掲載日
2026年9月29日

ミラノの老舗高級レザーブランド、セラピアンは、ディモーレギャラリーと協業し、ミラノの邸宅「ヴィラ・モーツァルト」の象徴的な空間で、没入型かつ多感覚的なインスタレーションを通じて2027年春夏コレクションを発表したのちも、引き続き日本を重視しています。

セラピアン、2027年春夏コレクションセラピアン、2027年春夏コレクション

「このプレゼンテーションは、あるアートコレクターの情熱を軸に据えたラブストーリーとして構成されています。細部に至るまで丹念にしつらえられた彼女の邸宅を、1930~40年代のミラノ上流社会に身を置く女性である所有者が慌ただしく外出した直後の瞬間で捉え、その家自体をセラピアンの新作を称える理想の舞台に見立てています」と、この名門ブランドのフランス人CEO、マキシム・ボエ氏はFashionNetwork.comに語りました。同ブランドは2017年8月以降、スイスのラグジュアリー大手リシュモンの100%子会社となっています。「実際、このインスタレーションのタイトルには『不在、その詩』が選ばれました。たとえ空であってもなお生き続けるインテリアのように感じられるからです。この謎めいたミラノの女性は、恋する情熱的なアートコレクターとして描かれています。そこでディモーレギャラリーは、その時代のデザインの最良のピースを厳選しました。ポルタルッピ、ボルサーニ、ジオ・ポンティの作品に加え、このプロジェクトのために特別に制作された装飾要素も多数あります。例えば、カーペットはメゾン・ルリエーヴル、カーテンはデロールと協業し、現代の顧客が求める『感動』や『希少性』という感覚を真に喚起するべく仕上げています」。

セラピアン、2027年春夏コレクションセラピアン、2027年春夏コレクション

ボエ氏は、このコレクションに「ヴィラ」と名付けられた新たなフォルムのバッグが登場することも明かしました。これは、ブランドのミラノ本拠である「ヴィラ・モーツァルト」、すなわち「ヴィラ・セラピアン」に捧げられたものです。ヴィラ・モーツァルトとは、ミラノ中心部に位置するピエロ・ポルタルッピ設計のモダニズム建築で、1926年に建てられた建築の至宝。以前は「ヴィラ・ザノレッティ」として知られていました。新作は斜め掛けもできるショルダーバッグで、日常使いのポシェットとしても、夜の装いにふさわしい佇まいも備えています。「だからこそ、今回再現された空気感は夜想的で、きわめてエレガントなのです」と同幹部は続けます。「女主人は急いで外出したばかり。無造作に置かれた品々、床に散らばる花、本棚から落ちた本——。愛人に会いに行ったのか、それとも取り戻しに行ったのか。私たちには分かりません。ただ、彼女の情熱を物語る痕跡が確かに残されているのです」。

セラピアン、2027年春夏コレクションセラピアン、2027年春夏コレクション

クラッチバッグ型の「ヴィラ・バッグ」もあり、朝から夜まで活躍します。「今日の私たちの顧客のライフスタイルは、ビジネスブレックファストに始まり、頻繁に旅をし、数々のアポイントメントをこなし、夜はカクテルやアペリティフに参加する——そんな日常です。だからこそ、非常に汎用性の高いモデルが求められます。その意味で『ヴィラ・バッグ』は理想的な存在です」とボエ氏は述べ、セラピアンの新たな展開についても明かしました。

「10月中旬、東京の中心部にある西武池袋百貨店内にブティックをオープンする予定です。何と言っても、日本は当社にとって最大の市場です。日本の顧客は、工芸への敬意、高度な職人技、細部の完璧さ、そして多くのクリエーションに見られる幾何学的な造形をとても愛してくださいます。現在、この市場の開拓を積極的に進めています。このブティックの特徴は」とCEOは続けます。「店内に職人が常駐し、オーダーメイドの提案を継続できる点にあります。私たちはお客様のために多くの一点物を手がけており、これはサービスの重要な柱なのです」。

セラピアン、2027年春夏コレクションセラピアン、2027年春夏コレクション

日本に次ぐのは中東、イタリア、米国です。「米国では、顧客が増えています。さらに、イタリアのブティックには多くのアメリカ人観光客が訪れ、パートナーネットワークを通じてセラピアンを購入してくださっています」とフランス人マネージャーは説明します。「イタリア国内の動きも良好です。1年余り前のローマ・ブティックのオープン以降、ローマや南イタリアのお客様をますます多くお迎えしています。ミラノでも顧客は増加しており、これは大いに『ヴィラ・モーツァルト』のおかげです。ここでは多くのVIPのお客様をお迎えし、文化・芸術体験や招待制のヴェルニサージュをご提供しています」。

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セラピアンの販売網はきわめて厳選されており、世界でも少数のハイエンド店舗に絞られています。「そのため、当社のECサイトでは、世界のどこにいらしてもセラピアンのクリエーションをご購入いただけます」とボエ氏は説明します。「少し逆説的に聞こえるかもしれませんが、セラピアンの製品は、目にするとまず手に取り、その軽さを確かめたくなるものです。実際、どれも驚くほど軽量です。私が『ECは当社にとって依然として非常に重要で、着実に成長している』と申し上げると、多くの方が驚かれます。売上高は明かせませんが、私たちは希少性という旗を高く掲げつつ、重要な発展段階にあり、力強い拡大を続けているとお伝えできます」。

「デジタルが溢れ、人工知能が盛んに語られる現代においても、人はなお、他者の手によって生み出された作品を求めるものだと思います。ときに『不完全さ』という美しささえ宿すクリエーションであることを理解し、そこに感情や希少性を見出したいのです。これこそが、今日の世界においてセラピアンを特に意義深い存在たらしめている理由だと考えています」と、マキシム・ボエ氏は締めくくりました。

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1920年代、トルコでの虐殺を逃れてイタリアに渡ったアルメニア人のステファノ・セラピアンは、弟のアラマイスと共に、1928年に革の端材を使ったバッグの製造で皮革製品の世界にデビューし、まずはヴェネツィアへ、のちにミラノへと拠点を移しました。成功はすぐに訪れ、職人チームを中心に事業は拡大。1945年には妻のジーナ・フローリと共に、ミラノのヴィア・ジョンメッリに初のブティック兼アトリエをオープンし、自身の名を冠したブランドを誕生させました。1973年には息子のアルダヴァストが会社の舵取りを担い、ブランドを国際的な地位へと押し上げます。同社は当時から、最高級皮革に関する豊富な経験と高度な知見でとりわけ知られており、その伝統は今も受け継がれています。一方、「ス・ミズーラ(オーダーメイド)」も同様に歴史ある事業で、特に1960年代から1980年代末にかけて大きく成長しました。2017年には、スイスのラグジュアリー大手リシュモンの傘下に加わりました。

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