安いのがやばい。
Googleは2026年6月に新しい高性能AIモデル「Gemini 3.5 Pro」をリリースすると予告していましたが、実際には公開されないまま9月が終わってしまいました。
しかし、とうとう動きがありました。それも予想以上の動きが。
2026年10月1日(日本時間)、Googleは「Gemini 4 Argon」(以下Argon)をまもなくリリースすると発表しました。まさに最先端モデルといった感じの高いベンチマークスコアが示されており、既存のGeminiモデルとは一線を画します。
当初はGoogle AI Ultraユーザー向け・APIでの提供から始まりますが、Geminiもとうとうフロンティアモデル時代に突入していくことになります。待っていた人も多かったのではないでしょうか。
性能はAstra・Fable・Opus 5.5を超える水準
Googleが公開したベンチマーク結果を見ると、OpenAIのGPT-6 Astra・AnthropicのClaude Fable 5.1/Opus 5.5が比較対象となっており、かつArgonが勝っています。フロンティアモデル性能だと思われます。
Image: Google
数値的にはナレッジワークのベンチマークすべてで競合を打ち負かしているのが気になりました。項目を見ると、Automation Bench(営業・マーケ・財務・人事等の業務用ツールを与えて実務能力を測るテスト)が入っており、コーディング以外がむしろかなり強そうな雰囲気。GoogleのAIは日本語の表現力に優れている印象なので、日本人目線でも「扱いやすい高性能AI」かもしれません。
Artificial Analysisが独自に出している評価指標「Artificial Analysis Intelligence Index」も53。これはGPT-6 Astraと同値です(現時点の最高値はOpus 5.5の58です)。現時点で最高クラスの性能であると思われます。
🚨 Gemini 4 Argon scores 53 on the AA Intelligence Index
That puts it level with GPT-6 Astra, it’s basically right on the Pareto frontier for cost too
Google cooooked https://t.co/8r1Dq4MKsV pic.twitter.com/gBT1E2rC47
— Lumina (@LuminaBench) September 30, 2026
GoogleはArgonについて「複雑で長期的なワークフロー全体にわたって高度な推論を維持できるように設計した」「Googleでの働き方と開発方法を根本的に変革する」としています。
Google社内では既にめちゃくちゃ複雑で高度な仕事に活用されているとのこと。量子アルゴリズムの最適化に利用され数分で基準値を40%上回ったり、大規模なC/C++コードベース数十万行をRustに移行する作業に活用されたりしているそうです。
フロンティアモデルとしては安い
Argonで興味深い点としては、API料金の安さが挙げられます。
Argonはリリースからしばらくは入力2ドル・出力10ドル(100万トークンあたり)で利用可能です。OpenAIがリリースしたばかりの「廉価版Astra」ことGPT-6.1 Solと同じ。今、コスパを絶賛されてるモデルと同じなのです。
一定期間が過ぎたら入力4ドル・出力20ドルに引き上げられますが、たとえばAstraは入力10ドル・出力50ドルなので、それでも競争力があります。Xでは「アホみたいに安い」と評する声もありました。
🚨 Gemini 4 Argon is ridiculously cheap too
It’s between GPT-6 Astra and GPT-6.1 Sol in terms of cost, while being Astra level in intelligence
Google absolutely nailed the price/performance https://t.co/HTdlCLEcQj pic.twitter.com/jDGP2jCRAN
— Lumina (@LuminaBench) September 30, 2026 コモディティ化する最先端AI
ここまでしばらくの間、AIの最先端を行くのはOpenAIとAnthropicという感じでしたが、静かだったGoogleがまた乗り込んできました。
Argonは見どころが多いモデルで、付加価値もたくさんあります。
たとえば、サイバーセキュリティ面にも強みがあります。ソフトウェアの脆弱性を検知・修正する能力があり、またモデルそのものも外部からの攻撃に強くなっています。基本的には企業向けの話ですが、個人で利用する場合でもプロンプトインジェクション耐性の高さは魅力的です。
プロンプトインジェクションへの耐性を図るテストの結果。値が低いほどよい。Argonがトップになっている。Image: Google
出力トークンが100万トークンもある(たとえばAstraは12万8000トークンまで)のもおもしろいところです。入力できる量だけでなく、生成できる量も莫大であり、これが高い推論性能やエージェント性能と組み合わさるとどうなるのかは、リリースされてみてのお楽しみでしょう。
しかし、いちばん注目したいのは独自の強みをもった高性能モデルでありながら低めの料金が設定された点でしょう。
OpenAIやAnthropicも最新モデルの値段を下げていますが、それは二番手・三番手のモデルででした。Googleはそれをフラッグシップでやってきている。
最高性能でも値下げ競争が始まりつつあるように見えます。高値をつけてきたAnthropicなどにはかなり厳しい一手になるかもしれません。今後はAIの性能以上に「価格」が重要になってくるでしょう。

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Source: Google
