【和歌山】春林軒に「AI語り部」登場 〜 スマホで手軽 平日や混雑時も対応
世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術に成功した江戸時代の医師、華岡青洲の住居兼診療所「春林軒」で6月から、人工知能(AI)を活用した「AI語り部青洲君」の運用が始まった。
春林軒は、紀の川市西野山の「道の駅青洲の里」に隣接。2025年は入館者数が大幅に増え、1万1千人以上が訪れた。一般財団法人青洲の里が実施する学習会や検定を受け、合格した約10人が語り部となって土日を中心に交代で案内しているが、平日や観光客が集中する時は対応が困難になることが課題だった。
そこで元駅長の神徳政幸さんが、〝リアル語り部〟を補完する位置づけでAI導入を発案。30年以上、華岡青洲の研究を続ける谷脇誠さんが解説文を考え、神徳さんらが音声をチェックするなどして1年がかりで完成させた。

写真=AI語り部のナレーションスポットを示す神徳政幸元駅長
スマートフォンで春林軒入口の二次元コードを読み取れば公式キャラクターの「青洲君」が画面に現れ、14箇所の展示物を解説する。一度設定すれば画面を開いたまま観覧でき、つなぎ直す手間がない。音声は日本語だが、英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語に字幕で対応する。利用は無料で、Wi─Fi環境も整備している。所要約40分。

写真=画面で解説する青洲君。手に持っているのは、華岡青洲が開発した麻酔薬「麻沸散」の主成分となった曼陀羅華
「展示だけでは伝えきれない、青洲の志や生き方を多くの人に届けたかった」と神徳さん。利用した人から「人柄までよく理解できた」と好評を得ているといい、「見て、聴いて、感じる体験を通じ、その感動を次の人へつないでほしい」と話している。
大人300円、小中学生200円。青洲の里(0736・75・6008)。
語り部養成 学習会&検定会
一般財団法人青洲の里は、紀の川市出身の華岡青洲について学び、語り部として活動する人を養成する。
▽学習会=11月7日㊏・8日㊐各午前9時45分と午後1時。一日2回、全4回。テキスト代2500円。10月31日㊏締め切り。▽検定会=11月15日㊐午後1時半。学習会を2回以上受講した人対象。2000円、小中高生1000円。学習会で受付。11月22日㊐に認定証授与式がある。
場所はいずれも同市西野山の道の駅青洲の里多目的ホール。申し込みと詳細は同法人(0736・75・6008)。
(ニュース和歌山/2026年10月3日更新)