紅葉の見頃2026、長野は平年より9日遅れ予想 — 連休とずれる旅館の予約進捗を5府県で検証

2026年の紅葉の見頃は、長野で平年より9日遅い11月21日頃、札幌で10日遅い11月7日頃と予想されている(日本気象株式会社、9月2日発表)。京都・広島・東京は平年並みの予想だが、いずれも見頃の中心は11月下旬〜12月上旬にあり、暦の3連休(10月10日〜12日、11月21日〜23日)とは必ずしも重ならない。本稿では、京都・長野・栃木・大分・広島の5府県の旅館について、宿泊日の45日前という同じ時点の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)を並べ、「連休」と「見頃」のどちらが予約を動かしているのかを9月25日時点の途中経過として整理する。

Key Takeaways

— 長野の紅葉は平年より9日遅い11月21日頃の予想で、勤労感謝の日の3連休と重なる。京都(紅葉12月11日頃)・広島・東京は平年並みで、見頃の中心は11月下旬〜12月上旬(日本気象株式会社、2026年9月2日発表)。
— 宿泊日の45日前(LT45)の同じ時点でそろえると、10月10日(土・スポーツの日3連休初日)が5府県すべてで10月前半の最高水準(京都75.4%〜広島89.5%)。
— 翌日が平日になる祝日の夜は谷になる。10月12日と11月3日の夜は5府県とも55.5〜62.5%にとどまり、11月3日は翌日の普通の平日より低い。
— 11月7日(土)のLT45は栃木80.5%・大分79.9%で、連休でない週末がすでに連休初日を上回った。
— 11月の3連休×見頃の効果は、11月21日泊がLT45に達する10月7日以降に同じ尺度で検証できる(数値は2026年9月25日時点の途中経過・OTA掲載在庫ベースの推定)。

本記事における指標の定義

OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。本文では「稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)」と表記する。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なる。府県単位の集計値のみを示し、個別施設の稼働率は算出していない。
LT(リードタイム):宿泊日までの日数。LT45=宿泊日の45日前。本稿ではLT45以内の観測のみを使う。
同一LT比較:宿泊日が違っても、宿泊日から数えて同じ日数前の時点どうしで稼働率を比べる方法。宿泊日が先であるほど残室が多いという「時間差」の影響を取り除くために用いる。
現在の残室率:総客室数に対するOTA残室数の割合(施設ごと)。早期完売:残室数が初めて0室になった時点が宿泊日から遠いほど早い。
掲載価格:2名1室利用時の1室あたり料金(税込)・全プラン平均。
対象:旅館カテゴリ。施設別の集計は、OTAに総客室の30%以上を出している施設のみ。
データ出典:メトロエンジンリサーチ

2026年の紅葉見頃予想 — 長野は9日遅れ、京都・広島は平年並み

日本気象株式会社は2026年9月2日、「2026年第1回 紅葉・黄葉見頃予想」を発表した。秋の気温が全国的に平年より高めで推移する見込みのため、紅葉・黄葉の見頃は「平年並み」または「遅い」ところが多いとしている。地域別では、北日本の紅葉は平年並み、東日本は紅葉・黄葉とも平年並みか遅い、西日本は紅葉・黄葉とも平年並みという見立てである。

主要地点を並べると、遅れが大きいのは北日本と東日本の内陸だ。長野の紅葉は11月21日頃で平年より9日遅く、札幌は11月7日頃で10日遅い。一方、京都は紅葉12月11日頃・黄葉11月27日頃、広島は紅葉11月28日頃・黄葉11月20日頃で、いずれも平年並みの予想となっている。なお、これらは都市部の代表地点の予想であり、日光や上高地のように標高の高い名所では見頃が早く、耶馬渓や宮島のような名所ごとの見頃とも時期が異なる点には注意したい。

主要地点の紅葉・黄葉見頃予想(2026年第1回・9月2日発表)地点紅葉の見頃予想平年差黄葉の見頃予想平年差
札幌11月7日頃10日遅い11月6日頃平年並み
長野11月21日頃9日遅い11月14日頃平年並み
東京11月29日頃平年並み11月26日頃平年並み
京都12月11日頃平年並み11月27日頃平年並み
大阪12月4日頃平年並み11月24日頃平年並み
広島11月28日頃平年並み11月20日頃平年並み

出典:日本気象株式会社「2026年第1回 紅葉・黄葉見頃予想を発表」(2026年9月2日)よりホテルバンク編集部作成

平野部の色づきはまだ始まっていない。日本気象協会のtenki.jp 紅葉情報では、9月25日15時発表時点で北海道の一部が「紅葉見頃」「色づき始め」となり、層雲峡や尾瀬など山岳の名所では見頃を迎えているものの、本州以南の府県はいずれも「青葉」の表示だった。見頃予想は今後の気温経過で更新されるため、第2回以降の予想を確認しながら販売計画を調整する必要がある。

暦の3連休と見頃予想のずれ

2026年の秋は、祝日の並びと見頃予想の時期がずれている。10月のスポーツの日は10月12日(月)で、10日(土)からの3連休となる。ただし平野部の紅葉はまだ青葉の時期であり、需要を支えるのは紅葉そのものより「秋の連休」という暦の力だといえる。11月3日(火)の文化の日は前後が平日の飛び石で、連休にはならない。

11月は、勤労感謝の日の11月23日が月曜にあたり、21日(土)からの3連休となる。長野の紅葉予想日(11月21日頃)はこの連休とちょうど重なる。これに対し京都の黄葉(11月27日頃)、広島の紅葉(11月28日頃)、東京の紅葉(11月29日頃)は連休の翌週末に集中し、京都の紅葉は12月11日頃と連休から3週間近く後にずれる。

2026年秋の祝日・連休と見頃予想の関係日付暦の上の位置づけ2026年の見頃予想との関係
10月10日(土)〜12日(月)スポーツの日の3連休平野部の紅葉はまだ青葉の時期。標高の高いエリアを除けば「紅葉前」の連休
11月3日(火)文化の日(飛び石・前後は平日)長野の黄葉予想(11月14日頃)より前
11月14日(土)通常の週末長野の黄葉予想日(平年並み)
11月21日(土)〜23日(月)勤労感謝の日の3連休長野の紅葉予想日(11月21日頃・平年より9日遅い)と重なる。広島の黄葉予想(11月20日頃)の直後
11月27日(金)〜29日(日)通常の週末京都の黄葉(11月27日頃)・広島の紅葉(11月28日頃)・東京の紅葉(11月29日頃)の予想日が集中
12月4日(金)・11日(金)通常の平日(金曜)大阪の紅葉(12月4日頃)、京都の紅葉(12月11日頃)の予想日

出典:日本気象株式会社「2026年第1回 紅葉・黄葉見頃予想」(2026年9月2日発表)、内閣府「国民の祝日について」よりホテルバンク編集部作成

このずれは、旅館の販売にとって二つの意味を持つ。ひとつは、連休の夜は見頃と関係なく埋まりやすく、見頃の週末は連休でなくても埋まりやすいため、需要の山が秋のあいだに複数できることである。もうひとつは、連休の最終夜や見頃直後の平日に需要の谷ができやすいことだ。次の節では、この山と谷を実際の予約進捗で確かめる。

比較の前提 — 「先の日付ほど残室が多い」を補正する

在庫データを単純に並べると誤った結論になりやすい。9月25日時点で見れば、10月10日泊は宿泊日の15日前、11月28日泊は64日前にあたる。宿泊日が先であるほど予約が入る時間が残っているため、残室が多いのは当然である。「11月28日は残室が多いから需要が弱い」と読むのは、単に予約期間の違いを見ているにすぎない。

そこで本稿では、次の手順で比較する。

手順1:すべての宿泊日を「宿泊日の45日前(LT45)」という同じ時点の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)でそろえる。

手順2:同じLT45どうしで差が出た部分だけを「需要の偏り」として扱う。同じ曜日(土曜)どうし、平日どうしで比べることで曜日の影響も切り分ける。

手順3:9月25日時点でLT45に達していない宿泊日(11月14日以降)は、数値比較に使わない。宿泊日の45日超前の観測は掲載枠が積まれる前の状態を含み、予約進捗を表さない場合があるためである。

手順4:前年同時期の同一LT値との比較も有効だが、施設別の残室観測は2026年3月に始まっており、2025年秋の同一LT値は存在しない。そのため本稿は同じ年の中での同一LT比較に限定する。

11月の主要な土曜が、いつLT45に達するかを整理すると次のとおりである。11月21日(土)は10月7日、11月28日(土)は10月14日にLT45を迎える。見頃と連休が重なる効果は、10月上旬以降に同じ尺度で検証できるようになる。

11月の主要な土曜がLT45に達する日(2026年9月25日時点)宿泊日9月25日時点のLTLT45に達する日本稿での扱い
10月10日(土)158月26日(到達済み)同一LT比較+直前15日の途中経過
11月7日(土)439月23日(到達済み)同一LT比較(LT45)
11月14日(土)509月30日数値比較の対象外(LT45未到達)
11月21日(土)5710月7日同上
11月28日(土)6410月14日同上

出典:ホテルバンク編集部作成

同じ45日前で比べると — 5府県の旅館の稼働率

下の表とグラフは、10月3日から11月7日までの主要な宿泊日について、LT45時点の旅館の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)を並べたものである。対象は京都121〜126施設/客室2,208〜2,341室、長野281〜286施設/6,654〜6,758室、栃木149〜150施設/5,831〜5,849室、大分235〜239施設/3,675〜3,737室、広島42〜45施設/1,101〜1,133室(いずれも主要予約サイト掲載ベース)である。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(旅館・LT45時点の稼働率〈OTA掲載在庫ベース・推定〉)

旅館のLT45時点の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)— 5府県・宿泊日別宿泊日京都長野栃木大分広島10/3(土)57.1%71.3%72.0%62.9%69.6%10/7(水)66.6%66.4%62.5%58.8%69.5%10/10(土・連休初日)75.4%83.9%79.1%77.0%89.5%10/11(日・連休中日)66.7%74.4%73.8%69.1%83.1%10/12(月・スポーツの日)56.9%60.2%55.5%58.4%60.1%10/17(土)64.7%79.5%69.9%74.2%80.9%10/21(水)75.2%68.3%62.8%68.2%73.6%10/24(土)72.1%78.8%75.4%73.0%87.4%10/31(土)70.6%79.9%75.8%78.1%87.4%11/3(火・文化の日)60.3%59.5%62.3%62.5%59.3%11/4(水)69.9%64.8%66.7%69.9%66.1%11/7(土)72.2%77.1%80.5%79.9%80.1%
対象施設数/客室数121〜126施設
2,208〜2,341室281〜286施設
6,654〜6,758室149〜150施設
5,831〜5,849室235〜239施設
3,675〜3,737室42〜45施設
1,101〜1,133室

※旅館カテゴリ、宿泊日の45日前(LT45)時点の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)。各宿泊日のLT45観測日は8月19日(10/3泊)〜9月23日(11/7泊)。対象N施設/客室Mは主要予約サイト掲載ベースで、宿泊日ごとにわずかに異なるため範囲で示した。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

同じLT45でそろえると、三つの傾向が読み取れる。第一に、スポーツの日3連休の初日である10月10日(土)は5府県すべてで10月前半の中で最も高い。京都75.4%、長野83.9%、栃木79.1%、大分77.0%、広島89.5%で、同じ10月の通常の土曜である10月3日と比べると京都で18.3pt、長野で12.6pt上回った。紅葉前の時期でも、連休初日の夜は強い需要日になっている。

第二に、祝日の夜がそのまま需要日になるとは限らない。10月12日(月・スポーツの日)の夜は5府県とも55.5〜60.2%にとどまり、11月3日(火・文化の日)の夜も59.3〜62.5%だった。とりわけ11月3日は、翌日の11月4日(水)という普通の平日よりも5府県すべてで低い(京都は9.6pt差、大分は7.4pt差)。翌日が平日になる祝日の夜は、宿泊需要の面では「休日」として機能しにくいことが分かる。

第三に、11月前半の土曜はすでに連休初日並みの水準に達している府県がある。11月7日(土)のLT45は栃木80.5%、大分79.9%で、いずれも10月10日の連休初日(栃木79.1%、大分77.0%)を上回った。京都は72.2%で連休初日との差は3.2pt、長野は77.1%で6.8pt差である。時期としては日光や九州の紅葉名所がシーズンに入る週末にあたり、連休でなくても秋の週末需要が積み上がっていると考えられる。

京都には別の特徴もある。10月21日(水)のLT45は75.2%で、10月10日の連休初日(75.4%)とほぼ同水準だった。平日の宿泊日が連休初日とほぼ同じ水準に達したのは5府県の中で京都だけで、修学旅行シーズンの団体需要やインバウンド需要といった平日を支える需要層の厚さがうかがえる。価格面では、京都の旅館の掲載価格(全プラン平均・税込)はLT45時点で11月7日泊が約¥69,700と、10月10日泊の約¥61,900を上回っていた。稼働率は連休初日にわずかに届かない一方、価格はすでに秋の繁忙期の水準に切り替わっている。京都の平日需要と修学旅行の時期の関係は、修学旅行の時期は10〜12月に64%集中|京都・沖縄・広島の平日稼働と受け入れ余力2026で詳しく分析している。

10月10日の連休初日 — 宿泊15日前の途中経過

10月10日泊は9月25日時点で宿泊日の15日前にあたり、予約の最終盤に入っている。府県単位の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)は、LT45からLT16(9月24日観測)までの約1か月で京都が75.4%から89.4%へ14.0pt、大分が77.0%から94.2%へ17.2pt上昇した。長野はLT45時点ですでに83.9%と高く、LT16では92.8%に達している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(旅館・10月10日泊)

10月10日泊・旅館の稼働率の推移(LT45→LT16、OTA掲載在庫ベース・推定)府県(旅館)LT45(8/26)LT16(9/24)増分対象N施設/客室M京都75.4%89.4%+14.0pt121〜122施設/2,232室長野83.9%92.8%+8.9pt282〜283施設/6,654室栃木79.1%89.0%+9.9pt150施設/5,843室大分77.0%94.2%+17.2pt239施設/3,737室広島89.5%95.4%+5.9pt44施設/1,129室

※10月10日(土)泊。稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)。対象N施設/客室Mは主要予約サイト掲載ベース。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

同じ連休でも、埋まり方の速さは府県で異なる。京都と長野について、10月10日・17日・24日の各土曜のブッキングカーブを重ねたのが次のグラフである。京都は同じLT45でも10月10日が75.4%、10月17日が64.7%と10.7ptの差があり、この差はLT23時点でも9.3pt(86.9%と77.6%)残っている。長野は10月10日と10月17日の差がLT45で4.4pt、LT23で6.3ptと、差が小さい一方で直前に向けてやや広がった。

※旅館カテゴリ。京都:対象121〜123施設/客室2,232〜2,241室、長野:対象283〜286施設/客室6,654〜6,742室(主要予約サイト掲載ベース)。9月24日までの観測。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

施設単位で見ると、10月10日泊の在庫はさらに細くなっている。OTAに総客室の30%以上を出している旅館に限って9月25日時点の状態を集計すると、長野・大分・広島では集計対象の約半数が残室0の状態にあり、現在の残室率の中央値は長野1.1%、大分0.0%、広島1.3%だった。京都と栃木は中央値がそれぞれ11.5%、12.5%で、残室0の施設は京都36施設(集計対象の36%)、栃木29施設(同27%)である。宿泊日の45日以上前から完売を観測していた施設も、長野57施設、大分45施設、京都26施設を数えた。

10月10日泊・施設別の残室状況(2026年9月25日時点)府県旅館の母集団残室推移を観測集計対象
(OTA公開枠30%以上)現在の残室率
(中央値)現在残室0の施設宿泊日の45日以上前から
完売を観測京都府47516910011.5%36施設(36%)26施設長野県8003351641.1%78施設(50%)57施設栃木県46119410712.5%29施設(27%)21施設大分県6092871630.0%81施設(51%)45施設広島県18562261.3%13施設(50%)8施設

※10月10日(土)泊、2名1室。9月25日時点の観測(宿泊日の15日前)。集計対象は、OTAに総客室の30%以上を出している施設のみ(公開枠30%未満の施設は除外)。長野県は集計対象164施設のうち156施設、大分県は163施設のうち158施設で残室率と施設数を算出。現在の残室率=総客室数に対するOTA残室数の割合。残室0は販売停止を含む可逆的な状態で、キャンセルや追加の放出で在庫が戻ることがある。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

ここでの残室0は販売停止を含む可逆的な状態であり、宿泊日が近づくとキャンセルやホテル側の追加放出で在庫が戻ることがある。連休初日に向けた最後の2週間は、戻ってきた在庫を取りこぼさず再販できるかが収益の差になりやすい局面といえる。

11月の3連休はこれから — 10月上旬が最初の判定点

見頃予想と勤労感謝の日の3連休が重なる長野にとって、11月21日(土)・22日(日)は秋の最大の山になる可能性がある。ただし、9月25日時点では11月21日泊はまだ宿泊日の57日前であり、手順3のとおり数値比較の対象から外した。この時期の残室の多さは、予約期間がまだ残っていることの反映にすぎない。

判定の目安は、11月21日泊がLT45に到達する10月7日である。この日以降に、11月21日泊のLT45稼働率を10月10日(連休初日)と11月7日(土)のLT45と並べれば、「連休×見頃」の上乗せ分を同じ尺度で測れる。京都の場合は、見頃予想(黄葉11月27日頃・紅葉12月11日頃)に近い11月28日泊がLT45に達する10月14日が最初の判定点となる。

ここで一つ留意したいのは、10月12日と11月3日で確認した「翌日が平日の祝日の夜は弱い」という傾向である。11月23日(月・勤労感謝の日)の夜も翌日は平日であり、同じ構図になる可能性が高い。つまり11月の3連休でも、需要の中心は21日(土)と22日(日)の2泊で、23日の夜は谷になりやすいと想定しておくのが現実的だろう。連休最終夜の落ち込みを前提にした打ち手は、栃木の10月三連休、旅館は初日86.5%・最終夜64.9%が具体的に掘り下げている。

実務への示唆 — 見頃のずれを収益機会に変える3つの設計

1. 11月後半の平日・連休最終夜の在庫を先に設計する。見頃の中心が11月下旬〜12月上旬にある京都・広島では、見頃の週末に需要が集まる一方、その前後の平日と11月23日の夜は相対的に空きやすい。京都の平日需要は10月21日のLT45が連休初日並みだったように厚く、平日にも伸びしろがある。平日限定の連泊プランや、早朝の紅葉散策・夕食時間の選択肢など「混雑を避けて見頃を楽しめる」価値を打ち出すことで、平日と最終夜の在庫を収益機会に変えられる。

2. 見頃予想の更新をプラン切り替えの合図にする。第2回以降の見頃予想で遅れが確定した場合、10月後半〜11月前半の「紅葉」を前面に出したプランは「色づき始め」「秋の味覚」「温泉」へ訴求を切り替え、紅葉の訴求は11月後半〜12月上旬に寄せるのが自然である。下のプラン名の集計でも、紅葉を冠した旅館プランの上位要素は会席・2食付・海鮮・和牛といった料理であり、見頃の時期に左右されない価値で秋の在庫を売る設計はすでに主流になっている。価格は、見頃の週末を段階的に引き上げ、見頃前の週末は料理や温泉の価値で水準を維持する組み立てが考えられる。

3. 天候リスクは「戻り在庫の再販」で吸収する。紅葉は気温や台風で前後にずれ、見頃がずれると直前のキャンセルが出やすい。10月10日泊の途中経過で見たように、主要府県では連休初日の在庫が宿泊15日前の時点でほぼ残っていない。キャンセルで戻った客室を直前に再販できるよう、宿泊日の14日前以降も価格とプランを動かせる体制にしておくことが、天候リスクを収益機会に変える現実的な方法である。見頃に合わせた日程変更を受け付けるプランを用意し、キャンセルを「日程変更」に置き換えるのも一案だ。

宿向け:このテーマに効くプラン名のヒント

旅館で「紅葉・秋」を冠して公開されているプラン名(N=424)に多い訴求要素 ——

会席コース 42%2食付 22%海鮮 21%和牛・ブランド牛 18%温泉露天 14%季節催事 9%

実際の名前の例(匿名化):

【早割30】お一人様1100円OFF【伊勢海老・五種茸信州味噌ごま鍋・信州牛】秋最上級会席プラン【早割30】お一人様1100円OFF【鮑姿造り・五種茸信州味噌ごま鍋・信州牛焼きしゃぶ】秋アップ会席

※公開プラン名の集計にもとづく傾向で、命名が販売を生む因果を示すものではありません。見頃の時期に依存しない「秋の味覚」「温泉」の訴求が上位に来ている点は、見頃の前後に在庫を売る設計と相性がよいと考えられます。

よくある質問

Q. 2026年の紅葉の見頃は平年より遅いですか?

A. 日本気象株式会社が2026年9月2日に発表した第1回予想では、秋の気温が平年より高めに推移する見込みのため、全国的に見頃は「平年並み」か「遅い」ところが多いとされています。長野の紅葉は11月21日頃で平年より9日遅く、札幌は11月7日頃で10日遅い予想です。京都(紅葉12月11日頃)、広島(11月28日頃)、東京(11月29日頃)は平年並みの予想です。

Q. 紅葉シーズンの旅館は、いつの宿泊日が予約で埋まりやすいですか?

A. 宿泊日の45日前という同じ時点で比べると、京都・長野・栃木・大分・広島の旅館では、10月10日(土)のスポーツの日3連休初日と、11月7日(土)など10月後半〜11月前半の土曜の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)が高い水準でした。一方で、祝日でも翌日が平日となる10月12日(月)や11月3日(火)の夜は、5府県とも直後の平日より低い水準にとどまりました。

Q. 11月の3連休(11月21日〜23日)の旅館の予約状況はどうですか?

A. 9月25日時点では、11月21日泊はまだ宿泊日の45日前に達していません(到達は10月7日)。45日より前の観測には掲載枠が積まれる前の状態が含まれるため、本稿では数値比較の対象外としています。10月上旬以降、同じ45日前の断面で10月・11月前半の土曜と比べることで、連休と見頃が重なる効果を確認できます。

まとめ

2026年の紅葉見頃は、長野で平年より9日遅い11月21日頃、京都・広島・東京は平年並みながら11月下旬〜12月上旬が中心と予想されている。宿泊日の45日前という同じ時点で5府県の旅館を比べると、スポーツの日3連休の初日(10月10日)が10月の山になる一方、翌日が平日となる10月12日や11月3日の祝日の夜は谷になった。11月7日(土)の稼働率は栃木・大分ですでに連休初日を上回っており、秋の週末需要は連休でなくても積み上がっている。

11月の3連休と見頃が重なる効果は、11月21日泊がLT45に達する10月7日以降に同じ尺度で検証できる。見頃のずれは需要の山と谷を増やすが、平日・最終夜の在庫設計、見頃予想の更新に合わせたプラン切り替え、直前の再販体制を組み合わせれば、そのまま秋の収益機会になるだろう。

⚠ 将来日程のデータに関する注意:本記事の10月以降の宿泊日に関する稼働率・残室・掲載価格は、調査時点(2026年9月25日)でOTAに公開されている在庫と販売価格に基づく推定であり、宿泊日に近づくにつれて変動します。宿泊日の30日以上先にあたる日程については、途中経過として示したものであり、完売や需要の強弱を確定させるものではありません。見頃予想は今後の気温経過により更新されます。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

旅館の稼働率・ブッキングカーブ・施設別残室・掲載価格は、メトロエンジンリサーチの集計(OTA掲載在庫ベース、京都・長野・栃木・大分・広島の旅館カテゴリ、2026年9月25日時点)。紅葉・黄葉の見頃予想は日本気象株式会社の第1回予想(2026年9月2日発表)、色づき状況は日本気象協会 tenki.jp、祝日は内閣府の公表による。

■ 試算前提

府県間・宿泊日間の比較は、宿泊日の45日前(LT45)時点の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)でそろえた同一LT比較とした。対象施設数・客室数は宿泊日ごとの掲載ベースで、範囲で示している。施設別の集計はOTAに総客室の30%以上を出している旅館に限定し、掲載価格は2名1室利用時の1室あたり料金(税込・全プラン平均)である。

■ 限界・留意点

稼働率はOTA販売在庫の消化状況にもとづく推定で、施設全体の実稼働率とは異なる。施設別の残室観測は2026年3月に始まったため、前年同時期の同一LT比較はできない。9月25日時点でLT45に達していない宿泊日(11月14日以降)は数値比較から除いた。残室0は販売停止を含む可逆的な状態で、見頃予想も今後の気温経過により更新される。

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