画像提供:Singapore Ministry of Defence

シンガポール国防省は2026年10月2日(金)、シンガポール海軍(RSN)向けに建造されている新型のセンチネル級哨戒艦(Offshore Patrol Vessel:OPV)の1番艦「センチネル(Sentinel)」が、ドイツで進水したと発表した。進水式は10月1日(木)、ドイツ・ベルネにあるファスマー(Fassmer)の造船所で実施された。

式典には、シンガポールのチャン・チュンシン国防相、ドイツのボリス・ピストリウス国防相、ドイツ海軍総監のヴィルヘルム・トビアス・アブリー海軍中将、シンガポール海軍司令官のショーン・ワット海軍少将らが出席した。

「センチネル」は、シンガポール国防省とドイツのファスマーが契約した4隻の新型OPVの1番艦。4隻は、シンガポール海軍の海上警備・対応戦隊(Maritime Security and Response Flotilla:MSRF)で運用されている既存のセンチネル級海上警備・対応艦(Maritime Security and Response Vessel:MSRV)を更新する。新型OPVは2028年から順次引き渡される予定で、既存のMSRVは新型艦が完全に運用可能となるまで任務を継続する。

新型センチネル級は、海上警備活動の拡大や任務の多様化に対応するためのシンガポール政府船として設計された。既存のセンチネル級MSRVが担っている任務を引き継ぎ、シンガポール領海の警備にあたるほか、警察沿岸警備隊やシンガポール海事港湾庁(MPA)など、他の政府機関の船艇とも連携して海上警備任務を実施する。

船体は全長94.85m、幅15.2m、排水量2,700トン。速力は23ノット以上、航続距離は4,000海里以上で、基本乗員は約40人。既存のMSRVより大型化することで航続性能を向上させる一方、船舶交通が集中するシンガポール周辺海域での運用を想定し、高い操縦性を備える。

艦にはコンテナ化された各種システムを搭載できるモジュラー構造が採用され、任務に応じた装備変更や将来的な脅威への対応が可能とされている。有人・無人の各種艇を運用でき、船尾には艇を進水・揚収するためのLaunch and Recovery System(LARS)を備える。また、船首には対象船への接近・接舷を考慮したフェンダーを設置し、主要な運用区画には弾道防護が施されている。

推進方式にはCODLOD(Combined Diesel-eLectric Or Diesel)方式を採用。長時間の哨戒では低速域での燃費効率を高める一方、迅速な対応が必要な場合には高速航行が可能としている。

武装はSTRALESシステム対応76mm砲と、ラファエル製30mm遠隔操作式兵器システムを装備する。このほか、Sitep Italia製レーザーダズラーと長距離音響装置、放水銃システムなどを搭載する。センサー類にはテルマ製航海レーダー、サーブ製レーダーシステム、タレス製火器管制レーダー、サフラン製電子光学システム、シードロニクス製360度航海カメラが採用される。

センチネル級4隻の艦名と艦番号は、1番艦「センチネル(Sentinel)」が26、2番艦「ガーディアン(Guardian)」が27、3番艦「プロテクター(Protector)」が28、4番艦「バスティオン(Bastion)」が29となる。

1番艦「センチネル」は進水後、艦のシステムや性能を確認するプラットフォーム受領試験と海上試験を実施した後、シンガポールへ向かう予定。残る3隻についても現在建造が進められている。

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