篠原 匡

ジャーナリスト・編集者

愛知県に住む外国人は約36万人と、東京、大阪に次ぐ全国3位で過去最高を更新中だ。ジャーナリストの篠原匡さんは「ものづくり県を支える中小の製造業では日本人の若者が集まらず、外国人なしでは現場が回らなくなっている」という――。


※本稿は、篠原匡『愛知県は天下を取るがね』(新潮新書)の一部を再編集したものです。


グラインダーを使用する金属労働者

写真=iStock.com/Phynart Studio

※写真はイメージです



愛知の在留外国人は全国3位

愛知と東京を行き来して気づいたことの一つに、愛知の外国人労働者の多さがある。地域にもよるが、コンビニや居酒屋の店員が外国人なのは当たり前。通勤・通学時間帯の地下鉄や昼休みのコンビニを見ても、明らかに外国出身と思われる人を数多く見かける。つまり、彼らは旅行者ではなく愛知に住んでいるということだ。東京にも外国人はたくさんいるが、どちらかと言えば目立つのは観光客で、私が住む多摩東部では外国人はそれほど多くは見かけない。


それは数の上でも明らかだ。日本に住んでいる在留外国人の数を見ると、愛知(35万7800人)は東京(80万1438人)、大阪(37万5319人)に次ぐ第3位(2025年末時点)。リーマンショックやコロナ期など落ち込んだ時期もあるが、その数は入管法が改正された1990年以降、ほぼ一貫して上昇している。特に2021年以降の伸びは顕著で過去最高を更新中だ。


数が一番多いのは名古屋市だが、飛島村や高浜市など人口に占める外国人の割合が10%を超える地域もある。在留資格は永住者が中心だが、最近はホワイトカラーを対象とした技人国(技術・人文知識・国際業務)や、ブルーカラー向けの特定技能が増えている。在留外国人ではなく、日本で就労している外国人労働者の数を見ても、愛知は2019年の17万5119人から2025年の24万9076人と40%増だ。


溶接

写真=iStock.com/kyonntra

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縫製も溶接も責任者は外国人

改めて説明する必要もないが、外国人労働者が増加している理由は圧倒的な人手不足である。愛知は自他共に認めるものづくり県だが、少子化の影響で若年労働力が減少している上に、「3K」のイメージが強い製造現場、とりわけ中小の製造業者は人材の確保に苦慮している。


名古屋市内のテント製造業、丸八テント商会の佐藤均社長も「まともに募集をかけても日本人はほとんど来ない」とあきらめ顔だ。となれば、外国人に活路を求める他にない。事実、丸八テント商会では技能実習生と社員併せて10人の外国人が働いている。同社の競争力の根幹である縫製と溶接も責任者は外国人だ。


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