシングジム・岡根祐一会長
「まっすぐ!まっすぐ!」
ジムの会長で、元プロボクシングライト級の日本ランカー、岡根祐一さんもこれからの活躍に大きな期待を寄せています。
岡根会長
「感動とボクシングの魅力を伝えられるようなパワーもスピードも見ごたえのある選手になってほしい」
その実力は、先輩のプロボクサーも認めています。スパーリングでの打ち合いが終わると…
プロボクサー・三浦流星さん
「ボディ、ちょ~いてえゲロ吐くかと思った」
里舘さん
「効いていない感じするんで…」
三浦さん
「やばいっすよ…マジで…」
三浦さん
「前回やった時よりもはるかに前に来る精神というか、結構後ろに引いていたのがそういう部分が無くなってがっつり前に行くようになって。手も全然前より増えてたんで」
どんなに苦しい練習でもボクシングを続けられるワケがあります。
里舘さん
「いや~しんどいです。しんどいけれど楽しいんで、しんどいながらもそれを越えていくと楽しくなってくるので、おもしろいですね」
冷めることのないボクシングへの情熱。プロテストに向け気持ちを高ぶらせています。
