沖縄本島北部の大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」が正念場を迎えている。

   運営会社を傘下に持つジャパンエンターテイメントホールディングス(JEHD)は2026年9月25日に株主総会を開催。26年6月期決算で約173億円の最終赤字となり、経営陣が株主に謝罪したと報じられた。パークを運営するジャパンエンターテイメント(JE)も約89億円の最終赤字だった。

   今後は、政府系金融機関の沖縄振興開発金融公庫が30億円のつなぎ融資を行う方向で、新たなスポンサーも募ると報じられている。ジャングリアをめぐっては以前から巨額の公的マネーが投じられており、その規模は110億円を超えることになる。

7月25日に開業1周年を迎えたジャングリア沖縄(ジャパンエンターテイメントの発表資料より)

7月25日に開業1周年を迎えたジャングリア沖縄(ジャパンエンターテイメントの発表資料より)

2月28日に閉館したイマーシブ・フォート東京(写真は2024年に行われたハロウィーンイベント)

2月28日に閉館したイマーシブ・フォート東京(写真は2024年に行われたハロウィーンイベント)

マーケティング会社「刀」の森岡毅氏

マーケティング会社「刀」の森岡毅氏

巨額の公的マネー投入も…客足不振で大赤字

   ジャングリアは25年7月、今帰仁(なきじん)村と名護市にまたがる約60ヘクタールの敷地に開業した。総事業費は約700億円。巨大な恐竜と遭遇する「ダイナソー サファリ」など、やんばるの自然を生かした体験型アトラクションやスパを売りにする大型リゾートだ。

   プロジェクトを企画・主導したのが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のV字回復に貢献した森岡毅氏率いるマーケティング会社「刀」だった。

   開業から1年間の来場者数は併設のスパを含め約100万人。年間約300万人が訪れる沖縄美ら海水族館の半分程度でも採算が見込めるとされていたが、その約150万人に遠く及ばなかった。売上高は100億円を超える見通しだったものの、運営会社は約89億円もの最終赤字を計上した。

   資金面では、公的支援の存在が大きかった。官民ファンドのクールジャパン機構は22年、刀に80億円を出資した。森岡氏は過去のインタビューで、

「大きな役割を担ってくださったのがCJF(クールジャパン機構)です。刀に80億円の出資をしていただいたことで、沖縄プロジェクトが前進しました」

と振り返っている。

   内閣府の行政事業レビューによると、ジャパンエンターテイメントホールディングス(JEHD)の北部テーマパーク事業には国から2億円が支出されている。さらに運営会社のジャパンエンターテイメント(JE)には、観光人材の育成施設を整備する名目で、2024、25年度に計約1億9200万円の補助金が交付された。

   今回の30億円のつなぎ融資が実行されれば、金額を確認できる公的な出資や融資、補助金だけでも約114億円。さらに、沖縄公庫は開業資金として組まれた総額366億円のシンジケートローンなどにも参加しており、沖縄公庫の負担額は公表されていないが、実際の公的マネーの投入規模はもっと大きいとみられる。

   実業家のひろゆきこと西村博之氏は26年9月26日、クールジャパン機構の80億円と今回の30億円を合わせ、

「他人事だと見てたら納税者が110億円払ってた」

とXで皮肉った。SNS上でも、赤字事業へのさらなる公的支援に対し、「もし焦げ付いたら補填はどうなるの」「そんな大金を投入して本当に戻ってくるのか」といった疑問の声が相次いでいる。

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